セルビア渡航前の推奨ワクチン
社交的でお人好しな人が多いとされるセルビアですが、渡航にあたり推奨されているワクチンは主にA型肝炎、B型肝炎、ポリオ、麻疹、風疹、水痘、破傷風、新型コロナウイルス、インフルエンザの9種類です。
- A型肝炎
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感染経路 A型肝炎は糞便により汚染された食べ物、飲み物を摂取することで伝染していく感染症です。性行為や輸血による感染も報告されていますが、主に魚介類の生食によるものが感染経路として挙げられます。そのため、衛生環境の良くない地域では生水や生物、火を通していたとしても加熱が十分でないと判断できるものの摂取は控えましょう。 症状 症状は食欲不振や発熱、嘔吐、下痢、黄疸が見られ、子どもの感染は軽症で済むことが多い一方、高齢者の場合は重症化しやすいのが特徴です。 ワクチンについて 予防接種は3回の接種が必要で、1回目接種から2~4週間後に2回目を、さらに6カ月後に3回目の接種を行います。なお3回目の接種後、約5年間は抗体が持続するといわれています。
- B型肝炎
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感染経路 B型肝炎は、感染者の血液や体液に触れることで伝染し、その感染力はHIVと比較して50〜100倍と言われています。また、世界中では20億人の人が感染し、毎年約60万人の人が亡くなっている危険な病気です。 症状 B型肝炎には一過性感染と持続感染があります。一過性感染は感染から数カ月でウイルスが排出され免疫を獲得できるものです。持続感染は全身の倦怠感や食欲不振、嘔吐、黄疸などの症状が現れます。感染した人の血液や体液に触れることで伝染していくため、感染者に使用した未消毒の注射器はもちろん、血液が付着したカミソリや歯ブラシなどに注意が必要です。 ワクチンについて 一般的な国産のB型ワクチンの場合、3回の接種が必要です。
- ポリオ
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感染経路 ポリオは、ポリオウイルスが口の中に入ることで伝染する感染症です。腸で増殖したウイルスが便となって排出され、ここから二次感染も広がっていくことがあります。 症状 ポリオの主な症状は発熱、頭痛、喉の痛みなどで、一般的な風邪と似たものが見られます。感染した90〜95%の人が無症状で免疫を獲得可能です。しかし、重症化すると手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことや呼吸困難により死にいたることもあるため、ポリオウイルスが存在する国への渡航を検討している場合は渡航前のワクチン接種がWHOより推奨されています。 ワクチンについて ポリオワクチンの接種回数は、合計4回です。
- 破傷風
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感染経路 破傷風は、破傷風菌が傷口から体内に侵入することで引き起こる感染症です。 症状 症状は首の痙攣や硬直、開口障害が見られることがあり、次第にものが飲み込みにくくなったり頭部から背中まで弓なりに反り返ったりする症状が見られます。発症してしまった場合、人工呼吸器による呼吸の補助が必要になることが多いです。致死率は10〜20%とされており、軽視できない感染症です。 ワクチンについて 破傷風は、ワクチン接種により100%近い人が十分な抗体を獲得できると厚生労働省より発表されています。破傷風のワクチンは、1回目接種の3~8週間後に2回目の接種を行い、さらに12ヵ月~18ヵ月後に3回目を接種します。
- 麻疹
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感染経路 麻疹は主に飛沫感染や接触感染で人から人へ移っていく感染症です。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%の確率で発症すると言われています。 症状 報告されている症状は39度以上の高熱や発疹が挙げられ、感染者のうち合併症として中耳炎や肺炎を発症することもあります。 ワクチンについて ワクチン接種歴によっては、接種が望まれます。ワクチン接種を希望する際、実施される接種回数は2回です。ワクチンを接種する間隔は、4週間です。
- 風疹
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感染経路 風疹は、飛沫を介して感染する、感染力の強い病気です。 症状 リンパ節腫脹や発熱、発疹が主だった症状ですが、風疹に感染しても無症状の人もいます。 ワクチンについて ワクチンの接種は期間を開けて2回とされており、これにより免疫を獲得することができます。発症した際は解熱剤・鎮痛剤による対症療法が基本です。
- 水痘
