パキスタン渡航前の推奨ワクチン

パキスタンは東に長い国境線でインドと接し、西と北にはアフガニスタン、南西にイラン、北東では中国と国境を接しています。パキスタンへの渡航前には、A型肝炎、麻疹、風疹、水痘、新型コロナウイルス、インフルエンザなどのワクチン接種が推奨されています。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、加熱処理されていない食品や水を通して感染し、アジア、アフリカ、中南米に広範囲に分布しています。
症状 感染から2~7週間後に症状が現れ、発熱、疲労感、食欲減退、吐き気、嘔吐、そして黄疸が特徴的な症状として現れます。特に成人や高齢者では症状が出やすく、重篤化するおそれもあるため注意が必要です。
ワクチンについて ワクチンは2~4週間の間隔で2回、そして約半年後に3回目を接種することで、5年間の免疫が得られると言われています。
麻疹
感染経路 麻疹(はしか)は、空気感染、飛沫感染、接触感染により人から人へと広がる、感染力が極めて強力な急性感染症です。
症状 主な症状は、発熱、咳、鼻水、結膜充血、そして発疹が挙げられます。まれに肺炎や脳炎を引き起こすことがあり、先進国でさえも患者1,000人につき1人が死亡すると報告されています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ確実に発症しますが、一度発症すれば生涯にわたって免疫が持続すると考えられています。
ワクチンについて 麻疹に罹患した経験がない、ワクチン接種を受けていない、または接種状況が不明な場合には、2回のワクチン接種が望まれており、接種間隔は4週間です。
風疹
感染経路 風疹の感染経路は、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染や、直接に人と人とが接触することで広がります。
症状 風疹は感染力が強い急性のウイルス感染症であり、発熱、発疹、リンパ節の腫れを引き起こすのが特徴です。感染すると、約2~3週間後に症状が出現しまし、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を引き起こすことがあります。子どもは比較的軽度な症状ですが、大人の場合は症状が長期化し激しい関節痛を伴うこともあります。また、妊娠初期に感染すると、新生児が先天性風疹症候群(難聴、白内障、心臓疾患など)を持って生まれる可能性があるため、注意が必要です。
ワクチンについて ワクチン接種1回で95%、2回接種で99%の割合で風疹ウイルスに対する免疫を獲得できるとされ、4週間の間隔で2回接種することが推奨されています。
水痘
感染経路 空気感染、飛沫感染、接触感染を通じて人から人へと広がり、感染からおよそ2週間の潜伏期間を経た後に症状が出現するのが特徴です。
症状 発熱の後に発疹が現れ、発疹は水疱を形成し、最終的にはかさぶたとなり治癒するとされています。水痘は主に小児に見られる疾患ですが、大人が感染すると重篤化するおそれもあるため注意が必要です。
ワクチンについて 水痘の予防策としてはワクチンが有効で、4週間の間隔をあけて2回接種することが推奨されています。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、感染者の咳やくしゃみによる飛沫やエアロゾルを吸い込むこと、または直接接触することにより感染します。
症状 主に発熱や咳などの症状が見られます。なかには無症状の場合もありますが、持病がある人は重症化しやすいためワクチン接種が推奨されます。
ワクチンについて 持病のある人や重症化するおそれのある人は、予防策としてワクチン接種を受けることが望まれます。前回の接種から3カ月後には、追加のワクチン接種が可能となります。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、飛沫や直接接触で伝播する感染症です。
症状 インフルエンザは、一般的な風邪の症状(喉の痛み、鼻水、咳など)に加え、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感などの症状が急速に現れます。高齢者や免疫力が低下している場合は、二次的な肺炎を伴うなど重篤化するおそれもあるため注意が必要です。
ワクチンについて 日本では12〜4月にかけて流行し、特に感染者が最も多いのは1月の終わりから3月の始めです。そのため、予防接種は12月半ばまでに受けることが推奨されています。

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各種ワクチン金額相場

感染症を予防するための各種ワクチンの接種料金の相場は以下のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回

当クリニックでは、A型肝炎ワクチン、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)を取り扱っております。

パキスタン航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 3ヶ月 6ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目

病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 3カ月
6カ月 3回目
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 3カ月 2回目
6カ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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パキスタンの基本情報

パキスタンの文化や気候などの基本情報は以下のとおりです。

国名 パキスタン・イスラム共和国 言語 ウルドゥー語(国語)、英語(公用語)
宗教 イスラム教(国教) 気候 ●パキスタンは亜熱帯気候であり、4〜9月までは最高気温が40度を超える日が多く、ときには50度を超えることもあります。
●7~8月は高温多湿の雨季で、10月になると気温は徐々に下がり、過ごしやすい気候になります。
●11〜3月は冬季で、日中の気温は20度近くになるものの、夜間は0度近くまで下がります。
服装 ●男性は膝を覆う長さのズボンを着用するようにします。
●女性は肌の露出を避け、体の形が強調される服装も控え、場所によっては頭髪を覆う必要があるためスカーフなどを持参することをおすすめします。
通貨 パキスタン・ルピー
チップの習慣 チップは、ホテルやレストランのサービス提供者だけでなく、買い物時に荷物運びを手伝う人にも20ルピー程度を渡す習慣があります。枕銭は100ルピー、ポーター150ルピー、レストランでは食事代の10%が目安です。 文化 ●イスラム教が国教であり、イスラム教への冒涜は避けなければなりません。
●モスク(イスラム教の寺院)を訪れる際には靴を脱ぎ、肌を露出しない服装にするなど、神聖な場所を尊重する行動を心掛ける必要があります。
●女性は一人での行動をなるべく避け、外出するときは肌を露出しない服装を選びましょう。
●飲酒は禁止です。
時差情報 −4時間 治安情報 パキスタン 危険・スポット・広域情報

