北マケドニア渡航前の推奨ワクチン

南ヨーロッパの北マケドニアはバルカン半島のほぼ中央に位置する国です。短期滞在時は麻疹・風疹・水痘・インフルエンザ・新型コロナワクチンのワクチン接種が推奨されます。1カ月以上の長期滞在では、上記に加えA型肝炎・B型肝炎・破傷風のワクチン接種も推奨されています。

麻疹
感染経路 麻疹は、麻疹ウイルスが原因の急性全身感染症です。感染力が非常に強く、空気感染・飛沫感染・接触感染により人から人に広がる点が特徴です。
症状 感染すると風邪のような症状が続いた後、39℃以上の高熱とともに発疹が現れ、場合によっては脳炎などを引き起こし重症化することもあります。
ワクチンについて 過去の罹患歴や予防接種の有無が不明な人にワクチン接種が推奨されます。接種回数は2回で、1回目の4週間後に2回目を接種します。
風疹
感染経路 風疹は、風疹ウイルスにより起こる急性発疹性感染症で、感染力が非常に強く人から人と伝播します。
症状 主症状は全身に広がる小さな赤い発疹で、38℃前後の発熱やリンパ節の腫れを伴う点が特徴です。成人が罹ると発疹自体が長引くなる上に重症化しやすいため注意しましょう。
ワクチンについて 過去の罹患歴や予防接種の有無が不明な人にワクチン接種が推奨されます。接種回数は2回で、1回目の4週間後に2回目を接種します。
水痘
感染経路 水痘(みずぼうそう)は、水痘・帯状疱疹ウイルスにより発症する発疹性の病気で、空気感染・飛沫感染・接触感染により広がります。
症状 大人が感染するとだるさやニキビなどの初期症状の後、発熱と痛みのある水ぶくれが現れます。小児よりも重症化しやすく、肺炎や肝炎などの合併症に発展しやすくなります。
ワクチンについて 罹患歴・予防接種歴が不明な人にワクチン接種が推奨されます。接種回数は2回で、1回目の4週間後に2回目を接種します。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は正式名称を「COVID-19」といい、SARS-CoV-2とその変異株が原因で発症する感染症です。飛沫などで人から人に感染し、特に密閉・密集・密接された空間で拡大しやすいです。
症状 風邪様症状や発熱、味覚障害など症状には個人差があり、健康な人でも稀に重症例や死亡例もあるため注意しましょう。
ワクチンについて 海外渡航時はワクチン接種が推奨され、1回目の接種以降は前回の接種完了から3カ月以上空けると追加接種できます。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザはA型・B型・C型のインフルエンザウイルスを原因とする気道感染症で、毎年世界中で流行します。飛沫や接触により感染が広がります。
症状 感染すると38℃を超える高熱や筋肉痛、上気道炎症状が急激に進行する点が特徴です。重症化すると肺炎になり死亡するリスクが上がるため、海外渡航時は罹患歴に関わらずワクチン接種が推奨されます。
ワクチンについて インフルエンザワクチンの接種回数は、原則として13歳以上は1回、13歳未満は2回です。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる、一過性の感染症です。感染者の糞便にウイルスが存在するため、経口感染の他、性交時の感染もあります。
症状 全身倦怠感と発熱に続き、食欲不振などの消化器症状、黄疸などの肝機能症状を主症状とし、年齢が上がるほど重症化リスクが上がる傾向があります。
ワクチンについて 長期滞在者や抗体保有率の低い70歳以下にワクチン接種が推奨されます。ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種し、渡航先に6カ月以上滞在する場合は6カ月目に3回目を接種します。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎はB型肝炎ウイルスにより起こる、肝臓の感染症です。感染者の血液や体液を介して広がるため、成人は不衛生な器具による医療行為や性行為などが感染経路です。
症状 1~6カ月の潜伏期間の後、全身倦怠感や黄疸などの症状が出現し、最悪の場合劇症肝炎を発症し死亡します。
ワクチンについて 長期滞在者や他人の血液・体液に触れる可能性のある人にワクチン接種が推奨されます。ワクチンは3回接種で、1回目の4週間後に2回目、5~6カ月後に3回目を接種します。
破傷風
感染経路 破傷風は破傷風菌が生産する神経毒素が原因の神経疾患です。破傷風菌は世界中の土壌に存在するため、年間100万人が発症し30万~50万人が死亡しています。
症状 感染すると開口障害が生じ、最終的には全身の筋肉が硬直し死亡することもあるため危険です。
ワクチンについて ワクチン接種は、長期滞在やケガが予想される旅行をする方に推奨されます。12歳のときに定期予防接種を受けていれば、20代前半位までは免疫があります。その後は1回の追加接種で約10年間有効な免疫を獲得できるため、状況に応じて検討しましょう。

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各種ワクチン金額相場

ワクチン名 相場価格/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000〜8,000円/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回

北マケドニア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
麻疹・風疹(MR) 生ワクチン 初回 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 初回 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
破傷風 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目(2回終了後 1年~1年半)
病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹(MR) 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
12~18ヶ月 3回目(2回終了後 1年~1年半)
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生ワクチンは接種後4週間経つまで、他のワクチンが接種できません。スケジュール管理に注意が必要です。

