上海渡航前の推奨ワクチン
広大な領土を持つ中華人民共和国(中国)の中でも、上海は緯度が鹿児島県と同じで、日本のように四季の変化がはっきりした地域です。ただし、日本と比べてあまり衛生事情が良くなく、水道水も一定の安全基準を満たしているものの、直接の飲用には適していません。
また感染症予防のため、渡航前にワクチンの予防接種が必要です。外務省は、上海に渡航する短期観光客を対象として、A型肝炎、麻疹・風疹、水痘、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザのワクチン接種を推奨しています。
- A型肝炎
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破傷風 A型肝炎は、アジアやアフリカ、中南米などの地域に見られるウイルス性肝炎です。 症状 主な感染経路は、加熱処理が不十分な水や飲み物で、上海渡航中は食事や水分補給の際に注意しましょう。A型肝炎に感染すると、2~7週間の潜伏期間を経て、発熱や頭痛、倦怠感、食欲不振などの症状が現れます。
- 麻疹
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破傷風 麻疹(麻しん)は「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスが原因で発症するウイルス性感染症です。 症状 感染経路には、空気感染、飛沫感染、接触感染などがあり、感染力が非常に強いといわれています。そして麻疹に感染すると、10~12日の潜伏期間を経て、高熱やのどの痛み、目の充血や目やになどの症状が現れます。
- 風疹
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破傷風 風疹(風しん)は、風疹ウイルスが原因で発症するウイルス性感染症です。主な感染経路には、飛沫感染や接触感染などがあります。 症状 風疹の症状は、発熱とともに全身に発疹が現れるのが特徴で、症状がおおむね3~5日で収まることから「三日はしか」と呼ばれることもあります。
- 水痘
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破傷風 水痘は、正式名称を水痘・帯状疱疹といい、「水ぼうそう」と呼ばれることもあります。 症状 主な感染経路は空気感染や接触感染で、感染すると全身に発疹が現れるのが特徴です。大人の方が感染すると悪化しやすく、髄膜炎や脳炎などを発症する可能性もあるため、上海渡航時に注意が必要な感染症の一つです。
- 新型コロナウイルス感染症
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破傷風 新型コロナウイルス感染症は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因で発症する感染症です。世界的な規模のパンデミックを経て、今も国内外で感染者が続出しています。 症状 主な感染経路は飛沫感染や接触感染です。新型コロナウイルス感染症に罹ると、風邪やインフルエンザによく似た症状が現れます。
- インフルエンザ
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破傷風 インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で発症する急性呼吸器感染症です。日本では、毎年12月から3月にかけて流行し、感染者が急増します。 症状 主な感染経路は新型コロナウイルス感染症と同様に、飛沫感染や接触感染です。そしてその症状は、風邪よりも重く、高熱や全身の倦怠感、関節痛や筋肉痛を伴います。
各種ワクチン金額相場
ここでは、上海への渡航を検討している方向けに、ワクチンの接種費用の相場をまとめました。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 約5,000円~1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 約3,000~5,000円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチンは、令和6年4月以降は接種費用が原則有料となるため、渡航する時期に注意してください。
上海渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
ワクチンは接種する時期や必要回数が決まっています。上海渡航前に推奨されるA型肝炎ワクチン、MRワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、mRNAワクチン、インフルエンザワクチンの接種時期は以下のとおりです。
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
MR | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 初回 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
MR | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
ワクチンの種類によっては、接種してから一定の時間が経っていないと他のワクチン接種が認められないものもあります。例えば、生ワクチンのMRワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチンは、初回に接種してから4週間以上の期間を開ける必要があります。
上海への渡航日が決まったら、計画的にスケジュールを立ててワクチンを接種しましょう。
上海の基本情報
国名 | 中華人民共和国 | 言語 | 中国語 |
---|---|---|---|
宗教 | 仏教、道教、儒教など | 気候 | 日本と同様に四季がはっきりとした気候。夏は6月中旬から7月上旬にかけて梅雨が訪れ、蒸し暑い気候が続く。冬は気温が氷点下になる日もある |
