レバノン渡航前の推奨ワクチン

レバノンはシリア、イスラエルと国境を接しており、アラブ諸国の中で唯一砂漠がなく、水源が豊富です。イスラム教徒、キリスト教徒の他に少数のユダヤ教徒などがおり、モザイク国家とも呼ばれています。中東(西アジア)に位置するレバノンに渡航する際に接種が推奨されるワクチンは、A型肝炎、B型肝炎、麻疹・風疹、水痘、新型コロナウイルス感染症です。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、主にA型肝炎ウイルスに汚染された食物や水を摂取することで感染します。特に、加熱処理を受けていない飲食物からの感染が多いとされています。衛生状態が不十分な地域では、A型肝炎の感染リスクが高まる傾向にあります。
症状 感染すると、発熱や倦怠感、黄疸、食欲減退、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。
ワクチンについて A型肝炎の予防にはワクチン接種が有効で、合計3回の接種が必要です。1回目の接種から2〜4週間後に2回目の接種を行い、6カ月後に3回目の接種を行います。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することで発症する感染症です。感染経路は大部分がキャリアの母親から出生時に感染する母子感染ですが、乳幼児期に家族内などで水平感染する場合もあります。成人の感染経路は、多くが感染しているパートナーとの性交渉などでの接触です。
症状 症状は、食欲不振や吐き気、倦怠感、腹痛、嘔吐など多岐にわたります。
ワクチンについて ワクチン接種は3回で、1回目から4週間後に2回目を、5~6カ月後に3回目を接種します。
麻疹
感染経路 麻疹は、その強い感染力からくしゃみや咳、会話による飛沫感染、接触感染、さらには空気感染する可能性もある感染症です。
症状 麻疹の典型的な症状には、発疹や目の充血、発熱、咳などがあります。また、麻疹が進行すると、肺炎や脳炎を引き起こす可能性もあります。
ワクチンについて 麻疹に対するワクチン接種歴や罹患歴がない場合、ワクチン接種が推奨されます。麻疹のワクチンは、2回の接種が必要で、接種間隔は4週間です。
風疹
感染経路 風疹は、感染力が強く、主に飛沫感染を経路とします。
症状 風疹の典型的な症状には、リンパ節の腫れ、発疹、発熱などがあります。風疹は、感染者が症状を示さない場合もあり、そのために感染が広がることがあります。特に、妊娠中の女性が風疹に感染すると、胎児が先天性風疹症候群にかかるリスクが生じるため、ワクチン接種による予防が重要です。
ワクチンについて 風疹に対するワクチン接種歴がない、または不明な場合、風疹ワクチンの接種を検討しましょう。ワクチン接種は2回行われ、1回目と2回目の接種間隔は4週間です。
水痘
感染経路 水痘は、接触や飛沫による感染だけでなく、空気を通じても感染します。そのため、同じ空間で過ごすだけで感染の可能性があります。
症状 水痘の主な特徴は、皮膚に現れる水疱です。初期には皮膚に赤い斑点が出現し、その後水疱に変わります。時間が経つと、水疱は乾燥してかさぶたになり、徐々に回復します。
ワクチンについて 水痘の予防にはワクチン接種が有効で、麻疹や風疹のワクチンと同じく、2回の接種が必要です。接種間隔は4週間とされています。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、飛沫や接触を通じて感染します。
症状 この病気の一般的な症状には、咳や他の呼吸器系の症状、発熱などがあります。新型コロナウイルスに感染した人は、無症状のまま回復することもあれば、重症化することもあります。特に、基礎疾患を持つ人は重症化する可能性が高くなります。
ワクチンについて 新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、時間が経つとその効果が減少するため、定期的な追加接種が必要です。前回のワクチン接種から3カ月経過すれば次の接種が可能になります。

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各種ワクチン金額相場

レバノン渡航に際しての接種推奨ワクチンの情報は、下表のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000~8,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回

