ハンガリー渡航前の推奨ワクチン
ハンガリーはヨーロッパのほぼ中心に位置し、オーストリア、スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、スロベニア、クロアチア、セルビアの7つの国と国境を接しています。中央ヨーロッパに位置するハンガリーへの渡航の前に接種が望まれるワクチンは、麻疹、風疹、水痘、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどです。
- 麻疹
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感染経路 麻疹(はしか)は、空気中の微粒子や直接の接触によって伝播し、免疫がない個人にとっては感染後に症状が出る可能性が非常に高い全身性の感染症です。 症状 感染してから約10日後には、風邪に似た初期症状が見られ、高熱や皮膚の発疹が出現します。また、肺炎や中耳炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあり、死亡リスクも先進国においては1,000人に1人の割合で存在します。 ワクチンについて 麻疹から身を守るには、ワクチン接種が最も有効な手段とされています。このワクチンの接種回数は2回で、1回目と2回目の間隔は4週間です。
- 風疹
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感染経路 主な感染経路は飛沫感染です。潜伏期間は、2週間〜3週間とやや長くなっています。 症状 成人においては発熱や発疹、関節の痛みなどの症状があります。妊婦が感染した場合は、生まれてくる子どもが先天性風疹症候群(目、心臓、耳などに障害が生じる可能性がある状態)を持つリスクが高まります。 ワクチンについて 風疹のワクチン接種回数は2回で、接種間隔は4週間です。時間が経過すると免疫力が低下するため、追加接種が推奨されます。
- 水痘
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感染経路 「水ぼうそう」とも称される水痘は、空気中の微粒子や直接の接触によって伝播する伝染病です。 症状 感染すると、皮膚表面の紅斑をはじめとし、水疱や膿疱が発生します。時間の経過とともに、かさぶたとなり治癒していくとされています。子どもの場合、症状は比較的軽いことが多いですが、大人が感染すると病状が深刻化するリスクが高く、重篤な合併症を引き起こすこともあります。 ワクチンについて 予防接種は2回とされており、1回目と2回目の間は4週間空けます。1回目の接種で重症化リスクを大幅に減らし、2回目接種完了で集団での発生を抑えることが可能だとされています。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルス感染症は、感染者が発する咳やくしゃみによって空中に散布される微粒子やエアロゾルを通じて、他の人がこれらを吸い込むことや、感染した人の目や鼻、口を直接触ることにより伝播します。 症状 主な症状は、疲労感や関節痛、筋肉痛、下痢などさまざまです。 ワクチンについて 特に病気が進行しやすい人や重症になるリスクが高い人に対しては、予防接種が強く勧められています。最後のワクチン接種から3カ月経過すると、追加接種を受けることができます。
- インフルエンザ
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感染経路 主な感染経路は、感染した人のくしゃみなどが空気中に飛散し、それを吸い込むことによる飛沫感染、手や物などに付着したウイルスを接触したことによる接触感染です。基本的に、空気感染はしません。潜伏期間は1日~4日、感染力の強い時期は発症前24時間から発症後3日程度までとされています。 症状 インフルエンザは、風邪に似た症状(咳、鼻水、喉の痛み)に加えて、高熱(38℃以上)、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身の疲労感などが急激に現れる病気です。特に免疫力が弱い人や高齢者は重篤な症状、例えば肺炎へと悪化するリスクが高いため、注意が求められます。 ワクチンについて インフルエンザを防ぐためには、ワクチンが効果的です。13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本であり、2回接種する場合は4週間の間隔を設けます。
各種ワクチン金額相場
感染症を予防するための各種ワクチンの接種料金の相場は以下のとおりです。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
ワクチンの費用は医療機関によってそれぞれ異なるため、事前に確認しておきましょう。当クリニックでは、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)を取り扱っております。
ハンガリー航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 3ヶ月 |
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麻疹・風疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | ||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | ||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 1回目 | 2回目 | ||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 3カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 3カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 3カ月 | 2回目 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 3カ月 |
閉じる
ハンガリーの基本情報
ハンガリーの文化や気候などの基本情報は以下のとおりです。
国名 | ハンガリー | 言語 | ハンガリー語 |
---|---|---|---|