服装 | 現代的なファッションが一般的。ビジネスではフォーマルな服装が主流。上海は四季の変化があるため、季節や気候に合った服装が必要になる | 通貨 | 人民元(CNY) |
チップの習慣 | 一般的ではない。観光地や国際的なホテルでは受け入れられることもある | 文化 | 5000年以上の歴史を有しており、豊かな伝統と芸術が根付いている |
時差情報 | 日本の方が1時間進んでいる | 治安情報 | 中華人民共和国(中国) 危険・スポット・広域情報 |
上海の渡航情報
以下の表は、上海を含む中華人民共和国(中国)の渡航情報です。
ビザ情報 |
査証(ビザ)免除措置が停止され、観光ビザなどの申請手続きが必要 ※ビザ申請時に指紋の採取が必要 |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | 有効期限が6カ月以上必要 |
入国カードの記入について | 到着時に入国カードの記入が必要 |
中国は現在、新型コロナウイルス感染症の水際対策を理由に挙げ、日本人に対する査証(ビザ)免除措置を停止しています。2023年3月15日以降は、観光ビザをはじめとした全てのビザの申請手続きが可能です。また駐日中国大使館によると、下記の条件に当てはまる方はビザなしで渡航できます。
・有効な「居留許可」を所持する方
・APECビジネストラベルカード(ABTC)を所持する方
入国に必要な手続き
こちらでは、中国への入国に必要なものや手続きを解説します。忘れ物や申請漏れがあると、入国できないことがあるので、しっかりと準備しましょう。
必要なもの
中国へ入国する際に必要なものは次のとおりです。
パスポート
パスポートがない場合、出国できないので忘れ物や紛失には注意しましょう。また、有効期限が6カ月以上あるかどうかも確認が必要です。
航空券
紙のチケットか電子チケットのどちらが必要か事前に確認しておきましょう。
クレジットカード
サービス利用や商品の購入に必要です。利用できないカード会社もあるので2、3枚用意しておくと柔軟に対応できます。
人民元
現地到着時の現金支払いに対応するため、必要な分の人民元を現金で用意しておきましょう。
日本円
国内での支払いに対応するため、日本円の現金を用意しておく必要があります。
必要な手続き
中国へ入国する際に必要な手続きは以下のとおりです。
ビザ
渡航目的に応じたビザが必要です。ビザ申請は日本国内のビザ申請サービスセンターや総領事館で行います。
入国審査
到着した現地の空港では入国審査が実施されます。顔写真の撮影や指紋認証の他に、入国管理官とのやり取りなどがあります。
税関検査
税関に申告するものがあれば係員に伝えて、申請用紙に必要事項を記入します。申告すべき物品がない場合、記入する必要はありません。
入国カードの記入
中国への入国時に配布される入国カードには、名前やビザ番号、中国での滞在先などを記入する必要があります。
出国に必要な手続き
こちらでは、中国から出国する際必要なものや手続きを解説します。忘れ物や申請ミス・漏れがあると、最悪の場合帰国できないケースがあるので、しっかり確認しましょう。
必要なもの
中国から出国する際に必要なものは次のとおりです。
パスポート
入国時と同様にパスポートがないと出国できないため、紛失・盗難には注意しましょう。
航空券
入国時と同じく紙チケットと電子チケットどちらが必要か事前に確認しておく必要があります。
クレジットカード
現金がない場合の支払いに便利です。また、キャッシングで現金を確保することも可能です。
日本円
帰国時の支払いに対応するため、必要な分の現金は残しておくとよいでしょう。
必要な手続き
中国から出国する際に必要な手続きは次のとおりです。
Visit Japan Web(入国手続オンラインサービス)
入国審査と税関申告、携帯品・別送品申告に必要な情報を事前に登録可能です。登録は必須ではありませんが、審査や提出を省略できるため、スムーズに入国できます。
検疫手続き
航空券とパスポートを航空会社のカウンターで提示し、荷物を預けます。搭乗時間を把握した上で、予期せぬ事態にも対応できるよう、時間に余裕をもった行動が大切です。
税関手続き
動物や植物、一部の食品などを日本に持ち込む場合は検疫対象です。申告が必要な物品がないかしっかり確認しておきましょう。
別送品手続き
別送品とは、郵送で渡航先から日本に送った物品を指します。別送品がある場合は帰国時の税関検査で手続きが必要になります。
Q&A
よくある質問
- 上海に渡航するときにワクチンは必要ですか?
- 外務省は感染症対策のため、A型肝炎、麻疹・風疹、水痘、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザのワクチン接種を推奨しています。長期滞在の場合、B型肝炎や狂犬病、破傷風などのワクチン接種も推奨されます。
- 上海に渡航する場合、「中国税関出入国健康申告」は必要ですか?
- 2023年11月1日から、中国出入国時の健康申告は不要となりました。ただし、発熱や咳などの症状がある場合、税関での申告が必要です。
- 中国に入国するのにPCR検査は必要ですか?
- 2023年8月30日より、新型コロナウイルスの水際対策が部分的に緩和され、入国前の抗原検査やPCR検査は不要となりました。
- 日本入国時にワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)は必要ですか?
- 2023年4月29日より、日本入国時の接種証明書の提出は不要となりました。
- 初回接種(1回目、2回目)がまだの場合、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けられますか?
- 可能です。ただし、無料で接種を受けられるのは、2024年3月31日までの時期に限られます。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。