サンマリノ渡航前の推奨ワクチン
サンマリノは、イタリアの中に位置する、世界で5番目に小さな都市国家です。サンマリノに渡航する場合、麻疹・風疹・水痘・新型コロナウイルス・インフルエンザのワクチンを接種しておくことが推奨されています。長期滞在する場合は、A型肝炎・B型肝炎・狂犬病・破傷風などのワクチンも接種しておくと安心です。
- 麻疹
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感染経路 麻疹は主に飛沫感染や接触感染によって人から人へ広がる感染症です。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%の確率で発症すると言われています。 症状 報告されている症状には39度以上の高熱や発疹があり、感染者の中には中耳炎や肺炎などの合併症を発症する可能性もあります。発症した場合は対症療法が基本ですが、まれに死亡する場合もあるため、注意が必要です。 ワクチンについて 感染力が非常に強いため、手洗いやマスクだけでは不十分な感染対策とされています。ワクチン接種を行い、十分な対策を取りましょう。
- 風疹
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感染経路 風疹は主に飛沫感染で広がる発疹性の感染症です。 症状 症状は無自覚から重篤な合併症まで幅広く、大人が感染すると完治までに時間がかかり、症状も重くなることが多いとされています。子どもの場合は軽症で済むことが多いですが、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症が発生することがあります。主な症状は、発熱、発疹、リンパの腫れなどです。妊娠20週頃までの妊婦は風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群のリスクが高まるため、注意が必要です。 ワクチンについて ワクチンは2回接種することで免疫を獲得できます。
- 水痘
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感染経路 水痘は「みずぼうそう」とも呼ばれ、空気感染や接触感染によって広がるウイルス性感染症です。 症状 発疹性の感染症であり、症状としてはまず発熱が現れることが多く、その後は紅斑、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経てかさぶたができ、治癒します。 ワクチンについて 一部の患者では重症化することもあるため、ワクチン接種が推奨されています。ワクチンは2回接種することで発症の予防が可能です。
- 新型コロナウイルス
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感染経路 新型コロナウイルスは、2019年12月以降、世界的に流行している感染症です。感染経路は主にエアロゾル感染、飛沫感染、接触感染です。感染予防には、こまめな手洗い、換気、マスク着用などが効果的とされています。 症状 主な症状は全身の倦怠感、発熱、鼻汁、頭痛などです。 ワクチンについて ワクチン接種は、前回の接種から3カ月以上空けて行います。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因の呼吸器感染症です。主な感染経路は接触感染と飛沫感染で、感染予防にはマスク着用、手洗い、うがいが効果的です。多くの場合、1週間ほどで軽快しますが、重症化するリスクもあります。 症状 主な症状は高熱、全身の倦怠感、筋肉痛、頭痛などです。 ワクチンについて インフルエンザワクチンを接種する場合、13歳以上は原則1回、13歳未満の子どもは原則2回が推奨されています。
- 狂犬病
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感染経路 狂犬病は、犬をはじめとしたさまざまな哺乳類に感染する感染症です。狂犬病にかかった動物に人間が咬まれることで感染します。日本国内では、数十年前に感染例の報告があったことを最後に、感染は起きていません。しかし、世界では毎年5万人もの人が狂犬病で亡くなっているため、決して油断はできない感染症です。 症状 狂犬病は、発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい感染症です。 ワクチンについて 発症前にワクチンを接種することにより発症を抑えられます。狂犬病のワクチン接種には暴露前接種と暴露後接種があります。
- 破傷風
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感染経路 破傷風は、土の中にいる破傷風菌から感染します。体の傷口に土が触れると、そこから破傷風菌が侵入して感染します。通常は手足の傷から感染することが多いですが、交通事故などによる外傷や、動物に咬まれた傷、やけど、ピアスなどから感染することもあるので、注意が必要です。 症状 感染すると3日~21日間の潜伏期間を経て発症し、口から全身にかけて痙攣が起きたり、呼吸困難になることもあります。最悪の場合死に至ることもあり、油断できない恐ろしい感染症です。 ワクチンについて 破傷風を予防するには、破傷風ワクチンが有効です。破傷風ワクチンを3~8週間の間隔で2回接種すれば、4週間後に免疫が作られます。半年から1年後、あるいは1年半後に、3回目のワクチン接種をすると効果が持続します。海外に長期滞在する人は、3回接種が望ましいでしょう。
