ガーナ渡航前の推奨ワクチン
ガーナ渡航前に接種が推奨されるワクチンは、黄熱・A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎・髄膜炎菌感染症・狂犬病などです。それぞれの感染症について解説します。
- 黄熱
-
感染経路 黄熱とは、黄熱ウイルスを保有する蚊に刺されて感染する病気のことです。一般的に、人から人に感染することはありません。 症状 感染すると、発熱・寒気などの症状がみられ、適切な治療を受けなければ死に至る危険性もあります。 ワクチンについて 感染者の多くが軽症ですが、アフリカや中南米に渡航予定の方には、もしもの場合に備えて事前のワクチン接種をおすすめします。
- A型肝炎
-
感染経路 A型肝炎とは、主にウイルスが付着した非加熱の食べ物や飲み物を接種することで感染する病気です。特に、下水道設備が不十分な地域や衛生環境が整っていない地域で発生しています。 症状 A型肝炎の症状としては、全身の倦怠感・食欲不振・嘔吐・腹痛・発熱・下痢などが挙げられます。重症化する確率は高くありませんが、急性腎不全を引き起こす症例もみられます。 ワクチンについて A型肝炎のワクチンは、一度の接種で抗体のつきやすいワクチンですが、3回接種すれば約5年間免疫が持続します。その場合、接種完了までに約6カ月かかるため、接種希望の方はプランをしっかり立てた上で、余裕を持って接種しましょう。
- B型肝炎
-
感染経路 B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)が含まれる血液が、輸血などをとおして体内に入ることで感染する病気です。 症状 B型肝炎の症状は、A型肝炎と同様に、倦怠感・疲労感・食欲不振などがみられます。また、最悪の場合には、肝硬変・肝がんに進展する危険性もあります。 ワクチンについて ワクチンは計3回接種する必要があり、1回目の4週間後に2回目、20〜24週間後に3回目の接種を行います。3回の接種でようやく予防免疫がつくため、計画性のある接種プランを立てることが大切です。
- 破傷風
-
感染経路 破傷風は、傷口から侵入した破傷風菌によって発症する感染症です。 症状 発症した場合、破傷風菌が身体中のさまざまな神経に作用し、口が開きにくくなったり、体の痛みを感じたり、首筋が張ったりするという症状が現れます。悪化すると歩行・排尿・排便の障害が引き起こされることがあります。また、致死率も非常に高い病気のため、未然に防ぐことが重要です。 ワクチンについて 破傷風は、ワクチンの接種で十分な抗体を得られる病気とされています。
- 日本脳炎
-
感染経路 日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスに感染している蚊に刺されると発症する急性脳炎のことです。日本脳炎ウイルスは、潜伏期間は7〜15日で突然の発熱を起こし発症します。 症状 その後の主な症状としては、頭痛や嘔吐などがあり、意識障害や精神症状などの脳炎症状がみられることも少なくありません。日本脳炎は、発症してしまうと特異的な治療法がなく、対症療法をするしかないのが特徴です。 ワクチンについて ワクチンでの予防が重要となります。また、虫除けスプレーを活用したり服装に注意したりするのが大切です。
- 髄膜炎菌感染症
-
感染経路 髄膜炎菌感染症は、流行性の髄膜炎を起こす唯一の細菌によって発症します。化膿性髄膜炎を引き起こし、人から人へ感染するのが特徴です。会話やくしゃみ、咳などが生じた際に、飛沫感染する場合が多いでしょう。 症状 髄膜炎菌感染症の症状には、頭痛・発熱・首の動作異常などがあります。急激に症状が悪化することもあるので、早急に措置が必要です。治療しなければほとんどの場合死に至ります。 ワクチンについて 髄膜炎菌感染症はワクチンで防げる病気です。ワクチンは、1回の接種で5年の免疫効果が期待できるため、髄膜炎菌感染症のリスクのある地域に渡航する方は、ワクチン接種を検討してみてください。
- 狂犬病
-
感染経路 狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有する動物(主に犬・猫)に咬まれたり引っ掻かれたりすることで感染する、人獣共通の恐ろしい病気です。 症状 ほぼ全ての哺乳類が感染する可能性があり、発症すると致死率は100%と非常に高いのが特徴です。潜伏期間は一般的に1〜3カ月程度で、発熱、全身の倦怠感、頭痛、嘔吐などの症状が現れます。その後、症状は悪化し、食べ物を飲み込めなくなり、水や風を恐れるようになるなどの神経症状が進行します。最終的には呼吸麻痺を引き起こし、死に至ります。狂犬病は、一度発症すると治療法がなく致命的であるため、予防が非常に重要です。日本国内では、狂犬病予防法に基づき、全ての飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせることが義務付けられています。 ワクチンについて 海外旅行に行く場合は、渡航先国の狂犬病発生状況を十分に確認し、必要に応じて予防接種を受けることを検討してください。
各種ワクチン金額相場
ガーナへ渡航する際に、接種を推奨する各種ワクチンの金額相場を以下の表にまとめます。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
黄熱ワクチン | 1万2,000円/回 |
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
B型肝炎ワクチン | 5,000〜8,000円/回 |