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感染経路 水痘は、みずぼうそうと呼ばれることもあり、空気感染、接触感染によって伝染していく発疹性のウイルス性感染症です。 症状 症状としてはまず発熱があることが多く、その後は紅斑があらわれ、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経てかさぶたとなり治癒するとされています。しかし、一部の患者では重症化も見られるため、ワクチンの接種が推奨されています。 ワクチンについて ワクチンは、2回接種することにより発症の予防が可能です。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルス感染症は、飛沫・接触感染などにより感染します。 症状 症状は疲労感、頭痛、嗅覚障害、味覚障害、胸痛、動悸など多岐に渡り、年齢や基礎疾患により重症化のリスクが高まることがあるので、こちらも複数回のワクチンの接種が推奨されています。 ワクチンについて 初回接種から3カ月が経過すると追加接種が可能です。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、飛沫や接触などで感染します。 症状 人から人への感染力が非常に高く、38度を超える高熱や倦怠感、関節痛、筋肉痛が主な症状として挙げられます。これらの症状は1週間ほどで回復へ向かいますが、重症化すると死に至る可能性もあり、注意が必要です。 ワクチンについて 予防法として最も効果的なのがワクチンの接種とされますが、時間の経過とともに免疫は低下します。毎年流行の時期に接種することを心掛けましょう。流行の時期は国によって異なります。北半球に位置するセルビアでは通常12〜3月が流行のピークとされています。
各種ワクチン金額相場
セルビアへ渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、以下のとおりです。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
B型肝炎ワクチン | 5,000〜8,000円/回 |
ポリオワクチン | 7,000〜1万円/回 |
破傷風ワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000円〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
セルビア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
接種が推奨されるワクチンの時期と必要回数は以下のとおりです。
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
B型肝炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
ポリオ | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目(1回目終了後3~8週間)3回目(2回目終了後3~8週間) | 4回目(3回目終了後1年) | ||||||||
破傷風 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目(2回終了後1年~1年半) | ||||||||
麻疹・風疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3カ月 | 5カ月 | ||
6カ月 | 3回目 | 12カ月 | |
18カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
B型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3カ月 | 5カ月 | 3回目 | |
6カ月 | 3回目 | 12カ月 | |
18カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
ポリオ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | 2回目(1回目終了後3~8週間)3回目(2回目終了後3~8週間) | |
4週間 | 2回目(1回目終了後3~8週間)3回目(2回目終了後3~8週間) | 8週間 | 2回目(1回目終了後3~8週間)3回目(2回目終了後3~8週間) |
3カ月 | 2回目(1回目終了後3~8週間)3回目(2回目終了後3~8週間) | 5カ月 | |
6カ月 | 12カ月 | 4回目(3回目終了後1年) | |
18カ月 | 4回目(3回目終了後1年) |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
破傷風 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | 2回目 | |
4週間 | 2回目 | 8週間 | 2回目 |
3カ月 | 5カ月 | ||
6カ月 | 12カ月 | 3回目(2回終了後1年~1年半) | |
18カ月 | 3回目(2回終了後1年~1年半) |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3カ月 | 5カ月 | ||
6カ月 | 12カ月 | ||
18カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3カ月 | 5カ月 | ||
6カ月 | 12カ月 | ||
18カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3カ月 | 2回目 | 5カ月 | |
6カ月 | 12カ月 | ||
18カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3カ月 | 5カ月 | ||
