ウズベキスタン渡航前ワクチン（予防接種）や注意すべき感染症

ウズベキスタン渡航前の推奨ワクチン

ウズベキスタンは、中央アジアの共和制国家です。渡航前に接種が推奨されるワクチンには、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、麻疹・風疹、水痘、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどがあります。今回は、そのうちA型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病について解説します。

A型肝炎

感染経路	A型肝炎は、A型肝炎ウイルスによって引き起こされる急性肝炎です。ウイルスは世界中に幅広く分布しており、とくに上下水道設備の不十分な地域で多く発生しています。
症状	主な感染経路は、汚染された食物や水の摂取、魚介類の生食、性行為、輸血です。日本ではA型肝炎の患者は多くありませんが、発展途上国から輸入した食品からの感染例や、東南アジアや中国などの海外渡航先での感染例が報告されています。A型肝炎の症状は、食欲不振・嘔吐・腹痛・発熱・下痢・黄疸などです。感染者の約1％は急性腎不全を起こす恐れもあります。
ワクチンについて	A型肝炎はワクチン接種により抗体がつきやすいとされていますが、流行地域に長く滞在する場合は、複数回ワクチンを接種すると安心です。

B型肝炎

感染経路	B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる急性肝炎です。B型肝炎感染者は東南アジアやアフリカで多く発見されています。感染経路は、輸血や注射針の使いまわしによる経皮的感染と、性交渉や分娩時の経粘膜感染があります。
症状	B型肝炎を発症すると、倦怠感・疲労感・食欲低下が約1週間続いた後、嘔吐・腹痛・黄疸などが出現します。
ワクチンについて	B型肝炎のワクチンは、リスクの高い地域に渡航する場合に接種が推奨されています。

破傷風

感染経路	破傷風は、破傷風菌が産生する神経毒により生じる急性中毒性疾患です。破傷風菌は世界中の土壌に広く分布しており、アジア・アフリカ・南アメリカで感染者が多く報告されています。外傷に土や木片が触れた際に、破傷風菌が体内に侵入し感染することが多いです。他にも、熱傷・人工妊娠中絶・ピアス・覚せい剤注射などで感染する場合があります。
症状	破傷風の症状は、肩こり・舌のもつれ・顔がゆがむ・開口障害などです。放置してしまうと、全身けいれんや呼吸困難などが起こり、死に至る可能性が高くなります。
ワクチンについて	日本では幼少期に二種混合ワクチン・三種混合ワクチン・四種混合ワクチンとして破傷風ワクチンが接種されることが多いですが、接種から10年以上経過していれば免疫が低下している可能性があります。不安な場合は再接種を検討しましょう。

狂犬病

感染経路	狂犬病は、アジアを中心に世界中で発生している人畜共通感染症です。主な感染経路は、ウイルスを保有する犬・猫・コウモリなどの野生動物による噛み傷・引っ掻き傷から狂犬病ウイルスが侵入することです。
症状	狂犬病の症状は、発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛・疲労感から始まり、興奮・不安状態・錯乱・幻覚・水を怖がるなどの症状が見られ、最終的には呼吸停止で死に至ります。狂犬病は発症するとほぼ100％死亡する恐ろしい病気です。
ワクチンについて	狂犬病のワクチンには、渡航前の予防接種と暴露後接種があります。暴露後接種は、発症予防のために受傷後に行う接種のことです。

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