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北マケドニアの基本情報

北マケドニアの基本情報は以下のとおりです。

国名 北マケドニア共和国(Republic of North Macedonia) 言語 マケドニア語、アルバニア語
宗教 マケドニア正教(キリスト教)7割、イスラム教3割 気候 海岸部は夏が暑く乾燥し最高気温が40℃に達することもあります。一方、冬は穏やかで降雪もほとんどありません。山岳部の夏は爽やかなものの、冬は大雪に見舞われます。
服装 渡航地に適した服装を選ぶ他、観光地も足場の悪いところがあるため、歩きやすい靴が必要です。

通貨 マケドニア・デナール
チップの習慣 必須ではないものの、サービスが良いときは渡すとよいでしょう。レストランでは合計金額の10%程度が相場です。 文化 自然遺産や古城、教会などが立ち並ぶ美しい街です。料理はトルコやギリシャの影響を受けている点も特徴です。
時差情報 日本との時差は-8時間です。サマータイム時は-7時間です(3月最終日曜~10月最終土曜)。 治安情報 北マケドニア共和国 危険・スポット・広域情報

北マケドニアの渡航情報

ビザ情報 非営利活動目的(観光など)で3カ月以内の滞在ではビザが免除されます。
パスポートの必要有効残存期間 出国予定日から3カ月以上必要です。
入国カードの記入について 入国カードの記入は不要です。

入国に必要な手続き

北マケドニア入国時に必要な持ち物や手続きを解説します。

必要なもの
パスポートや航空券、現地で利用するユーロを事前に準備しましょう。

航空券
日本・北マケドニア間の直行便はないため、経由便を探して手配しましょう。


パスポート
パスポートは残存有効期間が北マケドニアからの出国予定日から3カ月以上必要です。事前に確認しましょう。


ユーロ
日本円から現地通貨への両替はできないため、ユーロの持参が必要です。なお、ユーロであればそのまま使うこともできます。


クレジットカード
主要都市のホテルや商店街では、クレジットカードも利用できます。VISAやMASTERカードなどの国際カードを持参するとよいでしょう。


必要な手続き
通常の旅行であれば北マケドニア入国時に必要な手続きはほとんどありません。

ビザ申請
営利活動のための渡航や、3カ月を超える滞在の場合、事前にビザを取得する必要があります。


外貨の持ち込み
外貨1万ユーロ相当額以上を持ち込むときは申告が必要です。


税関検査
職業上必要な物品を持ち込むときは、日本で「物品の一時輸入のための通関手帳」(ATAカルネ)を事前に取得し、税関検査に申告する必要があります。ATAカルネの詳細は以下を確認してください。
ATAカルネ: https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/atacarnet.htm


出国に必要な手続き

北マケドニア出国時に必要な持ち物や手続きを解説します。

必要なもの
パスポートと帰りの航空券を準備しましょう。

航空券
片道で予約したときは、帰りの航空券を早めに手配しましょう。


パスポート
滞在期間を延長したときは、残存有効期間が6カ月以上あるか念のため確認しましょう。


必要な手続き
出国時も旅行などであれば特別な手続きは必要ありません。日本入国時は、Visit Japan Webに登録しておくとスムーズです。

両替証明書の取得
出国時にマケドニア・デナールを外貨に両替するときは、滞在中に外貨をマケドニア・デナールに両替した証明書の取得が必要です。


Visit Japan Webへの登録
Visit Japan Webとは、入国手続オンラインサービスのことで事前登録により入国審査・税関申告を簡略化できるサービスです。登録内容は二次元コードで表示されるため、スマートフォンやタブレットの用意も必要です。詳しい内容は以下を確認してください。
Visit Japan Web:https://vjw-lp.digital.go.jp/ja/


Q&A

よくある質問

北マケドニア国内で予防接種は受けられますか?
現地でもワクチン接種が可能です。医療機関等については外務省の以下の資料を確認してください。
ワクチンで予防できる病気以外に気を付ける病はありますか?
首都スコピエは欧州でも特に大気汚染指数が高いため注意が必要です。また、夏場は脱水症や熱中症の他、生ものが原因のサルモネラ感染症や感染性胃腸炎に罹ることがあります。
現地の医療事情は?
近隣国より良好なため特に問題なく受診できます。ただし、医療従事者はマケドニア語しか話せないことがあります。また、外国人の医療費は非常に高額なため海外旅行傷害保険等への加入を推奨します。
北マケドニアで英語は通じますか?
観光地や都市部では英語が通じるものの、精通している訳ではありません。基本的なマケドニア語も理解しておくとよいでしょう。
北マケドニアの治安は良好ですか?
比較的治安が良いものの、観光客を狙ったスリやひったくりなどの軽犯罪があります。また、タクシーのぼったくりも多いため、利用するときはホテルのフロントから手配してもらいましょう。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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海外出張の際に必要な持ち物リスト。持って行った方が良いものは?

Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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