シリア渡航前の推奨ワクチン

シリアは2011年から紛争によって情勢が悪化していますが、かつては夜も出歩けるほどの治安がよい国でした。10年以上の紛争に続き、新型コロナウイルス感染症の流行や、2023年の地震など、厳しい状態が続いています。
シリアの渡航で接種が望ましいワクチンは、A型肝炎・麻疹・風疹・水痘・新型コロナウイルス・インフルエンザなどです。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎は衛生環境がよくない地域で加熱が不十分な食事や飲み物から感染する病気です。
症状 2〜7週間の潜伏期間を経て、発熱や吐き気、倦怠感などが現れ、黄疸も見られます。カットフルーツからも感染する恐れがあるため、自分で剥けるフルーツやミネラルウォーター、加熱処理された食事などを口にするよう徹底しましょう。
ワクチンについて ワクチンは、2〜4週間の間隔をあけて2回接種します。また、1回目の接種後に6カ月あけて3回目を接種します。
麻疹
感染経路 麻疹ははしかとも呼ばれ、空気、飛沫接触感染で感染します。
症状 10日程度の潜伏期間を経て、高熱や発心が見られるでしょう。肺炎や中耳炎などの合併症や、脳炎などの重篤な症状を引き起こすリスクがあり、先進国でも1,000人に1人が死亡するとされています。強い感染力があるため、麻疹の既往歴がない人は感染に注意が必要です。
ワクチンについて ワクチンは風疹と麻疹の混合ワクチンが一般的で、4週間の間隔をあけて、2回接種します。
風疹
感染経路 風疹は、飛沫感染で発症する感染力が強い病気です。
症状 2〜3週間の潜伏期間を経て、発熱、発疹、リンパ節の腫れが見られます。大人は子どもよりも症状が長引く人が多いため、ワクチンで予防するとよいでしょう。
ワクチンについて ワクチンは麻疹と風疹の混合ワクチンが一般的で、4週間の間隔をあけて2回接種します。風疹への既往歴がある人は免疫がついているとされ、ワクチン接種は不要です。
水痘
感染経路 水痘は水ぼうそうとも呼ばれ、空気、飛沫、接触感染で感染する病気です。
症状 2週間程度の潜伏期間を経て、発熱や発疹が見られ、発疹は水疱や膿へと変化し、次第にかさぶたとなります。小児の発症が多いですが、大人も発症リスクがあるためワクチン接種が望ましいでしょう。
ワクチンについて ワクチンは4週間の間隔をあけて2回接種します。水痘にかかったことがある人は、基本的にワクチンの定期接種は対象外とされています。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は飛沫感染や空気感染、接触感染で感染します。
症状 潜伏期間は、オミクロン株の場合は2〜3日程度で、無症状の人もいました。罹患すると、高熱や咳、息切れ、腹痛などの全身症状が見られ、呼吸器症状が重症化する人もいます。
ワクチンについて 重症化を予防するためにも、ワクチン接種が必要です。ワクチンは1回目から3カ月あけると2回目の接種を受けられます。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは流行性があり、飛沫や接触で一気に感染します。
症状 高熱や倦怠感、鼻水などの症状が現れ、免疫力が低い人は肺炎などの重症化リスクもあります。
ワクチンについて ワクチンは重症化を予防できるため、接種するのが望ましいです。ワクチンは13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。

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各種ワクチン金額相場

シリアへ渡航する際に推奨するワクチンの相場は、次のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回

当クリニックでは、A型肝炎をはじめ、シリア渡航に推奨されるワクチンを取り扱っております。

シリア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

シリア渡航前に推奨される、ワクチンの接種時期や必要回数は次のとおりです。

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 3ヶ月 6ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目

病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 3カ月
6カ月 3回目
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 3カ月 2回目
6カ月
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接種期間が4週間必要なワクチンは、麻疹・風疹、水痘、インフルエンザです。A型肝炎は2〜4週間と6カ月、新型コロナウイルスは3カ月あける必要があります。なお生ワクチンは接種してから4週間待機しないと、他のワクチンを接種できないため、注意しましょう。

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シリアの基本情報

シリアは中東に位置し、西部は地中海、内陸には砂漠が広がる地形で、日本の約半分ほどの国土面積です。2011年にシリア危機が勃発後、情勢が悪化し多くの難民が発生。外務省は、シリアへの渡航をやめ、滞在者は退避するように勧告しています。シリアの基本状況は次のとおりです。

国名 シリア・アラブ共和国(Syrian Arab Republic) 言語 アラビア語
宗教 イスラム教87%、キリスト教10%、ドルーズ派3% 気候 ●地中海性気候・ステップ気候・首都ダマスカスは砂漠性気候で夏は40℃以上、夜間は20℃まで下がります
●冬は氷点下まで下がり、雪も見られます
服装 ●日中は夏服で過ごせますが、夜間との寒暖差が大きいため、長袖も必要です
●冬季は雨や雪が降り暖房が必要な気温になるため、冬服で過ごします
通貨 シリア・ポンド
チップの習慣 サービス内容によって10〜15%程度必要 文化 紛争や2023年のトルコ・シリア地震など、不安定な情勢が続いており、難民も増えています。
かつては治安が良く、教育水準の高い農業大国でした
時差情報 シリアは、-7時間(日本の方が7時間進んでいます) 治安情報 シリア 危険・スポット・広域情報