6カ月 | 12カ月 | ||
18カ月 |
閉じる
上記のように、ここで挙げたワクチンは全て複数回の接種が必要です。間隔もさまざまですので渡航が決まっている場合は計画的に接種を進めるようにしましょう。
セルビアの基本情報
おもてなしの精神が強く、フレンドリーな人が多いというセルビアですが、ここではその他渡航に役立つ基本情報を以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
国名 | セルビア共和国(Republic of Serbia) | 言語 | セルビア語(公用語)、ハンガリー語等 |
---|---|---|---|
宗教 | セルビア正教(セルビア人)、カトリック(ハンガリー人)等 | 気候 | 内陸部や山岳部により差があります。 |
服装 | ●1月の平均気温は平野部で0度となるため、しっかりとした防寒具が必要です。 ●7月の平野部の平均気温は22〜25度のため、薄手の長袖か羽織れるものがあるとよいでしょう。 |
通貨 | ディナール |
チップの習慣 | サービスを受けたらチップを渡す習慣があります。 | 文化 | パレードやデモの暴徒化が起こることもあるので注意が必要です。 |
時差情報 | −8時間(日本の方が8時間進んでいます) | 治安情報 | セルビア 危険・スポット・広域情報 |
セルビアの渡航情報
ビザ情報 | 日本国籍を所有しており、90日以内の短期滞在(観光、商談、会議出席等)の場合はビザは不要です。 |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | セルビア出国予定日から3カ月以上が必要です。 |
入国カードの記入について | 不要です。 |
入国に必要な手続き
セルビアに入国する際に必要な手続きは、基本的に入国審査と税関審査の2つです。
必要なもの
航空券
日本からセルビアへの航空券が必要です。事前に旅行会社や航空会社等で購入しておきましょう。
パスポート
セルビア出国の時点で3カ月以上の有効残存期間が必要なので、要注意です。
ビザ
日本国籍を有し、就労を目的としない90日以内の滞在であればビザは不要です。しかし、90日以内の滞在の場合でも大学等への短期留学の場合は留学ビザの取得が必要となります。また、長期滞在を予定している場合は該当するビザの取得が必要となりますので、駐日セルビア共和国大使館で申請をしましょう。
必要な手続き
入国審査
入国手続きの際には審査官にパスポートを渡し、スタンプを押してもらいます。このスタンプがないと、出国ができなくなる可能性があるので注意が必要です。陸路で入国する場合は、車内で入国審査や税関審査が行われることが多いです。また、合計で1万ユーロ相当額以上の現金や小切手を持ち込む場合は、入国時に規定の用紙で申告し、外貨等持込証明書を発行してもらう必要があります。この証明書がないと出国時に所持金を没収される可能性があるため、こちらも要注意です。
税関手続き
申告が必要なものがある場合は自己申告となりますが、税関職員による抜き打ち検査が行われることもあります。持ち込みに規制がある物品等は、火器・銃器類、薬物、無線機器類、動物等です。
出国に必要な手続き
出国時の手続きには時間の締め切りがあるため、搭乗手続きは早めに済ませるようにしましょう。
必要なもの
航空券
航空会社の受付にて提示し、搭乗券を受け取る際に使用します。
パスポート
手続きの際にパスポートが必要になりますが、出国の際はパスポートへのスタンプはありません。
必要な手続き
出国審査
パスポート、航空券の提出をし、手荷物検査を済ませて搭乗口へ向かいます。
税関手続き
申告するものがある場合は申告し、審査官によるチェックを受けます。
Q&A
よくある質問
- セルビアの医療レベルは?
- セルビアの医療レベルは、欧米先進国と比較して高いとは言えません。
- セルビアで内服薬が欲しくなった時は?
- 一般的な医薬品は現地の薬局で購入することができます。しかし、日本と同じ名称であっても効果が強い可能性もあるため、簡単な常備薬は持って行くことを推奨します。
- セルビアの治安は?
- 比較的安定していますが、 観光客目当てのスリや置き引きは複数報告されています。また、重大な犯罪やテロが頻発しているということはありませんが、コソボ東部との国境付近では民族的な衝突が起こる可能性があります。十分注意が必要です。
- 入国にあたって必須の予防接種はありますか?
- 必須項目はありません。しかし、本記事で挙げたものの一部は外務省でも推奨されています。安全な渡航にするために積極的に予防接種を取り入れましょう。
- セルビアで水道水は飲めますか?
- 基本的に飲み水はミネラルウォーターを推奨しています。都市部では上水道がありますが、硬水に慣れていない人はお腹を下すことがあります。また、地方では上水道の汚染により細菌性などのウイルスによる集団感染が発生しているため、特に注意が必要です。
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Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
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海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。