カタール渡航前の推奨ワクチン

カタールはアラビア半島東部に位置し、ペルシャ湾に囲まれた半島です。カタールに渡航する前には、接種が推奨されているワクチンは、A型肝炎、B型肝炎、水痘、破傷風、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどのワクチンです。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎はアジアやアフリカ、中南米などに多い感染症で、食べ物を通じて感染します。衛生状態の悪い場所で、食物を口にすると感染するリスクがあるので、加熱処理のされていない食材に注意しましょう。意外に見落としがちなのが、カットされたフルーツです。肉や魚以外でも、生モノはできるだけ口にしないようにしましょう。
症状 感染すると強い倦怠感に襲われ、症状が重いと1カ月以上入院が必要な場合もあります。主な症状は、急性肝炎によって引き起こされる発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸などです。
ワクチンについて A型肝炎ワクチンは、現地に長期滞在するのであれば、接種したいワクチンです。ワクチンは3回接種しないと、次第に抗体が減っていくので効果が薄れてしまいます。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎は、輸血の血液を介して感染するほか、性的接触でも感染するおそれがあります。また、海外で利用した医療機関で、十分に消毒されていない医療器具や、輸血用血液などから感染するケースもあるので、注意しなければなりません。ピアスの穴あけ、カミソリや歯ブラシの共用も要注意です。
症状 潜伏期間が約3カ月もあるので、感染元が分かりにくい感染症です。感染し発症しても、大人の致死率は1%程度と低いものの、肝硬変やがんになる場合もあるので油断できません。
ワクチンについて アジアやアフリカ諸国の感染率が高いので、これらの地域に滞在する場合は、ワクチンの接種をおすすめします。
水痘
感染経路 水痘(みずぼうそう)は、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で発生する感染症です。この病気は特に2歳から8歳の子どもたちによく見られます。感染経路は主に2つあります。患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む飛沫感染や空気感染と水疱や粘膜の排出物に触れることによる接触感染です。
症状 水痘の典型的な症状は、10日から21日の潜伏期間の後に現れる水疱と38℃前後の発熱です。全身に3~5mmの直径の赤い丘疹が現れ、数日間で新たな発疹が続々と出てきます。すべての発疹がかさぶたになるまでには約6日かかります。水痘は通常、軽度であり、一度感染すると生涯にわたる免疫が得られますが、成人になると重症化する可能性があり、髄膜炎や脳炎などの合併症を発症する可能性も高くなります。
ワクチンについて 水痘のワクチン接種は、1回目との間隔を4週間空けた上で、2回目を実施します。
破傷風
感染経路 土壌中に存在する破傷風菌から感染する感染症です。切り傷に泥がついた場合などに、感染のリスクがあります。破傷風菌は、世界中の土壌にいるので、どこでも感染するリスクがあります。手や足の切り傷から感染するケースが多いのですが、交通事故による怪我やペットに咬まれた傷、ピアスの穴あけ、やけどなどから感染する場合もあります。傷口に泥がついたら、破傷風に感染する危険があると覚えておきましょう
症状 感染すると、3日~21日間の潜伏期間を経て発症します。口から全身にかけて筋肉が痙攣したり、呼吸困難になったりすることもあり、最悪の場合は死に至る恐ろしい感染症です。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、飛沫感染や接触感染を主な感染経路としています。
症状 この病気は、38℃以上の高熱や全身の倦怠感などの全身症状が特徴的で、一部の患者では肺炎などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。
ワクチンについて 重症化を防ぐための有効な手段として、ワクチン接種が推奨されています。特に、海外への渡航前にはワクチン接種を受けることが重要となります。インフルエンザワクチンの接種は、13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。1回目の接種後、4週間を空けて2回目の接種が行われます。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染や接触感染を主な感染経路としていますが、中には症状がまったく現れない無症状のケースも確認されており、無自覚にウイルスを拡散させる可能性があります。
症状 感染した場合、発熱や咳、のどの痛み、倦怠感などの症状が現れることが一般的です。しかし、持病を持つ人や高齢者など、重症化しやすい要素を持つ人々は、感染すると症状が重篤化するリスクが高まります。
ワクチンについて これらの人々にとって、重症化を防ぐための最善の手段は、ワクチン接種を受けることです。1回目のワクチン接種から3カ月以上経過した場合に、再度ワクチン接種を受けることが可能です。

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各種ワクチン金額相場

各種ワクチンの金額相場は、次のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000〜8,000円/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回

カタール渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

カタールに渡航する予定がある方向けに、ワクチン接種の時期と必要回数を以下の表にまとめました。渡航前の計画を立てる際に参考にしてください。

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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カタールの基本情報

