パラグアイ渡航前の推奨ワクチン

パラグアイは南アメリカの内陸国で、日本の1.1倍ほどの国土を持ちます。パラグアイ川を境界線に、東には赤土が広がり、西には草原が広がるといった、自然環境が異なるのが特徴です。パラグアイに渡航するのに望ましいワクチンは、黄熱、A型肝炎、麻疹、風疹、水痘、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の7種類です。

黄熱
感染経路 黄熱は、蚊が媒介するウイルスで、発症すると重症化するリスクが高い病気です。免疫がない人は50%の致死率があると言われています。
症状 3〜6日の潜伏期間を経て、急な高熱、頭痛、吐き気などが見られます。さらに重症化すると出血、黄疸、タンパク尿などの症状が現れます。
ワクチンについて 黄熱のワクチンは、厚生労働省の指定医療機関や検疫所で受けられ、接種証明書はイエローカードとも呼ばれます。この証明書は生涯有効で、別の渡航先で提示を求められる場合もあるため、大切に保管することが重要です。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、衛生状態が不十分な場所で、特に加熱処理がされていない食べ物を摂取することで感染します。
症状 感染後2〜7週間の潜伏期間を経ると、急激な発熱、嘔吐、倦怠感が現れ、その数日後には黄疸が出現します。パラグアイでは、衛生状態が良好なレストランを選び、加熱された料理やミネラルウォーターを選ぶことが推奨されます。また、自分で皮を剥いたフルーツを食べることが安全とされています。
ワクチンについて ワクチン接種は、初回接種から2〜4週間後に2回目、さらに半年後に3回目を接種することが必要です。
麻疹
感染経路 麻疹、またははしかとも呼ばれるこの病気は、接触や空気、飛沫感染により、強い感染力を持つことで知られています。
症状 感染すると、約10日間の潜伏期間を経て、鼻水や発熱などの症状が現れ、その2〜3日後には高熱と発疹が出現します。
ワクチンについて 主流となっているのは風疹との混合ワクチンで、4週間の間隔をあけて2回接種します。
風疹
感染経路 風疹は、強い感染力を持つ飛沫感染病で、広範囲に広がります。無症状者も存在しますが、2〜3週間の潜伏期間後に症状が出現します。
症状 主な症状としては、高熱、発疹、関節痛などが挙げられます。
ワクチンについて ワクチン接種については、麻疹との混合ワクチンが一般的で、4週間の間隔をあけて2回接種します。また、過去に風疹に罹患した人は免疫があるとされているため、ワクチンの接種は不要です。
水痘
感染経路 水痘は、接触や空気、飛沫により感染します。感染後の潜伏期間は約2週間で、その後に発疹や発熱の症状が現れます。
症状 発疹は、初めは表面が赤く、その後水疱、膿疱へと変化し、最終的にはかさぶたになって治癒します。予防としてワクチン接種が推奨されます。
ワクチンについて ワクチンは4週間の間隔をあけて2回の接種が必要です。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、接触や飛沫により感染し、2〜7日の潜伏期間を経て強い風邪の症状が出現します。
症状 無症状の人もいる一方で、重症化する可能性もあります。
ワクチンについて 特に、持病や肥満といった重症化のリスク因子を持つ人々にとっては、ワクチン接種が重要な対策となります。ワクチンの接種は、初回接種後3カ月間をあけてから、2回目の接種が可能です。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、飛沫感染や接触感染により、短期間で急速に広がります。
症状 感染後数日の潜伏期間を経ると、強い風邪の症状が現れ、一部の人々は肺炎や脳症などの合併症を引き起こし、病状が重症化します。
ワクチンについて ワクチン接種により、この重症化のリスクを抑えることが可能です。ワクチン接種は4週間の間隔をあけて2回接種を行います。

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各種ワクチン金額相場

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
黄熱ワクチン 1万2,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回

当クリニックでは、A型肝炎ワクチン、麻疹・風疹の混合ワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチン、インフルエンザワクチンを取り扱っております。黄熱ワクチンは、当クリニックでは取り扱いがないため、指定医療機関や検疫所で受けられるか、厚生労働省のホームページを確認しましょう。

