ウクライナ渡航前の推奨ワクチン

ウクライナは、東をロシアに、西をEU諸国に挟まれた東ヨーロッパに属する国です。渡航前の推奨ワクチンは、短期滞在であれば、麻疹・風疹・水痘・インフルエンザ・新型コロナワクチンの接種が、1カ月以上の長期滞在、もしくは怪我が予想される滞在では、上記に加え、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・ポリオワクチンの接種が推奨されています。

麻疹
感染経路 空気・飛沫・接触により感染する麻疹は、強い感染力が特徴です。
症状 発熱や咳などの風邪に似た症状の後、39℃以上の高熱と発疹が現れ、稀に脳炎などを発症し死亡に至ることもあります。
ワクチンについて 過去に感染したことがない、またはワクチンを接種したか不明な場合は、ワクチン接種が有効です。接種する場合は、初回接種後4週間の間隔をあけて2回目の接種をしましょう。
風疹
感染経路 風疹は飛沫感染により伝播する非常に感染力が強い病です。
症状 症状は成人で重症化しやすく、長期の高熱や発疹、関節痛の他、脳炎などを合併することもあります。
ワクチンについて 予防には予防接種の有効性が高いため、患歴や予防接種歴が定かでないときは、初回と4週間後の計2回の接種が望まれます。
水痘
感染経路 水痘は「みずぼうそう」のことで、空気・飛沫・接触により感染します。
症状 発熱の後は紅斑の発疹・水疱・膿疱の順で生じ、最後にかさぶたになり治癒するのが典型例です。
ワクチンについて 成人は重症化リスクが高いため、患歴・予防接種歴が不明なときに接種が推奨されます。初回と4週間後の計2回の接種が必要です。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、飛沫感染と接触感染を主経路とする気道感染で、毎年世界各地で流行が見られます。
症状 38℃以上の高熱や頭痛・筋肉痛などの症状が表れ、重症化により肺炎など発展する恐れもあり注意が必要です。
ワクチンについて 患歴に関わらず海外渡航時のワクチン接種が推奨されており、初回と4週間後の計2回接種します。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 飛沫感染・接触感染を感染経路とする新型コロナウイルスは、感染すると発熱や咳、頭痛などの風邪に似た症状が表れます。
症状 一部の人は肺炎などに重症化する可能性もあるため、海外渡航時の接種が推奨されます。
ワクチンについて ワクチンの初回接種以降は前回の接種完了から3カ月以上空けると追加接種が可能です。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎は汚染された飲料や食品を介した経口感染が主です。
症状 主症状は、全身倦怠感や食欲不振、黄疸などの肝症状で、稀に重症化するため、海外に1カ月以上滞在する人や抗体保有率の低い70歳以下で接種が推奨されます。
ワクチンについて ワクチンは2~4週間隔で2回接種し、6か月以上滞在するのであれば6か月目にもう1回接種します。
B型肝炎
感染経路 成人のB型肝炎は注射針の使いまわしなどによる経皮的感染や、性交渉の経粘膜感染が主原因です。
症状 倦怠感が続いた後、嘔気嘔吐や黄疸が典型症状として表れます。
ワクチンについて 慢性感染症を起こすと肝がんなどに発展し死亡リスクが上がるため、ワクチンでの予防が推奨されます。長期滞在する人や血液などに触れる可能性のある人は、4週間の間隔で1回目と2回目を接種し、さらに20~24週間後に3回目の接種が必要です。
破傷風
感染経路 破傷風は世界中の土壌に存在し、傷口から感染し、罹患した場合に死亡する割合が非常に高い病気です。
症状 感染後は口の開けにくさやなどの初期症状が表れ、最終的には全身の筋肉が硬直し、体を弓のようにしならせるなどして死亡します。
ワクチンについて ワクチン接種が有効で、12歳のときに定期予防接種を受けていれば、20代前半位までは接種が不要です。その後は1回の追加接種で約10年間有効な免疫がつくため、状況に応じて接種します。
ポリオ
感染経路 ポリオは経口感染を主とし、咽頭や小腸の粘膜で増殖した後、脊髄運動神経に感染します。
症状 発熱や喉の痛みなど風邪に似た症状が表れ、脊髄まで感染が広がったときは一生麻痺が残ったり、呼吸困難により死亡したりすることもあります。なお、90%以上の人は感染しても症状が表れません。
ワクチンについて ウクライナのようにワクチン由来ポリオが発生している国に渡航する人は、過去にポリオの予防接種を受けていても事前の追加接種が推奨されています。接種回数は、初回接種を3回、追加接種を1回の合計4回です。

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各種ワクチン金額相場

アルゼンチンへの渡航時に接種が推奨される各種ワクチンの金額相場は以下のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000円〜1万円/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 1万円前後/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
ポリオワクチン 7,000〜1万円/回

当クリニックでは、原則完全予約制で海外渡航時に必要なワクチン接種を行っています。事前にホームページをご確認ください。

ウクライナ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・ 帯状疱疹炎 生ワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
破傷風 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目(2回終了後1年~1年半)
ポリオ 不活化ワクチン 1回目 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4回目(3回終了後1年)
病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回終了後1年~1年半
18ヶ月 3回目(2回終了後1年~1年半 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
ポリオ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
3週間~3ヶ月 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
6ヶ月 12ヶ月 4回目(3回目終了後1年)
18ヶ月 4回目(3回目終了後1年) 24ヶ月
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生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他のワクチン接種ができないため、スケジュールに注意が必要です。