破傷風ワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
日本脳炎ワクチン | 5,000〜9,000円/回 |
髄膜炎ワクチン | 2万5,000円前後/回 |
狂犬病ワクチン | 1万5,000〜2万円/回 |
当クリニックでは、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風ワクチンの他にも多数の渡航前ワクチンを取り扱っております。お気軽にお問い合わせください。
ガーナ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
ワクチンは、それぞれ接種の時期、回数が異なります。以下では、ガーナ渡航前に接種を推奨するワクチンの接種タイミングや回数を紹介します。ガーナ渡航予定の方は、ぜひ以下を接種プランを立てる参考にしてください。
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | 1回目 | ||||||||||
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
B型肝炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
破傷風 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目(2回目終了後1年~1年半) | ||||||||
日本脳炎(国産) | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目(2回終了後1年) | ||||||||
日本脳炎(輸入) | 不活化ワクチン | 1回目 | ||||||||||
髄膜炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | ||||||||||
狂犬病 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
B型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | 3回目 | |
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
破傷風 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | 2回目 | |
4週間 | 2回目 | 8週間 | 2回目 |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | 3回目(2回目終了後1年~1年半) | |
18ヶ月 | 3回目(2回目終了後1年~1年半) | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
日本脳炎(国産) | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | 2回目 |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | 3回目(2回終了後1年) | |
18ヶ月 | 3回目(2回終了後1年) | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
日本脳炎(輸入) | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
髄膜炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
狂犬病 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | 2回目 |
2週間 | 3週間 | 3回目 | |
4週間 | 3回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
ワクチンには、1回で接種が完了するものから1年以上の期間を経る必要のあるものまで、さまざまな種類があります。そのため、海外渡航予定の方は、ご自分が渡航する国に必要なワクチンを事前に確認し、計画的に接種を進めていく必要があります。
ガーナの基本情報
日本の3分の2の大きさで、西アフリカの中では比較的治安の良い国であるため、観光地としても人気です。ガーナは、チョコレートの原料になるカカオの産地としても有名で、世界2位の生産量を誇ります。以下では、ガーナの気になる言語や宗教、気候などの詳細をまとめます。
国名 | ガーナ共和国 | 言語 | 英語(公用語)、各民族語 |
---|---|---|---|
宗教 | キリスト教、イスラム教、その他伝統的宗教など | 気候 | 熱帯性気候で年中を通して暖かいです。4〜9月が雨季ですが、雨量はあまり多くありません。平均湿度は80%で、高温多湿です。 |
服装 | 日差しが強いため、日中は長袖のシャツなどで過ごすことをおすすめします。また、サングラスや帽子で紫外線対策もしましょう。長袖・長ズボンなどで、虫除け対策をすることも大切です。 | 通貨 | ガーナ・セディ |
チップの習慣 | ホテルやレストランでは、料金の5〜10%が求められる場合があります。 | 文化 | ガーナでは、握手や物の受け渡しの際に左手を使わない習慣があります。なるべく右手を使うように心掛けましょう。また、空港や港、軍事施設などの重要施設は撮影禁止です。スマートフォンや撮影機器をカバンの中に入れて、疑われないよう注意しましょう。 |
