パレスチナ渡航前の推奨ワクチン

西アジアにあるパレスチナは、レバノン・シリア・ヨルダン・エジプトに囲まれた地域です。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地でもあるパレスチナで推奨されるワクチンは、A型肝炎・麻疹・風疹・破傷風・狂犬病・腸チフスなどのワクチンです。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、A型肝炎ウイルスが原因で起こる病気です。A型肝炎の主な感染経路は、汚染された食べ物・飲み物の摂取が挙げられます。
症状 性行為や輸血による血液感染もあります。A型肝炎の主な症状は、急な発熱・全身の倦怠感・嘔吐・筋肉痛などです。
ワクチンについて ワクチン接種は、3回行います。1回目の接種後2週間〜4週間の間隔で2回目、3回目の接種は2回目のワクチンから6カ月後です。
麻疹
感染経路 麻疹ははしかとも呼ばれる、ウイルスの中でも最も感染力が強い感染症です。飛沫や接触による感染はもちろん、感染者と同じ空間にいるだけでも感染します。さらに、感染しても発症しないケースはほとんどありません。
症状 麻疹には、風邪のような症状が出るカタル期と、高熱や発疹などが見られる発疹期があります。発疹は、首筋や耳の後ろ、顔面など広範囲に見られます。
ワクチンについて ワクチン接種は2回で、4週間間隔です。ワクチンは、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチンを接種するのが主流です。
風疹
感染経路 風疹は、風疹ウイルスが原因の病気です。風疹の主な感染経路は、飛沫感染、接触感染があります。
症状 風疹の主な症状は、発疹や発疹・倦怠感・リンパ節の腫れなどです。多くの場合は3〜5日間で回復しますが、2,000人~5,000人に1人の割合で重症化するリスクがあります。
ワクチンについて ワクチン接種は2回で、1回目と2回目の間隔を4週間空けます。
破傷風
感染経路 破傷風は、土や糞に含まれる破傷風菌が傷から体内に侵入して起こる深刻な病気です。
症状 感染すると筋肉が硬直し、死に至ることもあります。他人に移ることはありません。症状としては筋肉の痙攣やこわばり、頭痛があり、口が開けにくくなる開口障害が特徴的です。飲み込むことができなくなり、頭から背中にかけて弓のように反り返ることもあります。
ワクチンについて 予防接種は初回から3~8週間後に2回目、2回目から6カ月後以降(12ヵ月~18ヵ月後推奨)に3回目を受けるのが望ましいです。
狂犬病
感染経路 狂犬病は犬やネコ、コウモリなどの動物が持つウイルスによって引き起こされる恐ろしい病気です。動物に噛まれたり、引っ掻かれたりした傷からウイルスが侵入すると感染します。
症状 発症するとほとんどの場合は死に至る病気です。感染から1~3カ月で症状が出始め、風邪のような症状に加えて、傷の部分に痛みやしびれがあります。その後は興奮や不安、錯乱、幻覚、水恐怖などの神経症状が出て、意識を失って呼吸停止になります。動物に噛まれた場合は、すぐに傷を洗浄し、医療機関でワクチンを接種しましょう。
ワクチンについて 暴露後は、予防接種を受けたことがある場合は2回、ない場合は5回の接種が必要です。
腸チフス
感染経路 腸チフスはサルモネラ菌の一種が原因で、感染者や回復者の排泄物で汚れた水や食物を摂取することで感染します。さらに、感染源となる人や物に接触すると、感染リスクが高まります。
症状 感染後1~3週間で発症し、高熱や頭痛、倦怠感などが現れます。発熱時には胸や背中、腹部に発疹が出たり、便秘になったりします。重症化すると腸からの出血や穿孔が起こる可能性があるので注意が必要です。
ワクチンについて 予防接種は渡航の2週間前までに受ける必要があります。効果は2~3年持続するので、その期間が過ぎたら再接種しましょう。

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各種ワクチン金額相場

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
狂犬病ワクチン 1万5,000〜2万円/回
腸チフスワクチン 1万円前後/回

当クリニックでは、A型肝炎ワクチン・MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン・破傷風ワクチン・狂犬病ワクチン・腸チフスワクチンを取り扱っております。

パレスチナ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
麻疹・風疹(MR) 生ワクチン 初回 2回目
破傷風 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目(2回終了後1年〜1年半)
狂犬病 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
腸チフス(輸入) 不活化ワクチン 初回
病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹(MR) 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
12ヶ月 3回目(2回終了後1年〜1年半)
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病名 ワクチンの種類
狂犬病 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間 2回目
2週間 3週間 3回目
4週間 3回目 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
腸チフス(輸入) 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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※2回目の接種間隔に関しては、A型肝炎ワクチンが2週間~4週間、MRワクチン、破傷風ワクチンは4週間です。ワクチンの種類によって待機期間が異なるため、予防接種は計画的に進めることが重要です。

 

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パレスチナの基本情報

西アジアに位置するパレスチナは、レバノン・シリア・ヨルダン・エジプトに囲まれた地域です。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地でもあるパレスチナの日本との時差は、7時間となっています。パレスチナの宗教や服装などは、以下のとおりです。

