マルタ渡航前ワクチン（予防接種）や注意すべき感染症

マルタ渡航前の推奨ワクチン

マルタはイタリアのシチリア島の南にある国で、首都はバレッタです。地中海に浮かぶ小さな島国で、美しい海や豊かな文化、食文化が魅力です。マルタは、バカンスで訪れるところとして人気のある国でもあります。マルタ渡航で推奨されるワクチンは、麻疹・風疹・水痘・新型コロナウイルス・インフルエンザなどです。

麻疹

感染経路	麻疹は、はしかとも呼ばれるもので、非常に感染力の強い感染症です。その感染力は、麻疹に感染した人と一緒の空間にいるだけでも、感染すると言われているほどです。マスクや手洗いうがいなどで予防することはできません。さらに、麻疹に感染するとすべての人が発症します。主な感染経路は、空気感染です。空気感染は、感染者が咳やくしゃみをして、空気中に含まれたウイルスを吸い込むことで起こります。
症状	麻疹の潜伏期間は、約10日です。発症すると、38度程度の熱が出ます。そして熱が続いた後は、顔面や四肢に麻しん特有の赤い発疹が見られます。
ワクチンについて	ワクチン接種の回数は2回で、4週間間隔で行います。ワクチンは、原則MR（麻疹・風疹の混合）ワクチンです。

風疹

感染経路	風疹とは、風疹ウイルスに感染して起こる感染症です。1人の風疹患者から、5人～7人に移すほどの強い感染力があり、主な感染経路は飛沫感染です。
症状	風疹の症状は感染しても症状が出ないものから、合併症で重症化するケースまであります。成人が発症すると小児よりも重症化する傾向にあり、関節痛や高熱などが長引きます。入院加療が必要になるケースもあり、注意が必要です。
ワクチンについて	風疹を予防するには、予防接種が効果的です。ワクチンの接種回数は2回で、4週間間隔で行います。ワクチンは2種類ありますが、主に接種されているのはMR（麻疹・風疹の混合）ワクチンです。

水痘

感染経路	水痘とは、いわゆるみずぼうそうのことです。水痘の感染力は麻疹よりも弱いものの、風疹よりは強いとされています。家庭内接触での感染率は、90％とのデータもあります。多くの場合は重症化しませんが、重症化した場合は死亡する可能性もあります。
症状	主な感染経路は、飛沫感染・空気感染・接触感染です。水痘に感染すると、発疹が生じる1日～2日前に軽度の発熱・倦怠感・食欲不振などが見られます。初期症状後は、発熱と全身に水ぶくれが現れます。
ワクチンについて	大人は小児よりも高熱になる傾向が高く、ワクチン接種が重要です。ワクチン接種の回数は2回で、4週間間隔で打ちます。

新型コロナウイルス

感染経路	新型コロナウイルスは、SARS-CoV-2が原因の感染症です。2019年12月の中国武漢市での原因不明の肺炎から始まり、瞬く間に世界に広まりました。密閉空間・集団で感染しやすく、予防には手洗いうがい・マスクが重要です。主な感染経路は、空気中のウイルスを吸い込むエアロゾル感染、ウイルスを含む飛沫が粘膜に付着する飛沫感染、ウイルスが付着した手で粘膜に触れる接触感染があります。新型コロナウイルスの潜伏期間は、最長2週間です。発症すると、風邪のような症状が見られます。
症状	罹患後の症状は、疲労感や倦怠感・筋肉痛・味覚障害・睡眠障害など、さまざまです。
ワクチンについて	ワクチン接種は、1回目より3カ月以上空けて行います。

インフルエンザ

感染経路	インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で起こる感染症です。主な感染経路は、感染している人のつばや鼻水が手に付着して、目や粘膜に触れることで感染します。空気感染はしませんが、外出時はマスクをして、帰宅後には手洗いをするのが重要です。多くの場合は重症化しませんが、中には肺炎や脳症などと重い合併症を引き起こし、入院したり、死亡したりする可能性もあります。
症状	主な症状は倦怠感、高熱、鼻水などが見られます。
ワクチンについて	重症化を防ぐには、ワクチン接種が効果的です。ワクチンの接種は、インフルエンザの流行初期である10月～12月の接種が望ましいです。ワクチン接種の回数は、13歳以上は原則1回とされており、健康状態や医師の判断で2回の接種を勧められることもあります。2回接種を行う場合には、1回目より4週間空けて行います。

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