時差情報 | -9時間(日本の方が9時間進んでいます) | 治安情報 | ガーナ 危険・スポット・広域情報 |
ガーナの渡航情報
日本からガーナに渡航する際には、ビザの取得が必要です。空港ビザ取得手続きはできないため、在日ガーナ共和国大使館にて事前に申請しましょう。以下では、ガーナのビザ情報やパスポートの残存期間について説明します。
ビザ情報 | ガーナに入国するには、ビザを取得する必要があります。 |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | ビザ申請時に、6カ月以上の有効残存期間が必要です。 |
入国カードの記入について | 出入国カードの記入が必要です。 |
入国に必要な手続き
ガーナへの入国には、入国カード・ビザ・イエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示が求められます。以下では、ガーナ入国に必要なもの・手続きを紹介します。
必要なもの
ガーナ入国時には、入国カード、ビザ、イエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示が求められます。
航空券
日本からガーナへ渡航するための航空券が必要です。航空券は、旅行会社や専門会社などを介して事前に購入します。なお2024年1月現在、日本とガーナ間の直行便は就航していないため、アフリカまたはヨーロッパを経由しなければなりません。
パスポート
ガーナのビザ申請時に、パスポートの残存期間が6カ月以上残っているかどうか事前に確認しておき、必要に応じて更新手続きを行いましょう。
ビザ
ガーナ入国にはビザが必要になるため、在日(または第三国の)ガーナ大使館で取得申請を行います。
イエローカード
イエローカードとは、黄熱ワクチン接種証明書のことです。イエローカードを取得するためのワクチン接種は、渡航予定日の10日前までに済ませておく必要があるため、接種するタイミングには注意しましょう。
必要な手続き
ビザ申請
事前にガーナ入国のためのビザを取得しておく必要があります。日本のガーナ共和国大使館の所在地は、東京です。
イエローカードの取得
ガーナ入国時に提出します。イエローカードの有効期間は、接種10日後から生涯有効のため、一度取得した場合についての更新・再取得は不要です。
入国審査
入国審査では、パスポート・入国カード・ビザ・イエローカードをチェックされます。
税関検査
税関検査で注目する点は、外貨の持ち込み限度額・持ち込み禁止品です。1万米ドル相当以上を持ち込む場合については、銀行などを経由して送金しなければなりません。また、ダイヤの原石や金貨、動植物などを持ち込む際はガーナ政府の許可を得る必要があります。
出国に必要な手続き
続いては、ガーナから日本に帰る際に必要なもの・手続きを紹介します。
必要なもの
ガーナからの出国の際に必要なのは、パスポートと航空券、出国カードです。
航空券
ガーナから日本への直行便は2024年1月現在就航していないため、アフリカやヨーロッパで乗り継ぐ必要があります。
パスポート
ガーナ入国時に、パスポートの残存期間が6カ月以上残っているかどうか事前に確認しておき、必要に応じて更新手続きを行いましょう。
ビザ
ガーナ入国にはビザが必要になるため、在日(または第三国の)ガーナ大使館で取得申請を行います。
イエローカード
イエローカードとは、黄熱ワクチン接種証明書のことです。イエローカードを取得するためのワクチン接種は、渡航予定日の10日前までに済ませておく必要があるため、接種するタイミングには注意しましょう。
必要な手続き
ガーナを出国する際の手続きについて説明します。
出国審査
出国審査では、パスポート・出国カード・航空券・イエローカードを提示するため、紛失・盗難に注意し、常に手元に保管しておきましょう。
税関検査
1万米ドル相当以上の外貨または現地通貨を持ち出す場合は、申告が必要となります。また、カカオ豆や現地の鉱物、工芸品などについてはガーナ政府の許可がなければ持ち出しできない点も注意しましょう。
Visit Japan Web
ガーナから出国する際には「Visit Japan Web」の事前登録をおすすめします。Visit Japan Webは、入国審査と税関申告をオンライン上で行える便利なサービスです。日本に入国するまでに、Visit Japan Webの登録を済ましておけば、スムーズに入国手続きができます。
Q&A
よくある質問
- ガーナにおける健康問題にはどのようなものがありますか?
- 衛生環境が十分でないため、コレラや食べ物・飲み物に関する感染症が多くみられます。ガーナの死亡原因の30.5%が感染症とされています。
- ガーナのワクチンの種類は?
- ガーナ渡航前に接種を推奨するワクチンは、黄熱・A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎・髄膜炎・狂犬病の予防ワクチンです。
- ガーナでのマラリア対策は?
- 虫除けクリームやマラリアの予防薬を投与して対策しましょう。また、ホテルを選ぶ際には、網戸やドアがしっかりしている部屋を選ぶのがポイントです。
- ガーナに入国するにはどのような書類が必要ですか?
- 入国ビザ、パスポート、黄熱予防接種証明書の準備が必要です。なお、新型コロナワクチン接種証明などは不要です。
- ガーナは何語が通じますか?
- ガーナでは、英語(公用語)と各民族の民族語が使われています。民族を含むと全部で約70以上もの現地語があります。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。