イエメン渡航前の推奨ワクチン

西アジアに属するイエメンの首都はサヌアで、北はサウジアラビア、東はオマーンと国境に接しています。イエメンに渡航する際には、さまざまな感染予防ワクチンの接種を推奨しています。イエメンの渡航前に接種を推奨するのは、A型肝炎・B型肝炎・ポリオ・髄膜炎・麻疹・風疹・水痘・破傷風・インフルエンザ・新型コロナウイルスなどのワクチンです。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎とは、A型肝炎ウイルスによる急性の肝炎で、主に汚染された水・食べ物などから感染します。そのため、感染は衛生環境に大きく影響されやすいです。
症状 A型肝炎の主な症状は、全身の倦怠感・腹痛・嘔吐・食欲不振・発熱下痢・黄疸などです。感染者の多くが軽症ですが、一部急性腎不全を発症する場合も少なからずあります。
ワクチンについて A型肝炎のワクチンは、1回目から2〜4週間の間隔をあけて2回目、3回目は6カ月後に接種します。衛生環境の整っていない国では、なるべく生もの・生水は避けましょう。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスが血液・体液などを通して感染することで、発症するウイルス性の肝臓の病気です。輸血や注射針の使い回し、性交渉、分娩時による感染などが多くみられます。
症状 症状としては、疲労感・倦怠感・食欲不振が1週間ほど続きます。また、嘔吐や腹痛、黄疸などがある場合も少なくありません。
ワクチンについて B型肝炎のワクチンは、1回目から4週間あけて2回目の接種、5〜6カ月あけて3回目の接種です。
ポリオ
感染経路 ポリオはポリオウイルスによる感染症で、急性の麻痺を引き起こします。ウイルスが口の中から入り、腸の中で増殖します。増えたポリオウイルスが排便され、その便を介して人への感染が繰り返されます。
症状 症状は、頭痛・発熱・喉の痛み・吐き気・嘔吐など、風邪の症状と似ているのが特徴です。最悪の場合には、後遺症が残ってしまう、もしくは死に至る可能性があります。
ワクチンについて ポリオのワクチンの接種回数は、初回接種を3回、追加接種を1回の合計4回です。
髄膜炎
感染経路 髄膜炎は、脳・脊髄を包む髄膜に起こる感染症です。飛沫を吸い込むことで感染します。
症状 主な症状は・発熱・頭痛・嘔吐・発疹・精神症状などです。劇症型の場合には、痙攣や意識障害、さらには血液凝固異常などを引き起こし、ショック状態で死に至る可能性もあります。
ワクチンについて 感染した場合には、迅速な治療が必要です。髄膜炎菌のワクチンは、1回の接種のみです。
麻疹
感染経路 麻疹は非常に感染力の強いウイルス性の病気です。空気感染・飛沫感染・接触感染で感染が起こり、免疫を持っていない場合、ほぼ100%発症するとされています。
症状 症状は、発熱、咳、鼻水などの風邪のような症状に加え、全身に赤い発疹が現れます。
ワクチンについて 麻疹の予防には、麻疹・風疹の混合ワクチンであるMRワクチンが有効です。1回目の接種から4週間あけて2回目を接種し完了です。
風疹
感染経路 風疹も感染力が強く、免疫がない場合1人の患者から5~7人に移すほどと言われています。
症状 症状は、発熱、発疹、リンパ節腫脹が現れます。症状が現れない人もいますが、発症すると小児より成人の方が重症化を引き起こす傾があります。
ワクチンについて 風疹予防には、麻疹との混合ワクチンであるMRワクチンが有効です。1回目の接種から4週間あけて2回目を接種し完了です。
水痘
感染経路 水痘(すいとう)とは、水疱瘡(みずぼうそう)とも呼ばれ、水痘帯状疱疹ウイルスに感染して発症する病気です。
症状 主に、飛沫感染・接触感染・空気感染で広がります。水痘の症状としては、発熱・発疹・紅斑・膿疱・水疱があります。重症化すると、合併症を引き起こし、最悪の場合には死に至る可能性もある恐ろしい病気です。
ワクチンについて 水痘のワクチンは、1回目から4週間あけて2回目の接種を行います。
破傷風
感染経路 破傷風は、土壌や動物の糞便に潜む破傷風菌が傷口から侵入し、重症化すると死に至る感染症です。
症状 主な症状には、口が開けにくいなどの違和感や体の痛み、呼吸困難などが挙げられます。
ワクチンについて 破傷風のワクチンは、1回目から3〜8週間あけて2回目の接種をし、3回目は2回目の接種終了後1年~1年半後に行います。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザとは、インフルエンザウイルスにより発症する呼吸器感染症です。その感染力は非常に強く、インフルエンザウイルスを保有する人の咳・くしゃみなどで感染します。
症状 インフルエンザの症状は、38度以上の高熱・頭痛・寒気・関節痛・筋肉痛・全身の倦怠感・食欲不振などが挙げられます。
ワクチンについて 感染した場合は、タミフルやリレンザなどを服用することが効果的ですが、事前のワクチン接種での予防が大切です。インフルエンザのワクチンは13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルスとは、人・動物の間で感染するウイルスです。新型コロナウイルスの感染経路は、主に接触感染・飛沫感染・エアロゾル感染です。
症状 感染しても軽症の場合が多いですが、咳などの呼吸器症状に加え、重症化すると人工呼吸管理が必要になるケースもあります。また、疲労感・脱毛・嗅覚障害などの後遺症が残る場合もあるため、感染のリスクを軽減させるために、ワクチンの接種を推奨します。
ワクチンについて 新型コロナウイルスのワクチンは、1回目を接種してから3カ月間隔をあけ、2回目の接種です。3回目・4回目のワクチンを接種する場合もあります。