パキスタンの渡航情報

ビザ情報 日本人がパキスタンに入国するためにはビザが必要です(2021年2月から全てのビザ申請がオンラインで行われています)。
パスポートの必要有効残存期間 入国時に6カ月以上の残存期間が必要です。
入国カードの記入について 必要です。

入国に必要な手続き

ここではパキスタンへの入国に必要なものと手続きについて説明します。

必要なもの

ビザ
2021年2月から、パキスタン入国にはオンラインでのビザ申請が必須となり、日本人を含む全旅行者にビザが求められます。


航空券
パキスタンと日本間の航空券の購入が必要です。航空券は、旅行会社や専門会社を介して手配します。


パスポート
パキスタン入国時に6カ月以上の残存期間のあるパスポートが必要です。


必要な手続き

外貨申告
現地通貨であるパキスタン・ルピーは、1万ルピーまで(インドからの場合は3,000ルピーまで)持ち込むことが可能です。また、1万米ドル相当以上の外貨を入国時に持ち込む際には、WeBOC(Web Based One Customs)によるオンライン申告が必要です。


通関
わいせつ物(ポルノ雑誌やDVDなど)、麻薬など違法薬物、各種武器、アルコール飲料の持ち込みが禁止されています。


出国に必要な手続き

一般的にチェックインは出発の2時間前から始まるため、余裕を持って空港に到着するようにしましょう。

必要なもの

航空券
帰路に利用する航空会社にカウンターで航空券とパスポートを渡し、飛行機の搭乗券を受け取ります。


パスポート
航空会社のカウンターで搭乗券を受け取る際に、パスポートを提示します。


必要な手続き

搭乗手続き
チェックインカウンターの列に並び、搭乗手続きに臨みます。航空券とパスポートを提出し、荷物を預けて搭乗券を受け取ります。その後、係員に搭乗券を見せてセキュリティチェックを通過します。


外貨申告
出国時は、以下の額までの外貨の持ち出しが可能とされています。
●18歳以上:1回にあたり1人5,000米ドル相当で年間3万米ドル相当
●18歳未満:1回あたり1人2,500米ドル相当で年間1万5,000米ドル相当


通関
骨董品や美術品の無許可国外持ち出し、絶滅危惧種の毛製「シャトゥーシュ」の持ち込み・売買、銃火器に似た玩具の携行は禁止されています。なお絨毯は税番号入り領収書が必要です。


Visit Japan Webの準備
日本への入国時に税関申告、入国審査、および検疫手続きをオンラインで行えるサービスです。事前にウェブサイトで税関申告情報を登録しておき、日本到着後は電子申告端末にQRコードを提示するだけで申告が完了します。


Q&A

よくある質問

パキスタン入国時に義務化されているワクチン接種はありますか?
入国に必要な予防接種は指定されていませんが、4週間以上の滞在者に対しては、出国時にポリオ予防接種記録の提示を求めています。
パキスタンでの予防接種について、どこに掲載されていますか?
厚生労働省のホームページで推奨されているワクチンの種類が確認できます。また、外務省のホームページでは、現地でのワクチン接種に関する情報が掲載されています。
パキスタンの医療事情はどうですか?
イスラマバード、ラワルピンディ、ラホールには公立・私立病院がありますが、公立は混雑しており設備不足、私立は清潔で設備が整っていますが、文化差により日本と同じサービスは期待できません。また重篤な場合は海外移送が必要なため、海外旅行傷害保険への加入が推奨されます。なお、私立病院では英語が通じますが、日本語サービスはありません。
水道水は飲めますか?
水道水に細菌、ウイルス、寄生虫、重金属などの汚染があり、衛生的に良いとされるイスラマバード市内でも上水道の汚染率が高いことが指摘されています。さらに、市場で販売されるミネラルウォーターやソフトドリンクにも細菌が混入している可能性もあるため、注意が必要です。
気をつけるべき感染症は?
さまざまな消化器系感染症が存在し、その中には細菌やウイルスによる感染性胃腸炎、腸チフス、アメーバ赤痢、細菌性赤痢、コレラ、A型肝炎、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)、食中毒などが含まれます。 ポリオやデング熱も流行しており、カラチ周辺では日本脳炎の発生が報告されています。また、標高2,000m以下の地域全体では、一年を通じて熱帯熱マラリアと三日熱マラリアのリスクがあります。 さらに、ダニによるクリミア・コンゴ出血熱が流行している地域でもあるため、蚊対策と同時にダニ対策も必要です。また、狂犬病の患者が多い国で、大都市にも野犬や放し飼いの犬が存在し、狂犬病の予防接種を受けている犬はほとんどいません。そのため、野犬や野良猫を含む動物に対しては、触ったり近づいたりしないように注意が必要です。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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