アメリカ渡航前の推奨ワクチン

アメリカ渡航前に接種が推奨されているワクチンは以下のとおりです。

・破傷風
・A型肝炎
・B型肝炎
・狂犬病
・日本脳炎
・ポリオ
・ジフテリア
・麻疹
・風疹
・新型コロナウイルス

それぞれの病気の感染経路や症状、ワクチンの詳細を併せて解説します。

破傷風
感染経路 破傷風は、土壌や動物の糞などに存在する破傷風菌によって引き起こされる病気です。傷口から菌が入り込むことで感染し、発症した場合は死亡する恐れもあります。なお、人から人に感染することはありません。
症状 初期症状では筋肉のけいれんやこわばり、頭痛を感じる上に口が開きにくい「開口障害」が見られます。ものを飲み込むのが難しくなり、頭部から背中までが弓なりに反るのも特徴です(意識は保たれます)。
ワクチンについて 日本では年間100人ほど感染しますが、破傷風を患う多くの方はワクチンを接種していないか、ワクチンの効果が弱まっている状態です。日本ではワクチン接種率が高いため、ケガをしやすい子どもが発症することは少なくなりました。
2回目のワクチンは初回を打ってから3~8週間後、3回目は2回目から6カ月後の接種が推奨されています。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎は糞便に含まれるウイルスが人の手を介して食材に付着し、口に入ることで感染します。経口感染が主な原因ですが、性行為や輸血による血液感染も報告されています。
ウイルスは世界中で分布されていますが、特に上下水道設備が不十分な地域や不衛生な環境で感染が多く発生しているのがA型肝炎の特徴です。
症状 ウイルスに感染して2~7週間の潜伏期間後に急な発熱や食欲不振、嘔吐、吐き気が見られます。数日後に皮膚や白目の部分が黄色くなる「黄疸」が現れることもあります、また、子どもよりも成人の方が症状の現れ方が顕著で、高齢者が感染した場合は重症度や死亡率が高くなります。
ウイルスの潜伏期間中や症状の消滅後数週間は、人から人へ感染するリスクがあるため注意が必要です。
ワクチンについて ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。6カ月以上海外に滞在する場合は、6カ月目にもう一度接種すれば5年間ほど効果が持続します。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎の感染経路は、B型肝炎に感染している母親から生まれた子どもへの母子感染(垂直感染)と、注射器の使いまわしや性行為などが原因の水平感染があります。
症状 感染して1~6カ月の潜伏期間の後、全身の倦怠感や疲労感、食欲低下が1週間ほど続き、その後は嘔吐や腹痛、黄疸が出るのが特徴です。場合によっては紅斑や関節痛の症状が見られます。
ワクチンについて 衛生管理の整っていない地域でケガや事故などをして、輸血や手術を受けるケースが考えられる場合は、ワクチンを接種するのがおすすめです。ワクチン接種で抗体ができるのは2度目を接種してから2週間後以降です。3度接種すれば5年間の抗体が得られるとされています。
狂犬病
感染経路 狂犬病は、感染した動物の唾液が傷口を通じて体内に入ることで感染します。アメリカではコウモリ、アライグマ、スカンク、キツネなどの野生動物がウイルスを保有しており、特にコウモリとの接触が主な原因です。
症状 狂犬病ウイルスは神経系に影響を及ぼし、初期には発熱、頭痛、倦怠感などが現れます。進行すると錯乱や麻痺、水を恐れる恐水症などの重度の神経症状が発生し、最終的には昏睡状態になり、死に至ります。
ワクチンについて 狂犬病に感染した可能性のある動物に咬まれた場合、すぐに予防接種が必要です。狂犬病ワクチンは、ワクチンの種類によって通常4~6回接種します。WHOによれば、ワクチンの他にヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)を注射する必要があるとされていますが、国内未承認のため日本国内では接種が難しいです。
日本脳炎
感染経路 日本脳炎は、感染した蚊(主にコガタアカイエカ)が人を刺すことで伝播されます。アメリカでは感染のリスクは非常に低く、主にアジアや西太平洋地域に渡航する旅行者が感染する可能性があります。
