キューバ渡航前の推奨ワクチン
キューバはカリブ海に浮かぶ島国で、美しいビーチリゾートや数多くの世界遺産があります。中南米に分類されるキューバに渡航する際、事前に接種しておくことが望ましい主なワクチンは、黄熱・A型肝炎・麻疹・風疹・水痘・新型コロナウイルス・インフルエンザの7種類です。
- 黄熱
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感染経路 黄熱は、蚊によって媒介されるウイルス性の感染症です。 症状 主な症状は、頭痛や発熱、倦怠感などで、ほとんどの場合は発症から3〜4日で回復します。 ワクチンについて 致死率は5~10%とされていますが、流行時や免疫がない渡航者などの場合は60%以上に達するとの報告もあるため、中南米やアフリカのような熱帯地域へ渡航する際は事前のワクチン接種が推奨されます。ワクチンの接種は1回のみです。黄熱の予防接種証明書は、接種10日後から有効になります。1回の接種で、予防接種証明書は生涯有効です。
- A型肝炎
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感染経路 A型肝炎は、汚染された食物や水から感染するウイルス性の肝疾患です。キューバは、A型肝炎のリスクが高い地域であるとされているため注意が必要です。 症状 主な症状は、急な発熱や倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐などで、発症の数日後には黄疸が現れます。 ワクチンについて ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種し、その6カ月後に3回目を接種します。それにより、ワクチンの効果が5年続くとされています。
- 麻疹
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感染経路 麻疹は、急性のウイルス性感染症で、非常に強い感染力が特徴です。 症状 主な症状は、発熱や咳、鼻水、発疹などで、重症化すると肺炎や脳炎を発症することもあります。 ワクチンについて 麻疹にかかったことがない、または過去に麻疹のワクチンを2回接種したか定かではない人は、渡航前のワクチン接種が重要です。麻疹のワクチン接種は2回行われ、1回目と2回目の間隔を4週間空けて実施します。
- 風疹
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感染経路 風疹は、飛沫感染する非常に感染力の強い病気です。 症状 主な症状は、発熱やリンパ節腫脹、発疹が現れますが、感染しても無症状の人もいます。通常は自然に治るものの、重症化すると脳炎などを発症し入院が必要になる場合もあります。 ワクチンについて 風疹にかかったことがない、または過去にワクチンを2回接種したか定かではない人は、渡航前の接種が重要です。風疹のワクチン接種は2回行われ、1回目と2回目の間隔を4週間空けて実施します。
- 水痘
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感染経路 水痘は、空気感染や飛沫感染、接触感染で広がる、非常に感染力の高い病気です。 症状 主な症状は、発熱や倦怠感が現れた後、発疹が発生します。発疹が現れから1〜3日かけてすべての発疹がかさぶたとなり、症状が治まっていきます。 ワクチンについて 水痘のワクチンは2回接種です。13歳以上の方は1回目の接種から4週間後に2回目の接種が可能です。ただし、既に水痘にかかったことのある方は免疫を持っているとみなされるため、基本的に接種の必要はないとされています。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルス感染症は、2019年から流行している感染症です。飛沫や接触により感染します。 症状 感染しても無症状の場合や軽症で済む場合もありますが、基礎疾患のある人など、条件によっては肺炎を起こすなど重症化する場合があり、注意しなければいけません。 ワクチンについて 日本ではワクチン接種が推奨されており、複数回の接種が必要となります。海外への渡航の際、接種証明を求められる国もあるため、渡航先の入国条件の確認が重要です。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、飛沫感染や接触感染で広がります。 症状 主な症状は、38度以上の発熱や全身の倦怠感、頭痛、関節痛などがあります。高齢者や呼吸器・循環器の慢性疾患を持つ患者などは、重症化すると入院や死亡のリスクが高まることが知られている病気です。 ワクチンについて 重症化の回避にワクチン接種が効果的であり、渡航前の接種が推奨されます。インフルエンザワクチンは、2回接種が必要です。1回目と2回目の間隔を4週間空けて実施します。
各種ワクチン金額相場
キューバへ渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、以下のとおりです。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
黄熱ワクチン | 1万2,000円/回 |
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000円〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
当クリニックでは、上記のワクチンの内、黄熱ワクチン以外のワクチンを取り扱っております。ワクチンは事前確保が必要なため、原則、完全予約制です。
キューバ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | 1回目 | ||||||||||
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
麻疹・風疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
水痘・ 帯状疱疹炎 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・ 帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
2回目の接種までの間隔は、A型肝炎ワクチンは2週間〜4週間、麻疹・風疹・水痘・インフルエンザワクチンに関しては4週間、新型コロナウイルスワクチンは3カ月です。A型肝炎ワクチンの3回目接種までの間隔は、1回目の接種から6カ月空ける必要があります。黄熱ワクチンのような生ワクチンを接種した場合には、別の生ワクチンを接種するまでに、4週間は空けなければなりません。複数の生ワクチンを接種する場合には、計画的にスケジュールを立てることが重要です。