シリアの渡航情報

シリアは2024年2月現在、紛争による情勢の悪化を受け、レベル4の退避勧告が発表されている状況です。極めて危険度が高く、基本的に渡航は避ける必要があります。

ビザ情報
パスポートの必要有効残存期間
入国カードの記入について

入国に必要な手続き

現在シリアへの入国は禁じられており、大使館もビザ取得の手続きなどを停止しています。詳しい内容は、外務省や在シリア日本大使館の情報を確認しましょう。シリアのビザ申請や必要な手続きは、政府の発表を待ってください。以下は、一般的な海外渡航の場合の情報を紹介します。

必要なもの

ビザ
入国時は、ビザを取得する必要があります。現在、ビザ発行業務は停止中です。


航空券
入国時には、入出国の航空券が必要です。航空券は、出国の日時の証明にもなります。


パスポート
パスポートは、入国時から6カ月以上の有効残存期間と、見開き2ページ以上の査証欄が必要です。入国審査や航空会社のチェックインなどに提示します。


入国カード
入国カードの提出が必要な場合があります。入国カードとは、入国審査を簡易化するために、名前や国籍など必要な情報を記入するカードです。


必要な手続き

入国時に必要な手続きは、次のとおりです。なお、外務省はシリアからの退避勧告を出しているため、2023年2月現在は目的を問わず渡航は止める必要があります。シリアへの渡航は、外務省の最新の発表を参考にしましょう。

入国審査
入国の際は、パスポートやビザなどを提示します。入国管理官に、滞在目的や滞在先、出国日などを聞かれたら、答えられるようにしておきましょう。
現在のシリア情勢は常に変化しているものの、一部国境で反体制派が運営する検問所があります。反体制派の検問所から入国すると、不法入国とみなされ拘束される恐れがあります。


税関検査
シリアに持ち込むもので、申告が必要な場合は適切に申告しましょう。


出国に必要な手続き

シリア出国に必要な手続きは、外務省や大使館から公開されていません。情勢悪化に伴い、厳戒態勢となっているため、入国自体が禁じられています。出国に必要なものや手続きは、外務省や大使館の最新情報を待ちましょう。なお、下記の手続き情報や必要なものは、一般的な渡航に必要な情報を紹介します。

必要なもの

航空券
出国時の航空券は、航空会社のカウンターでチェックインする際に必要です。パスポートと一緒に提示して、搭乗券を発行してもらいます。


パスポート
パスポートは、航空会社のカウンターでチェックインする際に必要です。航空券と一緒に提示し、搭乗券を発行してもらいます。


出国カード
出国カードの提出が必要な場合があります。出国カードとは、名前や国籍など出国に必要な情報を記入するカードです。


必要な手続き

シリア出国に必要な手続きは、次のとおりです。外務省は退避勧告を出しているため、目的を問わず渡航を止める必要があります。シリアへの渡航は、外務省の最新の発表を参考にしましょう。なお、次の情報は一般的な出国に必要な手続きを紹介します。

チェックイン
予約した航空会社のカウンターで、チェックインをします。登場する飛行機やパスポートなどを確認し、搭乗券が発行されます。チェックインは、2〜3時間前から可能です。セキュリティ・チェックに時間がかかる可能性があるため、時間に余裕を持ってチェックインしましょう。


セキュリティ・チェック
セキュリティ・チェックは飛行機内のテロを防ぐために実施されます。金属探知機やX線検査装置で、持ち込み禁止物や不審なものがないか確認し、刃物などの禁止物があれば没収されます。没収されたくないものは、預け荷物に入れておきましょう。また、セキュリティ・チェックには、予想外に時間を要する可能性もあるため、早めの行動がおすすめです。


出国検査
出国検査ではパスポートや出国カードを提示します。シリアから持ち出す荷物で、申告が必要なものがあれば、適切に申告しましょう。


Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webは、日本への入国審査や税関申告などの手続きを、オンラインで進められるシステムです。航空券やパスポート、メールアドレスなどの情報を入力し、免税範囲を超える持ち込みがあれば申告します。情報記入後、二次元コードが発行されるので、日本到着後はコードをかざして手続きを進めます。以前よりも早く審査を終えられるでしょう。


Q&A

よくある質問

シリアの医療情報はありますか?
内戦で医療体制が崩れており、他国の医師がアクセス可能な地域で医療支援を行っています。
シリアの内戦はなぜ起きたのですか?
シリアの内戦は、2011年から続いています。独裁政権から民主化を訴えるデモが始まりだったとされています。
紛争前のシリアはどんな国でしたか?
紛争前のシリアの治安はよく、夜1人で歩くのも問題がない、過ごしやすい国でした。また教育水準が高く、ほとんどの子どもが初等教育を受けられていました。
トルコ・シリアの地震の規模はどれくらいですか?
トルコとシリアの国境付近で、マグニチュード7クラスの地震が続きました。両国合わせた犠牲者は6万人にもおよびます。
シリア渡航は退避勧告が出ていますが、レベルでいうとどの程度ですか?
外務省は安全対策のレベルを4つに分類しており、退避勧告は最もレベルが高い4となります。1〜4までのレベルは下記のとおりです。 レベル4:渡航は止めてください。安全な地域へ退避してください。(退避勧告) レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告) レベル2:不要不急の渡航は止めてください。 レベル1:十分注意してください。 レベルに従って、無理な渡航は避けましょう。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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