症状 感染後6~16日の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、嘔吐などの初期症状が現れます。重症化すると意識障害、けいれん、昏睡状態に至り、致死率は20~40%に及びます。
ワクチンについて ワクチンは定期接種として提供されています。生後6ヶ月から接種が始まり、1回目から1~4週間後に2回目を接種します。その後約1年空けて3回目を、9~12歳の間に4回目を接種します。
ポリオ
感染経路 ポリオは、ポリオウイルスに汚染された水や食物を摂取することで感染します。ウイルスは、感染者の糞便から他の人に広がるため、衛生環境が不十分な場所での感染リスクが高くなります。
症状 感染した多くの人は無症状ですが、一部は発熱、喉の痛み、倦怠感などの症状を示します。まれにウイルスが脊髄を攻撃し、筋肉の麻痺や永久的な障害を引き起こすことがあります。成人に麻痺が発生した場合に死亡する割合は15~30%です。
ワクチンについて 日本ではポリオワクチンは定期予防接種として行われており、生後2カ月から4回の接種が推奨されています。
ジフテリア
感染経路 ジフテリアは、主に感染者の咳やくしゃみによって飛散する飛沫を吸い込むことで伝染します。まれに感染者の皮膚病変との接触でも感染が広がることがあります。
症状 ジフテリアに感染して発症するのは10%程度で、発症すると潜伏期間の2~5日後に症状が現れます。喉の痛み、発熱、首のリンパ節の腫れが典型的な症状です。また、呼吸困難を引き起こすこともある灰色の膜が喉や扁桃腺に形成されるケースがあり、未治療の場合の死亡率は5~10%です。
ワクチンについて 日本ではジフテリアワクチンは定期接種として実施されており、乳幼児期から複数回接種が推奨されています(計4回)。ワクチンは破傷風・百日咳・ポリオと組み合わせたDPT-IPVワクチンとして接種され、長期的な免疫を確保可能です。
麻疹
感染経路 麻疹は感染者の咳やくしゃみによって飛沫が空気中に放出され、吸い込むことで感染します。非常に感染力が強く、感染者が他の人に接触しなくても、同じ空間にいるだけでウイルスが広がることがあります。
症状 麻疹の初期症状は、感染から10~12日後に現れるのが特徴です。発熱、咳、鼻水、目の充血が続き、その後、赤い発疹が顔から全身に広がります。麻疹は肺炎や脳炎を引き起こすことがあり、特に免疫力が弱い人や低下している人は症状が重篤になる場合があります。
ワクチンについて 日本では、麻疹の予防にはMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)が使用されており、1歳から2歳未満の間に1回と5歳から7歳未満の間に1回の、計2回接種が推奨されています。このワクチンは非常に効果的であり、2回接種により97%以上の予防効果が期待できます。
風疹
感染経路 風疹は感染者が咳やくしゃみをして発された飛沫を通じて広がるウイルス性の病気です。また、感染者が発症前からウイルスを伝播するため、気付かないうちに他人に感染させることがあります。
症状 風疹は一般的に軽度で、発熱、咳、リンパ節の腫れ、赤い発疹が現れるのが特徴です。成人の場合、関節痛が見られることもあります。感染者の約15~30%は無症状で、知らないうちに他人に感染させる可能性があります。
ワクチンについて 日本では風疹の予防接種としてMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)が使用されています。1歳から2歳未満の間に1回と5歳から7歳未満の間に1回の、計2回接種が推奨されています。2回の接種で97~99%の予防効果があるのが特徴です。
新型コロナウイルス
感染経路 新型コロナウイルスは、感染者の呼吸器から放出される飛沫を介して伝染するのが特徴です。また感染者が触れたものに触れた後、顔や口を触ることで感染するケースもあります。ウイルスは非常に感染力が強く、特に閉鎖された空間や大規模な集まりでの感染リスクが高まります。
症状 COVID-19の症状は発熱、咳、喉の痛み、息切れなどの呼吸器症状に加え、疲労感や筋肉痛が一般的です。重症化すると肺炎、呼吸困難、さらには死に至ることもあります。症状は個人差があり、一部の感染者は無症状の場合もあります。
ワクチンについて 日本では新型コロナウイルスのワクチン接種が推奨されており、特に高齢者や基礎疾患を持つ人々に対して重点的に行われています。

