パプアニューギニア渡航前の推奨ワクチン
パプアニューギニアはオセアニアにある国で、大小600もの島を保有しています。日本の1.25倍ほどの国土で、天然ガスや原油などの豊富な天然資源や、コーヒーやココアなどの農作物、観光業などで経済を支えています。一方で、衛生面や医療水準は低く、私立病院での治療費は高額です。ワクチンで予防できる感染症は、渡航前に予防接種を行うことをおすすめします。パプアニューギニアの渡航前に推奨するワクチンは、A型肝炎、風疹、麻疹、水痘、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザの6種類があります。
- A型肝炎
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感染経路 A型肝炎は、人の便から排出されたウイルスが、魚介や野菜、水などに含まれて感染する病気です。 症状 衛生環境が悪く、加熱処理が十分でない場合に感染しやすい感染症です。2〜7週間の潜伏期間を経て、急な発熱、嘔吐、倦怠感などが現れ、数日後に黄疸が現れます。 ワクチンについて パプアニューギニアでは、火が通った食べ物やミネラルウォーターなどを摂取する他、ワクチンで予防することが望ましいでしょう。ワクチンは3回の摂取が必要で、2回目は2〜4週間をあけて、3回目は6カ月をあけて摂取します。
- 風疹
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感染経路 風疹は感染力の強い病気です。主な感染経路は飛沫感染です。 症状 2〜3週間の潜伏期間を経てリンパの腫れや発疹、発熱が現れます。無症状の人もいる一方で、重篤な合併症状を引き起こす人もいます。 ワクチンについて 妊婦が罹患すると難聴や眼に障害を持つ子どもが生まれる可能性もあり、ワクチンでの予防が大切です。ワクチンは、風疹と麻疹の混合ワクチンが主流で、接種間隔を4週間あけて2回接種します。
- 麻疹
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感染経路 麻疹は、はしかとも呼ばれ、接触・空気・飛沫感染で強い感染力をもって広がります。 症状 10日程度の潜伏期間を経て風邪症状が現れ、2〜3日後には高熱と発疹が見られます。 ワクチンについて 1,000人に1人が死に至るとされているため、ワクチンでの予防が大切です。ワクチンは、風疹と麻疹の混合ワクチンが一般的で、風疹と同様に接種間隔を4週間あけて2回接種します。
- 水痘
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感染経路 水痘は、水ぼうそうとも呼ばれ、接触・空気・飛沫感染で広がります。 症状 2週間程度の潜伏期間を経て、発熱や発疹が現れ、次第に水疱や膿疱へ変化し、かさぶたになって治癒します。 ワクチンについて 重症化リスクも高いため、ワクチンでの予防が大切です。すでに水痘にかかった人は不要ですが、ワクチンは4週間の接種間隔をあけて2回接種します。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルス感染症は、接触・飛沫・エアロゾル感染で感染します。 症状 潜伏期間は2〜7日とされており、発熱や喉の痛み、咳などの症状が現れる人もいれば、無症状感染者もいます。 ワクチンについて 肥満、高血圧などで重症化しやすい人もいるため、ワクチンで予防すると良いでしょう。ワクチンは、前回の接種から3カ月以上あけて接種します。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、接触や飛沫感染で感染し、短期間で流行する特徴があります。 症状 数日の潜伏期間を経て、発熱や喉の痛み、倦怠感などが現れ、数日で治まりますが、中には肺炎や脳症などを発症する人もいます。 ワクチンについて ワクチンで重症化を防ぐと良いでしょう。ワクチンは13歳以上であれば原則1回で、医師の判断で2回必要な際は4週間の間隔をあけて接種します。
各種ワクチン金額相場
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
当クリニックでは、A型肝炎ワクチン、MRワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、新型コロナ(mRNA)ワクチン、インフルエンザワクチンを取り扱っております。