当クリニックでは、上記のワクチンの他にも渡航前ワクチンを多数取り揃えております。お気軽にお問い合わせください。

レバノン渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

レバノン渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、以下のとおりです。

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルスワクチン mRNAワクチン 1回目 2回目

病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルスワクチン mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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B型肝炎、MR(麻疹・風疹の混合)、水痘・帯状疱疹ワクチンは、定期接種で必要な回数分の接種を受けていない場合は、渡航前に接種することが望ましいです。海外渡航の予定がある方は、予防接種歴を確認しましょう。A型肝炎ワクチンは接種完了までに最短6カ月かかるため、早めに接種を始めることが大切です。

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レバノンの基本情報

レバノンの文化や気候などの基本情報は以下のとおりです。

国名 レバノン共和国(Lebanese Republic) 通貨 レバノン・ポンド
言語 アラビア語(仏語および英語が通用) チップの習慣 ● チップの習慣あり。ホテルでは1000-1500レバノン・ポンド、空港のポーターには10000レバノン・ポンドを渡すとよいでしょう
● レストランのチップは5-10%が目安で、サービス料とは別で支払います
宗教 キリスト教(マロン派、ギリシャ正教、ギリシャ・カトリック、ローマ・カトリック、アルメニア正教)、イスラム教(シーア派、スンニ派、ドルーズ派)など18宗派 文化 レバノンでは美味しいアラブ料理が食べられることで有名で、ホブスという薄いパンに、ババガヌーシュというナスのペーストや豆のペーストであるフムスなどをディップして食べます
気候 ● レバノンは地中海性気候に分類されます。気温は年間を通して温暖で、夏が乾季、冬が雨季にあたります
● 山間部は気温が低く、冬季は氷点下以下になり多くの積雪があります
時差情報 -7時間(日本の方が7時間進んでいます)
服装 ● 夏季、冬季ともに東京の季節に合わせた服装を基本にするとよいでしょう
● 薄着になる暑い季節でも、モスクなど宗教施設に行くときは長袖・長ズボンとし、女性はスカーフなどで頭髪を隠すようにします
● レバノンは日差しが強いため、帽子やサングラス、日焼け止めなどを必ず用意しましょう
治安情報 レバノン 危険・スポット・広域情報

レバノンの渡航情報

ビザ情報 ● 観光などが目的の1カ月以内の短期滞在の場合は、空港でビザを取得できます
● レバノン公安総局で延長手続きをすれば、最長3カ月まで延長可能です
● 中・長期滞在の場合は、大使館・総領事館でビザの取得が必要です
パスポートの必要有効残存期間 日本国籍の場合、入国時に有効期間が1年以上残っていれば、問題なく入国できます
入国カードの記入について 入国カードの記入が必要です

入国に必要な手続き

レバノンへの旅行を計画する際には、入国に必要な手続きと準備物を把握しておくことが重要です。適切な準備をしていかなければ、入国が困難になる可能性があります。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

レバノンへの入国には、以下の物品が必要となります。

航空券
日本からレバノンへの飛行機での移動には、航空券が必要です。チェックインや搭乗時にすぐに提示できるように、航空券を安全かつ取り出しやすい場所に保管しておきましょう。


パスポート
レバノンへの入国時には、パスポートの残存有効期間が1年以上あることが望ましいです。パスポートの有効期限が入国時点で1年未満になる場合は、出発前に更新を行いましょう。


クレジットカード
クレジットカードは事故時の補償があり、現金に比べて盗難のリスクが低いため、海外での支払い手段として便利です。カード会社によっては現地で使用できないカードもあるため、複数のカードを持っておくと安心です。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

レバノンへの入国手続きには、以下の手続きが含まれます。それぞれの手続きについて詳しく説明します。

税関検査
税関検査は、入国者が輸入禁止品を持ち込んでいないか、または免税限度を超える物品を持ち込んでいないかを確認するために行われます。税関で申告が必要な物品を持ち込む場合、指定された書類に必要な情報を記入して提出します。申告すべき物品がない場合、書類の記入は不要です。レバノンでは、15,000米ドル相当以上の外貨の持ち込み・持ち出しは、申告が必要です。