渡航先の情報を先に知っておきたい方のために、カタールの文化や気候などの基本情報は次のとおりです。

国名 カタール国(State of Qatar) 言語 アラビア語
宗教 イスラム教 気候 夏季と冬季がはっきりしており、年間降水量が75mlと少なく、高温多湿という砂漠型の気候です。夏季は5月から10月にかけての長期間にわたり、平均気温は約35度です。7~8月にかけて、昼間の気温が50度を超える最高気温を迎える日があります。12月から4月までは平均気温20度前後で、過ごしやすい日々が続きます。
服装 年間を通じて、服装は日本の夏の装いで過ごせます。ピーチシューズ、スリッパ、日よけのキャップもあった方がよいでしょう。ただし、朝晩は涼しいので、ジャケットやジャンパーが必要です。女性は宗教上の理由により、ローカットのドレス、極端に短いスカート、タイトなジーンズなどは避けた方が無難です。 通貨 カタールリアル
チップの習慣 サービス内容により利用料金の10~15%が相場です。ベッドメイクのチップは枕の下に1米ドル程度置きましょう。 文化 英国領だった歴史があるため、中東でありながら欧米風文化が根づいています。
時差情報 日本との時差は6時間です。日本の方が6時間進んでいます。 治安情報 カタール 危険・スポット・広域情報

カタールの渡航情報

カタールへの渡航に関する情報を解説します。

ビザ情報 日本人が観光などの目的で、カタールに渡航する場合は、短期滞在に限りビザの取得は不要です
パスポートの必要有効残存期間 入国時の残存期間が6カ月以上、未使用査証欄は見開き2ページ以上必要です
入国カードの記入について 不要です

日本人が観光などの目的で、カタールに渡航する場合は、短期滞在に限りビザの取得は不要です。また、カタールの入国審査時に、30日間の滞在許可を無料で取得することができますが、必要に応じて手続きすればさらに60日間の延長が可能です。

また、カタールに入国する際に、パスポートの必要有効残存期間が6カ月以上なければなりません。また、パスポートの未使用査証欄は、見開きで2ページ以上残っている必要があります。

入国に必要な手続き

カタールの入国に必要な手続きについて解説します。

航空券・パスポート
入国の際に、有効期限6カ月以上のパスポートと、確認済みの往復航空券を提示しなければなりません。


ビザ申請
日本人が30日以内の観光・商用等でカタールに滞在する場合は、原則としてビザは必要ありません。


入国審査
日本からの渡航者は、ビザの提出は不要です。


税関検査
税関検査は厳しく、持ち込み禁止品が厳重に規定されています。ポルノ雑誌類、豚肉及び豚肉の加工品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ラード等)、酒類(みりん等の調味料を含む)等、イスラムの規範に反するもの、麻薬及びその原料(けしの花等)、銃火器類等はすべて持ち込み不可です。


出国に必要な手続き

カタールからの出国には以下の手続きが必要です。

航空券・パスポート
観光、商用等の目的での短期滞在の場合は、滞在許可の有効期間内であればそのまま出国できます。滞在期限を過ぎている場合は、超過滞在1日あたり、200カタールリアルの罰金が科せられます。


Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webサービスを利用すると、「入国審査(外国人入国記録)」及び「税関申告(携帯品・別送品申告)」をウェブ上で行うことができます。カタールに入国する際も出国する際も利用できるので、空港での手続きを簡単に済ませることができます。


Q&A

よくある質問

日本からカタールへ渡航する際、各種ワクチン接種証明書は必要ですか?
2022年11月以降、PCR検査等の陰性証明書の取得は不要です。
カタールから日本へ帰国する際、必要な書類はありますか?
日本政府が有効と認めるワクチンを3回接種済であると証明する書類が必要です。3回目接種済でない場合は、出国前72時間以内に受けたPCR検査の陰性照明が必要となります。
カタールは治安が良いですか?
在カタール日本大使館の見解によると、治安情勢が比較的良くなっているもののスリ・置き引きなどの軽犯罪はいまだ発生しているようです。
カタールの水道水は飲めますか?
水道水は飲むのには向かないため、ペットボトルの水をご利用ください。
カタールに滞在する上で気を付けることはありますか?
夏は日差しが非常に強く気温が45℃を超える可能性もあるため、熱中症予防を徹底しましょう。また、砂嵐で呼吸器系疾患にかかりやすくなるため、砂嵐がひどいときには外出しないなど、健康管理を意識する必要があります。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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