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各種ワクチン金額相場

ワクチン名 相場価格/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000~8,000円/回
狂犬病ワクチン 1万5,000~2万円/回
日本脳炎ワクチン 5,000~9,000円/回
ポリオワクチン 7,000~1万円/回
3種混合ワクチン(DPT) 4,000~5,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
新型コロナウイルスワクチン 7,000円前後/回

アメリカ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
破傷風 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目(2回終了後1年〜1年半)
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
狂犬病 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
日本脳炎(国産) 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目(2回終了後1年後)
日本脳炎(輸入) 不活化ワクチン 1回目
ポリオ 不活化ワクチン 1回目 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4回目(3回目終了後1年)
ジフテリア 不活化ワクチン 1回目 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4回目(3回目終了後1年)
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス mRNAワクチン 1回目 2回目
病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回終了後1年〜1年半)
18ヶ月 3回目(2回終了後1年〜1年半) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
狂犬病 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間 2回目
2週間 3週間 3回目
4週間 3回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
日本脳炎(国産) 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間 2回目
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回終了後1年後)
18ヶ月 3回目(2回終了後1年後) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
日本脳炎(輸入) 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
ポリオ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
8週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
3ヶ月 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 4回目(3回目終了後1年) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
ジフテリア 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
8週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
3ヶ月 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 4回目(3回目終了後1年) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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※生ワクチンは基本、接種後4週間が経過するまでは他のワクチン接種ができません。そのため、渡航まで時間がない場合は接種するスケジュールに注意しましょう。

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アメリカで気を付けたい病気

狂犬病
感染した動物の唾液が傷口を通じて体内に入ることで感染するのが特徴です。進行すると錯乱や麻痺、水を恐れる恐水症などの重度の神経症状が発生し、最終的には昏睡状態になり死に至ります。狂犬病に感染した可能性のある動物に咬まれた場合、すぐに予防接種が必要です。狂犬病ワクチンは、ワクチンの種類によって通常4~6回接種します。WHOによれば、ワクチンの他にヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)を注射する必要があるとされていますが、国内未承認のため日本国内では接種が難しいです。
日本脳炎
感染した蚊が人を刺すことで伝播され、発熱、頭痛、嘔吐などの初期症状が現れます。感染した1000人に1人の割合で発症します。発症して重症化すると意識障害、けいれん、昏睡状態に至り、致死率は20~40%に及びます。ワクチンは定期接種では計4回、成人が接種する場合計3回が基本です。
ポリオ
ポリオウイルスに汚染された水や食物を摂取することで感染するのが特徴です。多くは無症状ですが、まれにウイルスが脊髄を攻撃し、筋肉の麻痺や永久的な障害を引き起こすことがあります。日本ではポリオワクチンは定期予防接種として行われています。
ジフテリア
感染者の咳やくしゃみによって飛散する飛沫を吸い込むことで伝染するのが特徴です。呼吸困難を引き起こすこともある灰色の膜が、喉や扁桃腺に形成されるケースがあり、未治療の場合の死亡率は5~10%です。乳幼児期からのワクチン接種が推奨されています。
麻疹
麻疹は感染者の咳やくしゃみによって飛沫が空気中に放出され、吸い込むことで感染するのが特徴です。発熱、咳、鼻水、目の充血が続き、その後、赤い発疹が顔から全身に広がります。日本では麻疹の予防にはMRワクチンが使用されており、1歳から2歳未満の間に1回と5歳から7歳未満の間に1回の、計2回接種が推奨されています。
風疹
風疹は感染者が咳やくしゃみをする際に飛沫を通じて広がるウイルス性の病気です。風疹は一般的に軽度で、発熱、咳、リンパ節の腫れ、赤い発疹が現れるのが特徴です。日本では風疹の予防接種としてMRワクチンが使用されています。
新型コロナウイルス
新型コロナウイルスは、感染者の呼吸器から放出される飛沫を介して伝染するのが特徴です。発熱、咳、喉の痛み、息切れなどの呼吸器症状に加え、疲労感や筋肉痛が一般的です。高齢者や基礎疾患を持つ人々に対してのワクチン接種が奨励されています。
ノロウイルス
汚染された食べ物や水を摂取することで感染することが多く、特に冬季に流行しやすい傾向にあります。嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れます。症状は通常1~3日で治まりますが、脱水症状が見られることがあるため、特に幼児や高齢者には注意が必要です。
ウエストナイル脳炎
ウエストナイルウイルスに感染した蚊によって伝染するのが特徴です。特に夏から秋にかけて、ウイルスを媒介する蚊の活動が活発になります。多くの感染者は無症状ですが、約20%の人が発熱、頭痛、体の痛み、発疹などの軽度の症状を経験します。
デング熱
デング熱は感染した蚊に刺されることで感染するのが特徴です。デング熱を持つ蚊は主に熱帯地域で活動しますが、アメリカの一部地域、特にフロリダ、テキサス、ハワイなどで感染が報告されています。感染すると2週間以内に発熱、頭痛、関節痛、吐き気、発疹などが現れることがあります。
ライム病
主にマダニに咬まれることで感染する細菌性の疾患です。特に北アメリカ北東部、北中央部、太平洋沿岸地域で発生が多い傾向にあります。初期症状は発熱、頭痛、倦怠感に加え、「遊走性紅斑」という赤い皮疹が現れるのが特徴です。治療せずに放置すると心臓、神経系に感染が広がり、深刻な健康問題を引き起こすことがあります。
ハンタウイルス肺症候群
ハンタウイルス肺症候群(HPS)は、感染したネズミやラットの尿、糞、唾液に触れることで感染します。感染した動物の排泄物が乾燥し、それを吸い込むことによっても感染します。感染はアメリカ南西部の農村地域でよく見られ、家や作業場周辺でのネズミとの接触が主な要因です。初期症状は疲労感、発熱、筋肉痛です。その後1~4日で急激に呼吸困難や肺に水がたまる症状が現れ、重症化することが多い傾向にあります。
Q熱
Q熱は主に、菌に感染した動物(特に牛、羊、山羊)の尿、糞便、乳、出産時の排出物などが粉じんとなり、吸い込むことで感染します。Q熱の症状は発熱、頭痛、筋肉痛などが一般的で、重症化すると肺炎や肝炎を引き起こすことがあります。
ペスト
ペストは感染したノミに咬まれることで伝染するのが特徴です。ノミはげっ歯動物(主にネズミ)によって運ばれます。感染した動物の体液や組織に直接触れることでも感染します。一般的なのは腺ペストで、発熱、頭痛、寒気、痛みを伴うリンパ節の腫れが特徴です。敗血症型ペストはショック症状や昏睡、手足の壊死、紫斑が生じ、2~3日以内に死亡します。肺ペストは高熱のほか急激に進行する肺炎を伴い、呼吸困難が生じます。
トコジラミ
トコジラミは人や動物から血を吸う小さな寄生虫で、ベッドや家具、衣類、スーツケースの隙間に隠れて移動します。特に旅行者が多く利用するホテルや公共の施設などで発生しやすいのが特徴です。トコジラミに刺されると、かゆみや赤みを伴う発疹が生じることがあります。無反応な場合もあれば、アレルギー反応や重度の皮膚反応が起こることもあります。
ジカ熱
ジカ熱はジカウイルスを持った蚊に刺されることで感染します。そのほか、妊娠中の母親から胎児への感染や性的接触、輸血などを通じて広がることもあります。ジカウイルスに感染しても多くの人は無症状ですが、発症した場合は発熱、関節痛、発疹、そして結膜炎(目の充血)が主な症状です。妊婦が感染すると、胎児に重篤な先天性障害(特に小頭症)を引き起こす可能性があります。