パプアニューギニア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
麻疹・風疹(MR) | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹(MR) | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
A型肝炎は、3回接種で接種間隔は2〜4週間と6カ月で異なります。また、生ワクチンは、他のワクチンとの接種間隔を4週間あけなければならないため、渡航前のスケジュールに注意しましょう。
パプアニューギニアの基本情報
パプアニューギニアは、オーストラリアから北に160km程度離れた、赤道に近い自然豊な国です。旅行者から人気の国ですが、衛生状態が良いとは言えず、ミネラルウォーターを飲むのが推奨されています。パプアニューギニアの基本情報は、次のとおりです。
国名 | パプアニューギニア独立国(Independent State of Papua New Guinea) | 言語 | 英語の他、ピジン語、モツ語など/td> |
---|---|---|---|
宗教 | 主にキリスト教(祖先崇拝等の伝統的信仰も根強い) | 気候 | 高地や南岸以外は熱帯雨林気候で、1年を通して湿度が高いです。11〜4月は雨季、5〜10月は乾季で若干気温が下がります。 |
服装 | 1年を通して昼間は気温が高いため、夏服で過ごせますが、高地では長ズボンなどで夜間の冷え込みに対策しましょう。サングラス、帽子、日焼け止めなどでの日差し対策が必要です。 | 通貨 | キナ及びトヤ(補助通貨) |
チップの習慣 | チップを渡す習慣はありません | 文化 | 人を無断で撮影するとトラブルが生じる可能性があります |
時差情報 | +1時間(日本の方が1時間遅れています) | 治安情報 | パプアニューギニア 危険・スポット・広域情報 |
パプアニューギニアの渡航情報
パプアニューギニアに渡航する際は、観光を含む全ての目的でビザの取得が必要です。パスポートの残存期間や入国カードなどの取り決めもあります。
ビザ情報 | ビザ取得が必要で、観光目的の場合は6,000円で発行できます。パプアニューギニアの大使館で申請可能です。 |
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パスポートの必要有効残存期間 | 入国時から6カ月以上の残存期間と、未使用査証欄が4ページ以上必要です。 |
入国カードの記入について | 記入が求められます。現金で20,000キナ相当額の持ち込み・持ち出しは申告が必要です。 |
入国に必要な手続き
パプアニューギニアの入国に必要な手続きには、ビザ申請、入国審査、通関、動植物検疫があります。入国に必要なものや手続きの詳細は、次のとおりです。
必要なもの
パプアニューギニアの入国で必要なものは次のとおりです。
入国カード
パプアニューギニアの入国には、入国カードが必要です。飛行機内で配布される入国カードに記入します。免税枠を超えるものや、20,000キナ相当額を超える現金を持ち込む場合は、入国カードに明記しましょう。入国カードは、入国審査で提示します。
パスポート
パスポートは、身分証明書として大切なものです。飛行機のチェックインや入国審査、滞在中などで身分証明が必要な際に利用します。入国時から6カ月以上の有効残存期間と、未使用査証欄4ページ以上が必要なため、確認しておきましょう。
往復航空券
往復航空券は、ビザを取得する際や、航空カウンターでチェックインする際に必要です。あらかじめ航空券を取得してビザを発行します。航空券は、パプアニューギニアの出国日を証明するためにも大切なので、入国審査時に提示できるように準備しておくと良いでしょう。
必要な手続き
パプアニューギニアの入国に必要な手続きは、次のとおりです。
ビザ申請
パプアニューギニアの入国には、ビザの取得が必要です。確実に入国するためにも、入国前に取得しておくと良いでしょう。下記の資料を大使館に提出することで発行できます。
- 申請用紙(大使館のホームページでダウンロード可能)
- 顔写真(3カ月以内・5cm×5cm・カラー)
- ビザの料金(観光ビザは6,000円、商用ビザは36,000円〜)
- 往復航空券
- パスポート(入国時からの有効残存期間が6カ月以上、未使用査証欄4ページ以上)
- そのほか必要書類
詳細はパプアニューギニア駐日大使館のホームページにて確認できます。出発予定日に間に合うように、余裕を持って申請しましょう。