ビザ申請
観光などの目的で短期滞在する場合、期限が1カ月の短期滞在ビザを空港の入国審査時に取得できます。
3カ月を超える長期滞在の場合は、大使館・領事館でビザの取得が必要です。


入国審査(パスポートの提示)
入国審査では、パスポートを提示し、滞在先や旅行の目的などについての質問に答えます。
パスポートのイスラエルへの出入国印などでイスラエルへの出入国履歴が確認されると、レバノン当局による審問・審査の対象となり、円滑に入国ができなくなる可能性があります。


出国に必要な手続き

レバノンからの出国に必要な手続きと必要な物品について説明します。適切な準備をしていかなければ、予定通りの帰国が困難になる可能性があるため、注意が必要です。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

レバノンからの出国時には、以下の物品が必要となります。

パスポート
出国時にもパスポートの提示が求められます。滞在中、パスポートを紛失しないように注意しましょう。


航空券
帰国の際、空港の航空会社カウンターで航空券とパスポートを提示し、搭乗券を受け取ります。航空券は紙チケットか電子チケットのいずれかであるため、事前に確認しておきましょう。


クレジットカード
出国前に現金が不足している場合や、予期せぬ支出が発生した場合に便利です。


日本円
帰国後の移動費や食事代に備えて、日本円の現金を持っておくとよいでしょう。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

レバノンからの出国に必要な手続きは以下の通りです。

セキュリティ・チェック
セキュリティ・チェックは、手荷物に危険物や禁止品が含まれていないかを確認するための保安検査です。X線や金属探知機を使用して検査が行われます。混雑している場合など、時間がかかることがあるため、早めに受けるのがおすすめです。


Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webは、日本への入国手続きを効率的に行うためのサービスです。日本への入国者や帰国者が利用できます。入国審査、税関申告、別送品申告に関する情報をオンラインで事前に登録することで、帰国後の審査や書類提出を省略できます。


出国審査
出国審査の際、ビザの期限が切れていると罰金が徴収されるため、必要に応じて延長手続きをするなどして、期限切れにならないようにしましょう。


検疫手続き
レバノンでは、歴史的埋蔵物などの文化遺産の持ち出しは厳しく規制されています。
検疫対象の物品を日本に持ち帰る場合は、申告が必要です。


別送品の手続き
帰国時に持ち帰らず、渡航先から日本に郵送する荷物を別送品と呼びます。レバノンで購入した物品や贈り物を日本に送る場合は、それが別送品に該当します。税関検査をスムーズに進めるために、別送品の内容や価格を証明する領収書や書類を準備しておくことが必要です。


Q&A

よくある質問

レバノンに入国するときのワクチン接種義務はありますか?
2024年1月現在、レバノン入国に際して接種を求められるワクチンはありません。しかし、自身の疾病予防の観点から、日本の定期接種で受ける一連のワクチンに加えて、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンなどの接種を検討するとよいでしょう。
レバノン入国にワクチン証明書は必要ですか?
以前は新型コロナウイルス感染症について、入国手続きでワクチン接種証明書およびPCR検査陰性証明書の提示が必要でしたが、2022年9月28日に廃止されました。2024年1月現在、レバノン入国時にワクチン証明書は不要です。
レバノンから日本に入国するときのワクチン接種義務はありますか?
日本への入国者に対して、新型ワクチン接種証明書の提出を求める水際対策の取り組みは2023年4月29日に終了しました。レバノンから日本に入国するときのワクチン接種義務はありません。
レバノンではどのような病気が流行していますか?
2022年5月、上水道への下水の流入によるA型肝炎の中規模流行が報告されました。また、2022年10月には、30年ぶりにコレラ症例が報告されました。マラリアやデング熱などの熱帯感染症はありません。
レバノンで健康上気をつけることはありますか?
水道の老朽化などにより、水道水は飲用に適さないため、飲み水にはミネラルウォーターを用意しましょう。また、レバノンは気温が高い上に、計画停電や突発的な停電があるため、飲食店の食べ物の管理状態が悪いことがあります。

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ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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