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各種ワクチン金額相場

イエメンへ渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、このとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000~8,000円/回
ポリオワクチン 7,000〜1万円/回
髄膜炎ワクチン 2万5,000円前後/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回

当クリニックでは主に、水痘・帯状疱疹ワクチン・MR(麻疹・風疹の混合)・新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)をお取り扱いしています。

イエメン渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

イエメン渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、以下のとおりです。

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
ポリオ 不活化ワクチン 1回目 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4回目(3回目終了後1年)
髄膜炎 不活化ワクチン 1回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
破傷風 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目(2回目終了後1年~1年半)
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルスワクチン mRNAワクチン 1回目 2回目

病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
ポリオ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
8週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
3ヶ月 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 4回目(3回目終了後1年)
18ヶ月 4回目(3回目終了後1年) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
髄膜炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回目終了後1年~1年半)
18ヶ月 3回目(2回目終了後1年~1年半) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルスワクチン mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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渡航先によって必要なワクチン接種は異なります。事前に情報収集を行い、必要なワクチンを漏れなく接種しましょう。また、ワクチンの種類によって回数や接種間隔が異なるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。副作用などにも考慮し、特に持病をお持ちの方は、事前に医師に相談してください。

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イエメンの基本情報

イエメン共和国は、アラビア半島の南西端に位置し、紅海とインド洋を結ぶバーブ・ル・マンデブ海峡に面しています。アフリカ大陸に近接していますが、西アジアに属する国です。イエメンの基本情報はこのとおりです。

国名 イエメン共和国(Republic of Yemen) 通貨 イエメン・リアル
言語 アラビア語 チップの習慣 基本的にはチップを支払う習慣がありません
宗教 イスラム教 文化 宗教施設への立ち入りや写真撮影は安易に行わず、ガイドなどの指示に従いましょう
気候 イエメンは国土の大半が標高の高い地域にあり、夏でも過ごしやすい気候です。首都サヌアは標高2300mの高地にあるため、季節を問わず快適な気温です。しかし、雨季以外は降雨量が少なく乾燥しており、土埃がひどいので、目や呼吸器への注意が必要です 時差情報 6時間(日本の方がイエメンより6時間進んでいます。)
服装 イスラム教のため、露出が多い服装は避けましょう。長袖・長ズボン・スカーフなどの着用をおすすめします。また、海辺と高原では寒暖差が激しい点には注意しましょう 治安情報 イエメン 危険・スポット・広域情報

イエメンの渡航情報

イエメンへの入国には、滞在目的にかかわらずビザの取得が必要になります。ただし、現在イエメンにはレベル4の退避勧告が出ていますので最新情報をご確認ください。

ビザ情報 滞在目的問わず、ビザの取得が必須です。取得の際には、パスポートの残存有効期間が3カ月以上なくてはなりません
パスポートの必要有効残存期間 入国時から3カ月以上必要です
入国カードの記入について 入国カードの記入が必要です

入国に必要な手続き

イエメンへの渡航に必要なもの・手続きについては以下のとおりです。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

イエメン入国時には、入国カードとパスポートを提示しなければなりません。

ビザ
イエメンへの渡航には、渡航目的にかかわらずビザの取得が必須です。事前に在日イエメン大使館で申請を行います。


パスポート
パスポートは、イエメン入国時に3カ月以上の残存有効期間がなければなりません。もし、条件を満たしていない場合には事前のパスポートの更新が大切です。


入国カード
入国カードは、機内で配布されるため、記入漏れのないよう注意しましょう。入国時までに記入を終えていると、入国審査までスムーズに進めます。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

イエメン入国時に行われる手続きは入国審査です。入国審査のカウンターに進み、パスポートと入国カードを提示しましょう。


出国に必要な手続き

アルジェリアからの出国に必要な手続きと必要な物品について説明します。適切な準備がなされていないと、予定通りの帰国が困難になる可能性があるため、注意が必要です。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

イエメン出国に必要な手続きは、現在外務省や大使館から公開されていません。イエメンには、外務省が現在レベル4の退避勧告を発令しています。そのため渡航は控えるようにしましょう。また、最新情報につきましては、外務省や大使館にお問い合わせください。


Q&A

よくある質問

イエメン入国に接種が必須のワクチンはありますか?
入国の際に、接種を義務付けられているワクチンはありません。しかし、黄熱に感染する危険のある国から入国する場合、渡航者(1歳以上)は黄熱予防接種証明書(イエローカード)が要求されています。
渡航前にワクチンが間に合わなかったらどうしますか?
一般的には、日数が少ないと医療機関でワクチンを接種できません。渡航が決まったら、なるべく早めにワクチン接種計画を立てましょう。
日本からイエメンに行くには?
日本からイエメンへの直行便はないため、渡航の際には乗り換えが必要です。アラブ圏・ヨーロッパから直行便が出ています。
日本とイエメンの関係は?
日本とイエメンは1972年に外交関係を樹立し、長年に渡り友好関係を築いてきました。しかし、2011年の内戦勃発以降、関係は停滞状態にあります。日本は人道支援を継続する一方、渡航中止勧告を発出しており、二国間関係の改善は内戦の終結に大きく左右されるでしょう。
イエメンの治安はどうですか?
特に現在(2024年2月時点)のイエメンは、治安が良好ではありません。政府からも渡航禁止勧告・レベル4の退避勧告が発令されているため、最新情報をご確認ください。

Popular place

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渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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