エクアドル渡航前の推奨ワクチン

エクアドルは、赤道直下の南アメリカ大陸の北西部に位置する国で、ペルーやコロンビアと国境を接し、西は太平洋に面しています。エクアドルへの渡航前には、黄熱、A型肝炎、麻疹、風疹、水痘、新型コロナウイルス、インフルエンザなどのワクチン接種が推奨されています。

黄熱
感染経路・症状 黄熱は蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、熱、寒気、頭痛、筋肉痛、吐き気などが主な症状です。致死率は5~10%ですが、免疫のない渡航者などでは60%以上に達するという報告もあります。
ワクチンについて 有効な手段は予防接種であり、ワクチン接種は指定された施設で実施され接種回数は1回です。アフリカや南米の熱帯地域に渡航する際に必要な「黄熱予防接種証明書(イエローカード)」は、接種後10日目から生涯有効となり、過去に発行された有効期間10年の証明書も生涯有効であるため、廃棄せず大切に保管しましょう。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、加熱処理されていない食物を通じて感染し、アジア、アフリカ、中南米といった地域で広範に見られます。
症状 感染から2~7週間後には、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐、そして黄疸といった主な症状が現れます。成人や高齢者は症状が出やすく、重篤化するおそれもあるため注意が必要です。
ワクチンについて ワクチン接種は、間隔を2~4週間あけて2回接種を行い、約6カ月後に3回目を接種することで約5年間の免疫が得られると考えられています。
麻疹
感染経路 麻疹(はしか)は、空気中の微粒子や直接の接触を通じて人から人へと広まる非常に強力な感染症です。
症状 主な症状としては、発熱、咳、鼻水、結膜充血、そして発疹が挙げられます。まれに肺炎や脳炎を引き起こす可能性があり、先進国においても患者1,000人あたり1人が死亡するという報告もあります。免疫のない人が感染すると発症するのはほぼ確実で、一度発症すると生涯にわたり免疫を持つと考えられています。
ワクチンについて 麻疹に感染したことがない、ワクチンを受けたことがない、またはワクチン接種の状況が不明な場合には2回のワクチン接種が推奨されており、接種間隔は4週間です。
風疹
感染経路 風疹は、感染力が強く急性のウイルス性発疹性感染症で「三日ばしか」として知られています。妊娠初期に感染すると、新生児が先天性風疹症候群(難聴、白内障、心臓疾患など)を持つリスクがあるため注意が必要です。
症状 感染から約2~3週間後には、発熱、発疹、リンパ節の腫れが症状として現れるのが特徴です。子どもの場合は比較的軽い症状を示しますが、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病といった合併症を引き起こすこともあります。大人では症状が長く続き激しい関節痛を伴うこともあります。
ワクチンについて 風疹ウイルスに対する免疫は、ワクチン接種により95%以上の人が獲得できるとされ、2回の接種(接種間隔は4週間)により、1回の接種では免疫がつかなかった人の多くに免疫をつけることができます。
水痘
感染経路 水痘(みずぼうそう)は、発疹を特徴とするウイルス感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染を通じて人から人へと広がります。
症状 感染してから約2週間の潜伏期間を経た後に発熱が始まり、その後に発疹が出現し水疱が形成され、最終的にはかさぶたになって治癒するとされています。水痘は主に小児に見られますが、成人が感染すると重篤化するおそれもあるため注意が必要です。
ワクチンについて 水痘の予防策としてはワクチンが有効であり、1回の接種で水痘の重症化をほぼ100%防ぐことができ、4週間の間隔をあけて2回目を接種することで軽度の水痘を含む発症を防ぐことが可能とされています。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、感染者と接触したり、感染者が発する飛沫などを吸い込んだりすることにより感染します。
症状 主な症状として、発熱、呼吸器症状、倦怠感、頭痛、消化器系の症状、鼻水、嗅覚や味覚の異常、関節痛、筋肉痛が挙げられます。
ワクチンについて 持病のある人や重症化するおそれのある人には、予防策としてワクチン接種が推奨されています。最初の接種から3カ月後には、追加のワクチン接種が可能です。
インフルエンザ
感染経路・症状 インフルエンザは、風邪の典型的な症状である喉の痛み、鼻水、咳に加えて、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感などの症状が突然出現するのが特徴です。免疫力が低下している人や高齢者は、肺炎を含む重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
ワクチンについて インフルエンザの予防にはワクチンが効果的であり、13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種します。2回接種する場合は、1回目と2回目の間隔は4週間あけましょう。

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各種ワクチン金額相場

ワクチン名 相場価格/回
黄熱ワクチン 1万2,000円/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回

当クリニックでは、A型肝炎ワクチン、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)、インフルエンザワクチンを取り扱っております。
なお、黄熱病のワクチン接種は、基本的には検疫所や特別な医療施設でのみ行われ、一般的な病院や大学病院では接種することはできません。黄熱ワクチンの接種を行っている検疫所は、厚生労働省のホームページにリストが掲載されています。
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/yellow_fever_certificate.html#kenekisyo

エクアドル渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
黄熱ワクチン 生ワクチン 初回
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
麻疹・風疹 生ワクチン 初回 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 初回 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
病名 ワクチンの種類
黄熱ワクチン 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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エクアドルの基本情報

エクアドルは赤道直下に位置しており、豊かな陽ざしと緑、そして水に恵まれた地です。地形の高低差が生み出す多種多様な動植物と自然の美しさ、世界的に知られたガラパゴス諸島、アマゾン、アンデス山脈などが人気の観光地として知られています。エクアドルの文化や気候などの基本情報は、このとおりです。