入国審査
入国審査では、パスポートや入国カードを提示します。滞在目的や滞在日数など、聞かれた質問に答えられるように準備しておきましょう。
通関
通関では、免税範囲外のものや申告が必要なものを正しく申告します。パプアニューギニアでは、個人利用で開封されているカメラやパソコンなどは問題ないですが、未開封の場合は免税範囲に含まれません。持ち込む荷物について、あらかじめ申告が必要かどうか調べておくと良いでしょう。
動植物検疫
パプアニューギニアの生態系を維持する目的で、動植物の持ち込みが厳しく制限されています。持ち込み及び持ち出しが禁止とされているのは、犬、猫、小動物、鳥、鳥の巣、種子、乳製品など、多岐にわたります。製品化されているビスケットやコーヒー、加工された木工品など、申告をすれば持ち込めるものもあるため、該当するか調べておきましょう。
出国に必要な手続き
パプアニューギニアの出国には、チェックイン、出国審査、通関、動植物検疫などがあります。出国時に必要なものや手続きの詳細は、次のとおりです。
必要なもの
パプアニューギニア出国時に必要なものは、次のとおりです。
航空券
航空券は、出発時点で往復分を用意しておく必要があります。パプアニューギニア出国のために、航空会社のカウンターでチェックインする際や出国審査時に、提示しましょう。
パスポート
パスポートは、航空会社でのチェックインや出国審査で必要です。海外での身分を証明するものでもあるため、出国手続きの際は、提示しやすいように持っておくと良いでしょう。
必要な手続き
パプアニューギニア出国時に必要な手続きは、次のとおりです。
チェックイン
予約した航空会社のカウンターで、チェックインを済ませます。パスポートや航空券を提示すると、搭乗券を発行してもらえます。自動機械でチェックインを済ませられる場合もありますが、2〜3時間前には済ませて時間に余裕を持ちましょう。
出国審査
出国審査では、パスポートや航空券を提示します。20,000キナ相当額の現金の持ち出しや、免税範囲外のもの、持ち出し禁止のものは、正しく申告しましょう。空港に着く前に、申告が必要なものを把握しておくことをおすすめします。
通関
免税枠は、1人あたり1,000キナ相当の未使用品や、アルコール2リットルなど、決められています。前述したように、免税枠を超える場合は申告しましょう。
動植物検疫
パプアニューギニアから出国する際は、生態系維持の目的で動植物の持ち出しも禁止されています。原料に卵が含まれる食品や果物などは持ち込みできない可能性があるので、あらかじめ調べておくと良いでしょう。
Q&A
よくある質問
- パプアニューギニアに長期滞在する場合、推奨されるワクチンはありますか?
- パプアニューギニアに1カ月以上の長期滞在をする場合、次のワクチンも推奨されています。
・B型肝炎:4週間間隔で2回、初回から20〜24週間後に3回目を接種
・狂犬病:1週間間隔で2回、初回から3〜4週間あけて3回目を接種
・破傷風:3〜8週間あけて2回、3回目は2回終了後に1年〜1年半あけて接種
接種タイミングに気をつけて、計画を立てましょう。
- パプアニューギニアでは蚊に噛まれないように注意すべきですか?
- 蚊を媒介とするマラリアやデング熱のリスクがあるため、虫除けスプレーや露出を控えた服などで対策することが必要です。
- パプアニューギニアの滞在で注意すべきことはありますか?
- 滞在時には、病気の予防のためにも以下の点に気をつけましょう。
・蚊に刺されないように露出を控え、エアコンやファン、虫除けスプレーなどを利用する
・加熱された食べ物やミネラルウォーターなどを摂取する
衛生状態が良いレストランを選ぶなど、摂取するものには気をつけましょう。
- パプアニューギニアの医療体制は?
- 医療水準は低く、悪性腫瘍のような高度な医療は、対応が難しいです。応急処置程度の医療提供のため、手術が必要な場合は、国外へ移送されます。また、2014年より開始した公立病院の無料化により、公立病院は待ち時間が非常に長く、やむなく私立病院を受診する人もいます。私立病院は高額な治療費を求められ、入院時は10〜50万円となる可能性もあるため、海外旅行保険への加入がおすすめです。
- パプアニューギニアの治安について教えてください。
- 武装集団「ラスカル」をはじめ、強盗や殺人、性犯罪などが発生しています。警官へのなりすまし犯罪もあるため、単独行動や日没後の外出を避けるなどの注意が必要です。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。