- A型肝炎
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感染経路 A型肝炎はアジアやアフリカ、中南米などに多い感染症で、主に食物を通じて感染します。衛生状態の悪い地域では、生水、氷、生肉、生野菜などを避けるようにしましょう。まれに、輸血や性行為が原因で感染することもあります。 症状 主な症状は、急性肝炎によって引き起こされる発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸などです。強い倦怠感に襲われ、1カ月以上入院が必要な場合もあります。 ワクチンについて ワクチンは、1回目接種から2~4週間空けた上で2回目を接種します。長期滞在する方は3回接種がおすすめです。
- B型肝炎
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感染経路 B型肝炎は、輸血の血液を介して感染するほか、性的接触によっても感染する場合があります。 症状 主な症状は、倦怠感や食欲不振、腹痛、黄疸、吐き気、嘔吐などです。感染・発症しても大人の致死率は1%程度ですが、まれに慢性化して肝硬変やがんの原因になる場合もあります。潜伏期間が約3カ月と長く、感染源が突き止めにくいこともB型肝炎の特徴です。 ワクチンについて ワクチン接種は、1回目から4週間空けて2回目、1回目から5~6カ月空けて3回目を接種します。抗体が形成されるのは2回目の接種から2週間後で、3回接種すれば5年間効果が持続すると言われています。
各種ワクチン金額相場
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
B型肝炎ワクチン | 約5,000〜8,000円/回 |
狂犬病ワクチン | 約1万5,000〜2万円/回 |
破傷風ワクチン | 約3,000〜5,000円/回 |
サンマリノ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
麻疹・風疹(MR) | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
B型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
狂犬病 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
破傷風 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目(2回終了後 1年~1年半) |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹(MR) | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
B型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | 3回目 | |
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
狂犬病 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | 2回目 |
2週間 | 3週間 | 3回目 | |
4週間 | 3回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
破傷風 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | 2回目 | |
4週間 | 2回目 | 8週間 | 2回目 |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
12~18ヶ月 | 3回目(2回終了後 1年~1年半) |
閉じる
接種期間が長いワクチンもあるため、計画的に予防接種を進めましょう。
サンマリノの基本情報
国名 | サンマリノ共和国 | 言語 | イタリア語 |
---|---|---|---|
宗教 | カトリック教 | 気候 | 夏は暑くて湿度が高く、ほぼ毎日晴天が続きます。冬は風が強くて寒く、曇りの日が多いことが特徴です。とはいえ、-4℃未満または33℃以上になることはほとんどありません。地中海性気候で、快適に過ごしやすい気候です。 |
服装 | サンマリノは坂道の多い街なので、歩きやすい格好がおすすめです。夏の日中は日差しが強いので、サングラスは欠かせません。昼間は軽装で過ごせますが、夜になると冷え込むので、1枚羽織るものを用意しましょう。春と秋は日中も長袖が必要で、夜はコートがあると安心です。冬は寒いので、厚手のコートやダウンジャケット、マフラー、手袋などが必要です。 | 通貨 | ユーロ |
チップの習慣 | サンマリノでは、チップの習慣は浸透していません。それでも、ホテルのポーターには荷物1個につき1ユーロ程度、枕銭は1泊1ユーロ程度、レストランは料理代の10~15%程度払いましょう。 | 文化 | サンマリノは紀元301年に創設されたので、古代ローマ時代の文化と、初期のキリスト教文化を引き継いでいます。 |