国名 エクアドル共和国(Republic of Ecuador) 言語 スペイン語(他にケチュア語、シュアール語など)
宗教 国民の大多数はカトリック教徒 気候 年間を通じて日中の気温が高く、夜間は涼しいのが特徴です。乾燥期は6月から10月まで続き、雨季は11月から5月までとされ、雨季であっても一日中雨が降ることはまれです
服装 赤道直下の強い日差しを避けるため、日焼け止めクリームや帽子、サングラスなどが必要です 通貨 アメリカ・ドル
チップの習慣 ・ホテル:ポーター/客室USD1~ 
・レストラン:サービス料なしの場合料金の10~15%程度
・タクシー:不要
文化 エクアドルの人口の大部分は、先住民とスペイン人の混血である「メスティーソ」が約70%を占め、白人や先住民、黒人、そしてアジアからの移民など多様な民族が共存しています
時差情報 -14時間 治安情報 エクアドル 危険・スポット・広域情報

エクアドルの渡航情報

エクアドルと日本の間にはビザ免除協定は存在しませんが、エクアドル政府は観光や商用で訪れる日本人旅行者に対し、1年間で合計90日以内のビザなし滞在を許可しています。入国する際には、有効期限が6カ月以上残っているパスポートが必要です。
新型コロナウイルス対策として、入国制限や条件、行動制限が設けられている可能性があるため、出国前に海外安全ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html)などで最新情報を確認することが必要です。

ビザ情報 不要
パスポートの必要有効残存期間 入国時6カ月以上必要
入国カードの記入について 必要

入国に必要な手続き

必要なもの
エクアドル入国に必要なものは以下のとおりです。

予防接種
日本とエクアドル間の渡航では、黄熱病の予防接種は義務付けられていませんが、ブラジル、コンゴ民主共和国、ウガンダからエクアドルに入国する場合や、12時間以上の乗り継ぎをする1歳以上の旅行者は「黄熱病の予防接種証明書」が必要です。またエクアドルから他国への渡航時にも「黄熱病の予防接種証明書」を求められることがあるため、事前の確認が必要です。


航空券
エクアドルと日本間のフライトチケットの購入が必要です。航空券は、旅行会社や専門会社を介して手配します。


パスポート
入国時6カ月以上あるものが必要です。


必要な手続き
エクアドル入国に必要な手続きは以下のとおりです。

通関
リストに定められた電気製品に関し、使用中の個人用品として各人2個まで、または家族全員分の個数までなら申告せずに持ち込むことができます。ただし、定められた数量を超える製品持ち込みは、製品ごとに定められた税金が課せられます。さらに、電気製品だけでなく衣服や嗜好品なども課税対象となり、制限を超えてこれらを持ち込むと高額な税金を課されることがあります。


出国に必要な手続き

一般的にチェックインは出発の2時間前から始まるため、余裕を持って空港に到着するようにしましょう。

必要なもの
エクアドル出国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
帰路に利用する航空会社にカウンターで航空券とパスポートを渡し、飛行機の搭乗券を受け取ります。


パスポート
航空会社のカウンターで、搭乗券を受け取る際にパスポートを提示します。


必要な手続き
エクアドル出国に必要な手続きは以下のとおりです。

搭乗手続き
チェックインカウンターの列に並び、搭乗手続きに臨みます。航空券とパスポートを提出し、荷物を預けて搭乗券を受け取ります。その後、係員に搭乗券を見せてセキュリティチェックを通過します。


通関
出国時には、機内持ち込み荷物以外の荷物の検査は基本的に行われません。ただし搭乗前のセキュリティチェック、X線検査、身体検査を経た後、特に米国系の航空会社に搭乗する場合は、搭乗ゲートの待合所で再び機内持ち込み荷物と身体の検査が行われます。さらにゲート近くで待機している間に、預けた荷物の個別検査に立ち会うことを求められることもあります。


Visit Japan Webの準備
日本への入国時に税関申告、入国審査、および検疫手続きをオンラインで行うことができるサービスです。事前にウェブサイトで税関申告情報を登録しておき、日本到着後は電子申告端末に二次元コードを提示するだけで申告が完了します。


Q&A

よくある質問

エクアドルの医療事情は?
エクアドルの医療水準は高いものとは言えず、専門医や先進的な医療設備が少ないため高度な医療を要する場合は、海外での治療も検討しなければなりません。保健省の管轄下の医療施設は無料ですが、患者が多く設備や薬も不足し、待ち時間が長くなることがあります。
エクアドルでの予防接種について、どこに掲載されていますか?
厚生労働省のホームページで推奨されているワクチンの種類が確認できます。また、外務省のホームページでは、現地でのワクチン接種に関する情報が掲載されています。
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/ecuador.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/vaccine/pdfs/ecuador.pdf
エクアドルの治安はどうなっていますか?
エクアドル全土で犯罪が増えており、大都市のキト市やグアヤキル市では短時間誘拐(車両に連れ込み金品を奪う)や強盗が増えています。地方都市や観光地でも、日本人を含む外国人が盗難や強盗の被害にあっています。公共交通機関や飲食店での犯罪も多く、特に銃を使った事件が増加中です。外国人は犯罪のターゲットになりやすいため、注意が必要です。
エクアドルの衛生事情はどうなっていますか?
キトやクエンカなどでは水道水を飲用できますが、それ以外の地域では生水や水道水を飲むのに適していません。そのため、水を沸騰させるか、ミネラルウォーターを飲むことをおすすめします。飲食に関しては、A型肝炎、腸チフス、カンピロバクター、大腸菌などの消化器系感染症に注意が必要です。十分に加熱された食品をとるように心掛け、露店などでの飲食を避けるようにしましょう。
エクアドルで生活する上での注意点は?
エクアドル内での旅行において特別な制限はありませんが、街頭での職務質問など、旅行中にパスポートの提示が求められることがしばしばあるため、パスポートの携行は必須です。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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