パラグアイ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
黄熱 生ワクチン
麻疹・風疹(MR) 生ワクチン 初回 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 初回 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
黄熱 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹(MR) 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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A型肝炎は、3回接種すると効果的ですが、3回終了まで6カ月かかります。黄熱は1回のワクチンで生涯有効です。生ワクチンは、他のワクチンとの接種間隔を4週間あける必要があり、各ワクチンの接種期間も異なるため、計画的に接種しましょう。

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パラグアイの基本情報

パラグアイは南アメリカの中央南部に位置し、ブラジルやボリビア、アルゼンチンに囲まれた内陸国です。日本の約1.1倍の国土で、世界でも有数の大豆生産量を誇っています。パラグアイの基本情報は次のとおりです。

国名 パラグアイ共和国(Republic of Paraguay) 言語 公用語はスペイン語とグアラニー語
宗教 主にカトリック(信教の自由を憲法で保障しています) 気候 ・東は亜熱帯地域、西は熱帯性地域です
・10〜3月の夏期は最高気温が40℃を超える日もあり、蒸し暑いですが、5〜8月の冬期は最高気温20℃、朝晩は0℃にまで下がります
服装 ・夏は夏服で過ごせますが、冬は厚手の上着が必要です
・日中と夜間の寒暖差が激しく、蚊が媒介する病気もあるため、長袖や羽織れるものがあるとよいでしょう
通貨 グアラニー
チップの習慣 ホテルやレストランなど、サービスを受けたらチップを払う習慣があります 文化 警察施設や軍事施設などは、許可なく撮影すると不審者と認識され、身柄を拘束される可能性があります
時差情報 -13時間(日本の方が13時間進んでいます)
サマータイムの間は、-12時間(日本の方が12時間進んでいます)
治安情報 パラグアイ 危険・スポット・広域情報

パラグアイの渡航情報

パラグアイに渡航する際、90日以内の観光や商用目的であれば、ビザは不要です。内陸国のため、陸路での入国は厳しく、必ず入国管理局で入国手続きをする必要があります。適切な入国審査をしないと、罰金を科せられるため、注意しましょう。空路の場合では、次の情報も知っておくとよいでしょう。

ビザ情報 日本国籍で、観光や商用目的の場合、90日以内であればビザは不要です(その他の人は大使館でビザの申請が必要です)
パスポートの必要有効残存期間 入国時から6カ月以上の残存有効期間が必要です
入国カードの記入について 必要です

入国に必要な手続き

パラグアイに入国する際に必要な手続きは、基本的にはビザ申請と入国審査と税関検査の3つです。必要なものと、手続きをそれぞれ解説します。

必要なもの
パラグアイ入国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
航空券は、パラグアイ入国日の証明になります。航空会社や旅行会社などを利用して、購入しておきましょう。


パスポート
パラグアイ入国時点で、残存有効期間が6カ月以上のパスポートが必要です。あらかじめ確認しておきましょう。


必要な手続き
パラグアイ入国に必要な手続きは以下のとおりです。

ビザ申請
パラグアイは、滞在目的が観光や商用などで滞在日数が90日以内の場合、ビザは免除されます。ただし、90日以上の滞在や、パラグアイ人の配偶者、永住目的の人はビザの取得が必要です。その場合は、まずビザなしで入国し、パラグアイ移民局でビザを申請します。該当する人は、大使館に確認するとよいでしょう。


入国審査
入国審査では、パスポートを提示し、質問されたら回答します。滞在目的や滞在日数などを聞かれたら、答えられるようにしておきましょう。陸路での入国の場合は、入国管理局で入国手続きを行い、入国記録を残す必要があります。万が一、入国審査を行わなかった場合、出国時に罰金を科せられるため注意しましょう。

また、片親で未成年の子どもと一緒に入国するのは、実子誘拐罪を問われる可能性があります。あらかじめ裁判所で許可をとっておきましょう。


税関検査
税関検査では、免税範囲外のものや、申告する必要があるものを持ち込む場合は適切に申告しましょう。例えば、動植物由来のものや生き物は申告する必要があります。また、販売目的と見なされるような、食料品等の大量の持ち込みは関税がかかる場合があるため、持ち込む前に確認しておくとよいでしょう。