国名 パレスチナ(Palestine) 言語 主としてアラビア語
宗教 イスラム教(92%)、キリスト教(7%)、その他(1%) 気候 基本的に暑く乾燥しています。非常に乾燥しているため、朝晩は冷え込みます。
服装 ・冬は冷え込むため、厚手のジャケット・マフラーなどの防寒着を用意しておきましょう。
・冬以外は朝晩に羽織れるもの、帽子やサングラスがあると便利です。
通貨 シェケル
チップの習慣 基本的にレストランやホテルなどサービス料金が含まれている場合は不要です。 文化 料理はオリーブが多用されていたり、トルコの影響を受けていたりするのが特徴です。
時差情報 パレスチナは、-7時間(日本の方が7時間進んでいます)
サマータイムの間は、-12時間(日本の方が12時間進んでいます)
治安情報 パレスチナ 危険・スポット・広域情報

パレスチナの渡航情報

パレスチナに渡航する際、日本のパスポートを所有していて、かつ条件を満たせばビザを取得せずに入国が可能です。パレスチナのビザ情報や滞在登録などは、以下のとおりです。

ビザ情報 営利目的の場合は取得の必要があります。観光目的で、かつ90日以内の滞在であればビザの取得は不要です。
パスポートの必要有効残存期間 パレスチナ入国時に6カ月以上の期間が必要です。
入国カードの記入について 出入国カードを記入する必要があります。

入国に必要な手続き

パレスチナに入国するときに必要な手続きは、入国審査と税関検査の2つです。

必要なもの
パレスチナへの入国審査で必要なものは、以下のとおりです。

航空券
航空券が必要です。航空券は、航空会社や専門会社などを介して購入してください。


パスポート
パレスチナへの渡航は、残存有効期間が6カ月以上のパスポートが必要です。また、査証欄の余白は2ページ以上必要です。


ビザ
パレスチナは観光目的で滞在日数が90日以内であれば、ビザの取得が不要です。


入国カード
空港から入国すると、入国カードが発行されます。旅行中は必ず携帯するようにしてください。


必要な手続き
パレスチナ入国に必要な手続きは、以下のとおりです。

ビザ申請
パレスチナ渡航の際、滞在日数が91日以上の場合はビザの取得が必要です。


入国審査
入国審査では、パスポートや航空券に不備がないか確認されます。なお、イスラエルのスタンプがあると、イラク・レバノン・リビア・サウジアラビア・スーダン・シリア・イエメン・ソマリア・イランに入国できない可能性があります。イスラエル渡航後にこれらの国に行く方は、注意が必要です。他には渡航の目的や宿泊先、スタンプを押さない理由などを聞かれるため、しっかりと答えましょう。


税関検査
パレスチナの税関検査では、課税対象となるものが持ち込まれていないか、危険物がないかなどを確認されます。無線電話や生肉、レーザー機器等などの持ち込みは禁止です。税関検査は厳しい傾向にあるため、時間に余裕を持って行動しましょう。


出国に必要な手続き

パレスチナの出国手続きは、出発の3時間前を目安に到着しましょう。セキュリティチェックに時間を要することがあるため、早めの行動が大切です。

必要なもの
パレスチナ出国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
航空会社のカウンターにて、日本とパレスチナ間の航空券、パスポートの提示をする必要があります。パスポートと航空券に問題がなければ、飛行機の搭乗券が渡されます。


パスポート
航空券を受け取るときは、パスポートの提示が必要です。


必要な手続き
パレスチナの出国に必要な手続きは、以下のとおりです。

セキュリティチェック
セキュリティチェックでは、所有している荷物を係員に見せて、危険物や課税対象となるものがないかを確認されます。そのため、預ける荷物には施錠をしないことをおすすめします。これは、検査のために鍵が破壊される可能性があるためです。また、危険物がない場合でも、セキュリティチェックで想定外の時間を要する可能性があります。時間に余裕を持って、行動するようにしましょう。


搭乗手続き
セキュリティチェックで問題がなければ、利用する航空会社にパスポートと搭乗券を提示して、飛行機に搭乗します。あらかじめ手元に準備しておくと、スムーズに搭乗ができます。


Q&A

よくある質問

パレスチナ渡航ではワクチン接種は義務化されていますか?
パレスチナ渡航で義務化されているワクチンはありません。また、ワクチン接種の証明書も不要です。
パレスチナ渡航前に接種するべきワクチンはありますか?
パレスチナで義務化されているワクチンはありませんが、A型肝炎ワクチン・MR(麻疹・風疹の混合)ワクチンなどの接種が推奨されています。
パレスチナ渡航で気を付けるべきことはありますか?
パレスチナでは安全な飲み物を手に入れることが難しく、感染症が流行る可能性もあります。現地ではミネラルウォーターを飲むようにし、渡航前は予防接種を検討しましょう。
パレスチナ渡航でビザは必要ですか?
日本のパスポートを所有していて、90日以内の滞在であれば、ビザの取得は不要です。
パレスチナで気を付けるべき病気はありますか?
狂犬病に注意が必要です。動物に嚙まれたり、引っ掻かれたりすると、感染する可能性があります。野生動物との接触は避けてください。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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