キューバの基本情報
国名 | キューバ共和国(Republic of Cuba) | 言語 | スペイン語 |
---|---|---|---|
宗教 | 原則、自由 | 気候 | 年間の平均気温20度以上の温暖な気候です。しかし、真夏は、平均気温が約30度まで上がります。 |
服装 | ・年間を通して温暖な気候なため、日中は夏服で十分です ・朝晩の冷え込みやバスや屋内の冷房に備えて、長袖の羽織りものなど調整できる服装が必要です |
通貨 | キューバペソ |
チップの習慣 | ・サービスを受けたらチップを渡す習慣があります ・レストラン・タクシー:料金の15%程度 |
文化 | ・撮影禁止の場所が多く、注意しなければいけません。軍事施設や警察・消防署を含む公安施設の写真撮影は禁止されています ・主要な道路や橋などであっても、撮影が禁止されている場所があります。写真を撮る前に、撮影禁止の表示がないか必ず確認が必要です |
時差情報 | ・キューバは、-14時間(日本の方が14時間進んでいます) ・サマータイム(3月上旬〜11月上旬)では、-13時間(日本の方が13時間進んでいます) |
治安情報 | キューバ 危険・スポット・広域情報 |
キューバの渡航情報
キューバに渡航する際、日本のパスポートを持っており、条件に該当する場合はビザの取得は不要です。
ビザ情報 | 30日以内の短期滞在の場合、ビザの取得は不要で、ツーリスト・カードの購入で滞在できます。中・長期滞在の場合は、大使館でのビザの申請が必要になります。 |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | 入国時点で、パスポートの残存期間が3カ月以上必要とされています。 |
入国カードの記入について | D’VIAJEROS(オンラインフォーム) の入力が必要です。従来紙で記載していた3つの書類(出入国カード、税関申告書、健康状態申告書)が一つになってオンライン化されたものです。キューバ到着の 72 時間前から、入国審査までに入力しなければいけません。 |
ビザ・パスポート以外にも、海外旅行保険の加入も義務付けられています。また、保険選びには以下の条件もあるため、事前にチェックしておきましょう。
・キューバ政府の承認するASISTUR S.A.社提携の保険会社が提供する保険であること
・滞在期間をカバーしていること
・キューバ国内でも保険適用対象であること
・新型コロナウイルス感染症にも対応できること
入国時に関係書類の提示を求められることもあるので、保険会社に確認しておくとよいでしょう。
入国に必要な手続き
キューバに入国する際に必要な手続きは、基本的に入国審査と税関検査の2つです。
必要なもの
キューバ入国に必要なものは以下のとおりです。
パスポート
入国時点で、パスポートの残存期間が3カ月以上必要とされています。
ツーリストカード
ツーリスト・カードの提出が必要です。観光目的の滞在の場合、半券が手渡されます。
航空券
キューバと日本間の航空券の購入が必要です。航空券は、旅行会社や航空会社などを通じて手配します。
必要な手続き
キューバ入国に必要な手続きは以下の2つです。
入国審査
入国審査では、パスポートとツーリスト・カード、オンラインフォームの入力完了後に表示される二次元コードを入国審査官に提示します。宿泊するホテルなどを尋ねられることがあるため、予約カードや宿泊するホテル名と電話番号を控えておくとスムーズに通過できます。ホテルの宿泊予約が曖昧な場合や、ホテルの予約無しでの入国は認められない可能性もあるため、注意が必要です。
また、保険の英文証明の提示を求められる可能性もあるため、事前に保険会社に確認をしておくのがおすすめです。
税関検査
税関検査にて、手荷物はX線検査を受ける必要があります。航空機へ預け入れた荷物は、ターンテーブルに出てくるまでにX線検査が行われます。持ち込み荷物は、異常に量が多かったり本人のものでないと明らかに判断されるような場合を除き、問題なく通過できます。
出国に必要な手続き
キューバ出国に必要な手続きは以下のとおりです。
必要なもの
キューバ出国に必要なものは、以下のとおりです。
パスポート
搭乗券を発券する際に、航空会社のカウンターでパスポートを提示します。
ツーリスト・カードの半券
入国審査時に受け取ったツーリスト・カードの半券を、出国手続きの際に提出する必要があります。
必要な手続き
キューバ出国に必要な手続きは、以下のとおりです。
税関審査
出国時にも、税関検査が行われます。葉巻や古書、芸術品、絵画など価値があるとみなされるものは、持ち出しが制限されている場合があるため、事前の確認が必要です。
Visit Japan Webの準備
日本への帰国者を含む、海外から日本へ入国する際の入国審査などの手続きを行えるWebサービスです。事前に登録しておくことで、入国時の審査を簡略化できます。任意のサービスのため、Visit Japan Webを利用しなくても問題ありません。
Q&A
よくある質問
- キューバに渡航する前に接種した方がよいワクチンはありますか?
- 黄熱やA型肝炎、麻疹・風疹、水痘、新型コロナウイルス、インフルエンザのワクチンの接種が推奨されています。
- キューバ滞在中、緊急時の医療サポートはどうすればいいですか?
- キューバで外国人が受診できる医療機関は、基本的にSMC(Comercializadora de Servicios Médicos Cubanos)の管轄下の医療施設のみに限定されています。緊急時はこの限りではありませんが、症状が落ち着き次第、SMCの管轄下の医療施設に転院する必要があります。
- キューバへの渡航前に新型コロナワクチン接種は必要ですか?
- 必須ではありませんが、新型コロナワクチン接種は推奨されています。
- キューバに入国後、現地で予防接種を受けることはできますか?
- 現地で予防接種を受けることは可能です。ただし、外国人が接種できる病院は限られているため、事前に確認が必要です。
- キューバでの予防接種を受けられる場所は、どこで調べられますか?
- 外務省のホームページから調べることができます。
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渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
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渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。