 

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ウクライナの基本情報

ウクライナの基本情報は以下のとおりです。

国名 ウクライナ(Ukraine) 言語 ウクライナ語、ロシア語
宗教 キリスト教系のウクライナ正教と東方カトリック教に大別される。他、キリスト教系のローマ・カトリック教、イスラム教、ユダヤ教などです。 気候 大陸性気候で夏冬の寒暖差が激しく、夏は乾燥して暑く、冬は日照時間が短く寒くなります。クリミア半島は夏でも比較的すごしやすい保養地です。
服装 夏季は日本と同様の服装に上着を持つ程度で問題ありません。冬季は厚手のコート・ブーツ・帽子など、しっかりとした防寒対策が必要です。 通貨 フリヴニャ
チップの習慣 基本的にチップの習慣はないものの、高級レストランやホテルでは要求されることがあります。 文化 文化・芸術の関心が高い国民性があり、キエフなど主要都市には劇場、音楽・芸術クラブなどがあります
時差情報 日本との時差は-7時間(日本の方が進んでいます)、3月最後の日曜~10月最後の日曜はサマータイムを採用しており、時差は-6時間になります。 治安情報 ウクライナ 危険・スポット・広域情報

ウクライナの渡航情報

ビザ情報 日本のパスポートがあれば、90日以内の観光はビザが免除されます。
パスポートの必要有効残存期間 帰国日まで有効なものがあれば問題ありません。
入国カードの記入について 空路で入国する場合、出入国カードは必要ありません。

入国に必要な手続き

2022年2月から2024年2月現在まで、外務省はウクライナを「危険レベル4(退避勧告)」地域とし、どのような目的であっても新たな渡航は止めるよう警告しています。そのため、ここでは平時の入出国に必要な手続きを解説します。

必要なもの
ウクライナ入国時に必要なものは以下のとおりです。

航空券
空路の場合、日本・ウクライナ間の航空券を事前に旅行会社などで購入し、持参します。


パスポート
パスポートは帰国日まで有効なものを持参しましょう。


クレジットカード
クレジットカードはあまり普及していないものの、一部のレストランやホテルで利用できます。複数会社のカードがあるとよいでしょう。


日本円・米ドルまたはユーロ
ウクライナでは日本円を両替できる場所が少ないため、米ドルやユーロを持参し現地で両替します。日本円は帰国時に利用します。


必要な手続き
入国時は出入国審査の他、必要に応じてビザ申請などを行います。

入国審査
入国時は、入国審査官にパスポートを提示します。場合によっては、入国目的や期間などを質問されることもあります。

ビザ申請
90日を超えるウクライナへの渡航では、長期滞在ビザの申請が必要です。日本国籍者はウクライナ大使館の専用ウェブサイトから所定の書類をそろえると申請できます。

税関検査
税関検査の対象物があるときは、税関職員に申告し所定の手続きを行います。一般的な手荷物のみであれば手続きは不要です。ウクライナでは持ち込み・持ち出しに制限があり、外貨の持ち込みが1万ユーロ相当以上の場合は申告しなければなりません。


出国に必要な手続き

ウクライナ出国時(日本入国時)の手続きは、事前にVisit Japan Webに登録しておくとスムーズです。

必要なもの
出国時はパスポートと航空券を用意し、搭乗時間を事前に確認しましょう。

航空券
帰りの航空券を準備します。事前に航空会社や旅行会社で購入しておくと良いでしょう。


パスポート
出国時も有効期限内のパスポートが必要です。滞在を延長したときは、期限に問題がないかを今一度確認しましょう。


必要な手続き
ウクライナ出国時は主国審査やセキュリティチェックの他、必要に応じて税関手続きなどを行います。日本への入国時は、Visit Japan Webを利用するとスムーズです。

税関検査
外貨の持ち出しが1万ユーロ相当以上になる場合は、申告が必要のため、注意してください。また、ウクライナで取得した美術品・骨董品についても制限があるため、購入時に確認する必要があります。


Visit Japan Webへの登録
Visit Japan Web(入国手続オンラインサービス)とは、日本入国時の検疫・入国審査・税関申告で使用するサービスです。必要な情報をあらかじめ登録後、発行された二次元コードを提示すれば各審査をスムーズに進められます。


Q&A

よくある質問

ウクライナへの渡航は可能ですか?
2024年2月現在、ウクライナへの渡航は目的を問わず止められています。
ウクライナで医療を受けるにはどうすればよいですか?
多くは私立医療機関を受診します。キーウ、リヴィウ、オデーサなどでは英語で受診できる外国人向け外来クリニックがあるため利用しやすいでしょう。
ワクチンで予防できる感染症以外にウクライナで気を付ける病気やケガはありますか?
春先の花粉症、ダニが媒介する感染症、夏季の食中毒、冬季の凍結した路面での転倒による骨折などに注意が必要です。
水道水は飲めますか?
水道水やキーウ市内の井戸の水は飲用には適していません。ミネラルウォーターを購入し飲んでください。
治安上注意すべき点はありますか?
すりや置き引きなどの軽犯罪、飲食店やタクシーのぼったくりに注意が必要です。また、夜間の単独での外出はできるだけ控えてください。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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