アメリカの基本情報

国名 アメリカ合衆国 通貨 米ドル(USD)
言語 英語 チップの習慣 あり。レストランでは食事代の10~20%が一般的
宗教 キリスト教(プロテスタント、カトリック)が主流 文化 多様性が特徴で映画、音楽、アート、スポーツなどが盛ん。個人主義が重視され、異なる文化が共存
気候 国土が大きいため気候は多様。北部は寒冷な冬があり、南部は温暖で湿潤 時差情報 4つのタイムゾーンがある。日本との時差は14~17時間
服装 地域や季節によって異なるが、カジュアルスタイルが一般的 治安情報 地域によって異なるが、現在、危険情報なし
アメリカ合衆国(米国) 危険・スポット・広域情報

アメリカの渡航情報

日本のパスポートをお持ちの方は、一定の条件を満たせばビザ(査証)なしでアメリカに入国できます。
90日以内の商用、観光、あるいは通過の目的での渡航の場合、ビザを必要としないVisa WaiverProgram(査証免除プログラム)が適用されます。ただし、アメリカへの渡航前にはESTA(Electronic System for TravelAuthorization、電子渡航認証)の取得が必須ですので、この点を忘れずにご準備ください。

ビザ免除で入国するために必要な条件を以下に挙げます。
・有効な旅券の保持
・特定の地域への渡航歴や滞在歴がないこと
・往復航空券や次の目的地への乗船券を保持していること
・ESTAによる渡航許可を受けていること など

詳細は外務省の「査証、出入国審査等」のウェブページでご確認いただけます。
外務省海外安全情報

ビザ情報 ビザなしで入国可能
パスポートの必要有効残存期間 有効期限が6カ月以上必要
入国カードの記入について 記入が必要

入国に必要な手続き

アメリカ入国に必要なものや手続きを解説します。忘れ物や申請のし忘れがあると、最悪の場合入国できない可能性があるので、しっかりと準備しましょう。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