宗教 | カトリック約30%、カルヴァン派約10% | 気候 | 四季が日本とほぼ同じであり、冬は長く厳しい寒さが続きますが、夏はそれほど高温にもならず、過ごしやすい気候です。 |
服装 | ●春(5月の中旬から下旬)は短く、朝晩の冷え込みに備えて上着が必要です。 ●夏(6月〜9月)は、最高気温が35度にも達することがあるため日中はサングラスや帽子を、夜は急激に冷え込むため長袖の服を用意しましょう。 ●秋は短く、10月頃からは日中でも寒さを感じる日が増えるためジャケットやセーターの準備が必要です。 ●冬は積雪に加え霧が頻繁に発生するため、防寒対策が必須です。 |
通貨 | フォリント(HUF) |
チップの習慣 | ●ポーター荷物:HUF200/個 ●ルームメイド:HUF100~200/泊 ●レストラン:料金の10% ●タクシー:料金の10% ●トイレ:HUF100 など |
文化 | ヨーロッパの国々の中で唯一、アジア系の民族が住む国です。 その首都ブタペストは「ドナウの真珠」と称され、美しい中世の街並みが残され芸術の中心地となっています。 「リスト」「バルトーク」「コダーイ」といった著名な音楽家を輩出しています。 |
時差情報 | -8時間。サマータイム採用時(3月の最終日曜から10月の最終日曜まで)は-7時間です。 | 治安情報 | ハンガリー 危険・スポット・広域情報 |
ハンガリーの渡航情報
ビザ情報 | シェンゲン協定領域内に180日間のうち90日以内の滞在はビザが不要です。 |
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パスポートの必要有効残存期間 | ビザ免除で短期滞在するには、パスポートの有効期限が出国予定日より3カ月以上残っていることと、パスポートの発行日が10年以内であることが必要です。 |
入国カードの記入について | 不要です。 |
※シェンゲン協定とは、シェンゲン圏内での人々の自由な移動を可能にする協定です。そのためシェンゲン協定の加盟国間では、通常出入国管理は実施されません。非EU市民である外国人旅行者は、シェンゲン圏内の国に入国した日から180日間の期間内に最大90日間滞在することが認められています。
入国に必要な手続き
シェンゲン協定加盟国であるハンガリーでは、加盟国以外からの旅行者が入国する際には審査が行われます。
必要なもの
航空券
ハンガリーと日本間の航空券の購入が必要です。航空券は、旅行会社や専門会社を介して手配します。
パスポート
パスポートの有効期限が出国予定日から3カ月以上あることと、10年以内に発行されたパスポートであることが必要です。
必要な手続き
入国審査
シェンゲン協定領域外からハンガリーに入るときは、「ALL PASSPORTS(すべてのパスポート)」の列に並びます。審査官にパスポートと帰国用の航空券を提示し、パスポートに入国スタンプが押印されていることを確認しましょう。
税関検査
免税範囲内の所持品なら「Nothing to Declare」の緑色ランプのゲートに、免税範囲を超えた所持品なら「Goods to Declare」の赤色ランプのゲートに並びましょう。赤色ランプのゲートでは所定の金額を支払います。ハンガリーの関税規定により緑色ランプのゲートでは口頭申告が行われるため、荷物検査が行われることもあります。申告するかどうか迷うときは、赤色ランプのゲートで検査を受けましょう。
出国に必要な手続き
一般的に、チェックインは出発時間の2時間前から開始されることが多いため、時間に余裕をもって空港に到着することをおすすめします。
必要なもの
航空券
帰路に利用する航空会社のカウンターで航空券とパスポートを渡し、搭乗券を受け取ります。
パスポート
航空会社のカウンターで、搭乗券を受け取る際にパスポートを提示します。
必要な手続き
出国審査
航空会社のカウンターでパスポートと航空券を提示し、荷物を預けて搭乗券と荷物引換証(クレームタグ)を受け取り、機内持ち込みの手荷物の検査と身体検査を受けます。その後、出国ゲートに向かい、出国審査を受けるためにパスポートと搭乗券を提示します。搭乗時間には余裕を持ってゲートに到着しましょう。
税関検査
EU圏外の旅行者は、TAX FREE加盟店で一定の金額以上の購入をした場合、付加価値税の払い戻し申請が可能です。ハンガリーが「EUを出る前の最後の目的地」である場合、出国前に税関で免税書類の認証を受けます。
Visit Japan Webの準備
日本への入国時の税関申告、入国審査、および検疫をオンラインで手続きできるサービスです。これにより、帰国時の手続きがスムーズに行えます。事前にウェブサイトで税関申告の情報を入力し、日本に到着した後は、二次元コードを電子申告端末に提示するだけで申告が完了します。
Q&A
よくある質問
- ハンガリー入国時に義務化されているワクチン接種はありますか?
- ハンガリーでは、入国時の接種が義務化されているワクチンはありません。
- ハンガリーでの予防接種について、どこに掲載されていますか?
- 厚生労働省のホームページで推奨されているワクチンの種類が確認できます。また、外務省のホームページでは、現地でのワクチン接種に関する情報が掲載されています。
- ハンガリーの医療事情はどうですか?
- ハンガリーの医療サービスは欧州の平均レベルに近いとされていますが、周囲の医療先進国と同等のサービスが提供されるわけではありません。国立や公立病院では、医師の多くは英語が話せるものの、看護師や受付スタッフとのコミュニケーションには戸惑う可能性もあります。私立のクリニックでは英語が通じ、主に外来患者を対象としているため特別な状況を除いて入院治療はありませんが、専門的な医療機関への紹介などを行っています。
- ハンガリーは治安の良い国ですか?
- ハンガリーの治安状況は全体的に良好ですが、人口に対する犯罪発生率は日本よりも高いため注意が必要です。犯罪の大部分は窃盗(侵入盗、スリ、置き引きなど)が多く、在ハンガリー日本国大使館に報告される日本人被害の大部分は窃盗によるものです。
- 現地での注意点はありますか?
- 外国人は常に身分証明書を携帯することが義務付けられています。旅行者はパスポートを、長期滞在者はパスポートと滞在許可証を持ち歩くことが求められます。パスポートをホテルに忘れて外出し、警察官から身分証明を求められた場合は、事情を丁寧に説明しましょう。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。