出国に必要な手続き

パラグアイからの出国で必要な手続きは、出国審査やセキュリティチェック、税関検査です。出国時に必要なものや手続きは次のとおりです。

必要なもの
パラグアイからの出国に必要なものは次のとおりです。

航空券
予約した航空会社のカウンターで、航空券とパスポートを提示します。予約が確認できると、飛行機の搭乗券を発行してもらえます。チェックインは、出発の2〜3時間前に済ませておくと、時間に余裕を持って過ごせるでしょう。


パスポート
航空券と同様に、パスポートも航空会社のカウンターで提示します。本人確認が完了すると、搭乗券を発行してもらえます。


必要な手続き
パラグアイ出国に必要な手続きは以下のとおりです。

出国手続き
出国手続き時には、空港使用税を支払っていない場合は支払いをします。パラグアイから初めて出国する場合は、出国審査場で顔写真を撮影します。陸路での出国は、国境近くの県にある入国管理局へ行き、出国手続きをした上で、次の入国先で入国手続きを行いましょう。

また、片親で未成年と出国するのは、実子誘拐罪となる恐れがあるため、あらかじめ裁判所で許可を取得する必要があります。日本に帰国する場合も同様です。


セキュリティチェック
セキュリティチェックでは、機内持ち込み不可のものをX線や金属探知機で検査します。ハサミや発火の恐れがあるバッテリーも、危険物と見なされるため、注意しましょう。搭乗する人も、刃物や薬物などの危険物を持ち込んでいないか検査されます。航空法の決まりに合わせて、あらかじめ準備しておきましょう。


Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webは、日本入国時の手続きをスムーズに進めるためのシステムです。入国審査や税関検査など、必要な情報を入力すると二次元コードが発行されます。二次元コードを日本現地での手続きの際に提示するだけで、手続きが進められるためおすすめです。


Q&A

よくある質問

パラグアイへの渡航に予防接種は必要ですか?
パラグアイ入国で必須のワクチンはありませんが、本記事で紹介したワクチンは厚生労働省やWHOなどが推奨しているため、感染予防のためにもワクチン接種が望ましいです。また、ブラジル、ペルー、ベネズエラ、ボリビアから入国する場合は、イエローカード(黄熱予防接種証明書)が必要です。
パラグアイに長期滞在するなら、他のワクチンも必要ですか?
1カ月以上の長期滞在の場合は、下記のワクチンも推奨しています。

・B型肝炎(3回接種のうち、2回目は4週間後、3回目は5〜6カ月後)
・狂犬病(3回接種のうち、2回目は1週間後、3回目は3〜4週間後)
・破傷風(3回接種のうち、2回目は3〜8週間後、3回目は2回目終了から1年〜1年半後)

それぞれ、接種間隔や回数に注意して、計画的に接種しましょう。
パラグアイの医療レベルはどれくらいですか?
医療施設は都市部に集中しており、予約が取れない場合や医薬品不足の場合もあるため、旅行者は私立病院を利用する人が多いです。私立病院では、前払いやクレジットカード提示などで、支払い能力を証明してから診察に入る医院もあります。また、特殊な医療が必要な場合は、近隣へ移送しての治療になるでしょう。高額な医療費に対応するためにも、海外旅行傷害保険への加入がおすすめです。
パラグアイで病気になったらどうすればよいですか?
公立病院では対応が遅い場合もあるため、私立病院を利用する旅行者が多いです。中には日本語が話せる医師もいます。特に、重症で救急車が必要な場合は無料で利用できるものの、到着に時間を要するケースがあるため、民間搬送を利用するとよいでしょう。
パラグアイでの滞在で注意することはありますか?
パラグアイでの滞在は、日頃から下記に注意しましょう。

・加熱された食べ物や飲み物を摂取する
・暑い日は、ミネラルウォーターを飲むなど、熱中症を防ぐ
・上下水道が整備された宿泊地に泊まる
・蚊に噛まれないように、肌の露出を控え、虫除け(DEET)を利用する

滞在中は、感染症や病気にかからないように注意しましょう。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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