パスポート
アメリカ入国には、パスポートの有効期限が6カ月以上残っていることが一般的な要件です。旅行計画前にパスポートの有効期限を確認し、必要に応じて更新手続きを行いましょう。


航空券
航空券は紙のチケットまたは電子チケットのいずれかです。渡航前に、どちらの形式でチケットが発行されるのかを航空会社に確認し、必要に応じてプリントアウトするか、スマートフォンなどに保存しておきましょう。


クレジットカード
アメリカではクレジットカードが広く受け入れられており、サービス利用や商品購入の際に便利です。しかし、全てのカードが使用できるわけではないため、複数のカードを用意しておくと安心です。


日本円
出国前の支払いには、現金が便利です。また、空港や市内の両替所で現地通貨への換金も可能ですが、必要最小限の日本円を携行することをおすすめします。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

ESTA
アメリカへの90日以内の滞在を目的とする旅行者は、ESTAの申請が必要です。オンラインで申請でき、申請後はスマートフォンなどで管理できます。滞在予定日よりも早めに申請を済ませておくと安心です。


ビザ
90日以上滞在する場合は、渡航目的に応じたビザが必要です。ビザは、日本国内のアメリカ大使館や総領事館で事前に申請し、取得する必要があります。


入国審査
アメリカの空港に到着後は入国審査を受けることになります。その際は、顔写真の撮影や指紋認証が行われ、入国管理官との簡単な質疑応答があります。審査は通常、入国目的や滞在期間に関する質問を含みます。


税関検査
税関では、申告が必要な品物がある場合にはその旨を係員に伝え、所定の書類に必要事項を記入します。ただし、多くの場合、税関申告書類の記入は不要ですが、持ち込み品目によっては異なるため、事前に確認しておくと安心です。


出国に必要な手続き

アメリカ出国に必要なものや手続きを解説します。忘れ物や申請のし忘れがあると、最悪の場合、帰国できないこともあるので、しっかりと準備しましょう。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

パスポート
出国にもパスポートが必要です。入国時と同様、パスポートは手元に保管し、有効期限も事前に確認しておきましょう。


航空券
帰国の際も、航空券の形式(紙チケットか電子チケット)を確認し、必要に応じて準備しておくと安心です。


クレジットカード
帰国時には、現金が不足している場合にクレジットカードが便利です。また、必要に応じてキャッシングサービスを利用することも可能です。


日本円
帰国時の支払いや到着後の移動には、日本円の現金が便利です。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

Visit Japan Web(入国手続オンラインサービス)
「Visit Japan Web」は、日本への帰国時の入国手続きをオンラインで行うサービスです。事前に入国審査や税関申告、携帯品・別送品申告に必要な情報を登録することで、帰国時の手続きを簡略化できます。登録は必須ではありませんが、利用することで帰国時の手間を減らすことが可能です。


検疫手続き
アメリカから日本に戻る際、特定の品目を持ち込む場合には検疫手続きが必要です。これには動物、植物、一部の食品が含まれます。これらの品物を持ち込む場合には、事前に必要な検疫証明書の取得が必要であり、日本の検疫所での申告と検査が行われます。検疫を無視して持ち込むと罰則の対象になるため、注意が必要です。


別送品の手続き
別送品とは、渡航先から郵送で日本に送った荷物のことを指します。アメリカから日本への帰国時に別送品がある場合、その荷物の内容に応じた税関検査が必要になります。別送品を日本に送る際には、内容物を正確に申告することが重要です。税関での申告時には、荷物の内容、価値、数量などを詳細に記載した書類が求められ、特定の商品には関税や消費税が課せられることもあります。


Q&A

よくある質問

アメリカに渡航する場合、ワクチンの接種義務はありますか?
2023年5月11日時点でワクチン接種義務は全て撤廃されました。
日本からアメリカに渡航する場合、ワクチン接種証明書は必要ですか?
2023年5月11日時点で提示が不要になりました。
アメリカから日本入国時に、ワクチン接種証明書は必要ですか?
2023年4月29日時点でワクチン接種証明書と検査(陰性)証明書は不要となりました。
アメリカに渡航する場合、どのような申請が必要ですか?
日本国籍を持っており、短期の商用や観光目的の場合はESTAの登録などで渡航情報を満たせる場合があります。
海外で受けたワクチンは日本で受けられますか?
海外で接種した新型コロナワクチンが日本で薬事承認を受けている場合、日本国内での追加接種を受けられます。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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海外旅行に行くのに必要な手続きは?行く前に要チェック

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海外出張の際に必要な持ち物リスト。持って行った方が良いものは?

Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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