時差情報 | -8時間(日本の方が8時間進んでいます) | 治安情報 | サンマリノ 危険・スポット・広域情報 |
サンマリノの渡航情報
ビザ情報 | 90日以内の滞在であれば、ビザは不要です。シェンゲン協定域内を通過することが、実質的な入国要件となっています。90日以上の中長期滞在を希望する場合には滞在許可が必要です。 |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | シェンゲン協定域内国からの出国予定日から3カ月以上の有効期間が必要です。 |
入国カードの記入について | サンマリノに入国する際は、入国カードは必要ありません。 |
サンマリノへ出入国する際は、イタリアから陸路で移動することになります。イタリアのビザ、出入国審査等の情報についても併せて確認しておきましょう。
入国に必要な手続き
イタリアとサンマリノの国境は道路標識で示されているだけで、国境付近におけるパスポートのチェックなどはありません。ただし、シェンゲン協定域外から域内に入る場合は、最初に入域する国で入国審査が行われます。サンマリノへ入国するには、まずイタリアで入国手続きを行う必要があるため、以下ではイタリアの入国に必要なものと手続きを紹介します。
必要なもの
イタリア入国に必要なものは以下のとおりです。
航空券
イタリアまでの航空券の購入が必要です。旅行会社や航空会社を介して航空券を手配します。
パスポート
シェンゲン領域の出発予定日から3カ月以上のパスポート残存有効期間が必要です。
必要な手続き
イタリア入国に必要な手続きは以下のとおりです。
ビザ申請
観光や商用目的で、滞在期間が90日以内の場合は、ビザの取得は不要です。ただし、2025年以降、EU諸国に入国するためにはETIAS(事前渡航認証システム)が必要です。ETIAS申請には、氏名や国籍などの基本情報、犯罪歴や紛争地域への渡航歴などが審査されます。ETIASはオンラインで申請でき、Eメールアドレス宛に渡航認証許可が届きます。申請結果は当日から4週間以内に届くため、前もって申請を済ませておきましょう。
入国審査
入国審査ではEU諸国外旅行者(NON EU NATIONALS)に並び、滞在先や目的を聞かれたら回答します。入国審査が終わったら荷物を受け取り、税関検査に移動します。
税関検査
税関職員の前を通過するだけで済むことが多いですが、時折、荷物を開けるよう要求される場合があります。空路で持ち込む物品について、1人あたりの価値相当額が計430ユーロを超える場合は、税関に申告が必要です。
出国に必要な手続き
チェックインは、遅くとも出国の2時間ほど前に到着すると落ち着いて手続きができます。パスポートと搭乗券を提示してパスポートに出国スタンプを押してもらいます。
必要なもの
イタリア出国に必要なものは以下のとおりです。
航空券
帰路に利用する航空会社にカウンターで航空券とパスポートを渡し、飛行機の搭乗券を受け取ります。
パスポート
航空会社のカウンターで飛行機の搭乗券を受け取る際に、パスポートを提示します。
必要な手続き
イタリア出国に必要な手続きは以下のとおりです。
出国審査
出国審査が終わったら、セキュリティチェックを行います。時間には余裕を持って行動することをおすすめします。
Visit Japan Web
「Visit Japan Web」は、入国手続き「検疫」、「入国審査」、「税関申告」、「免税購入」をWebで行えるサービスです。事前にWebで手続きを済ませられるため、手続きにかかる時間を短縮できます。
Q&A
よくある質問
- 日本からサンマリノへ渡航する際、各種ワクチン接種証明書は必要ですか?
- 入国時に接種が義務付けられているワクチンはありません。
- 日本に帰国するにあたり、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書や陰性証明書は必要ですか?
- 2023年4月29日以降、日本の入国にあたって新型コロナウイルスのワクチンの接種証明書や陰性証明書の提出は不要となりました。
- サンマリノの料理について教えてください。
- サンマリノはイタリアの中にあるので、料理はイタリア料理とよく似ています。パスタやニョッキ、ラビオリ、ピッツァなど、イタリア中部の郷土料理のようなメニューが多く、近隣のトスカーナ州の影響も受けているようです。
- サンマリノの水道水は飲めますか?
- 飲めますが、できればミネラルウォーターを飲みましょう。
- サンマリノの有名な観光名所を教えてください。
- サンマリノの代表的な観光名所は、グアイタ塔、チェスタの塔、リベルタ広場などです。 グアイタ塔はサンマリノの塔のうち最も古く美しい塔として有名です。11世紀に建てられたもので、塔の頂上からサンマリノ共和国の全景を一望できます。 チェスタの塔の中は、武器博物館さながらに、中世の武器や武具が多数展示されています。塔の東側の崖下から見えるのは、北のイタリア領内やアドリア海の素晴らしい景色です。 リベルタ広場はサンマリノの旧市街の中心に位置する広場です。広場の中央には自由の女神の像が立っており、夜になるとイルミネーションで美しく彩られ、まるで別世界のような雰囲気に包まれます。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。