キプロス渡航前ワクチン（予防接種）や注意すべき感染症

キプロス渡航前の推奨ワクチン

キプロスは地中海の東に位置する島国です。面積は9,251㎢で、日本の四国の半分くらいの大きさです。そのキプロスへの渡航前に接種が推奨されているワクチンは、麻疹、風疹、水痘、新型コロナウイルス、インフルエンザなどです。

麻疹

感染経路	麻疹は、非常に感染力が高く、容易に人から人へ広がる急性のウイルス感染症です。
症状	主な症状には発熱、咳、鼻汁、結膜充血、そして発疹があります。稀に、肺炎や脳炎を発症することがあり、先進国でも患者1,000人に1人が死亡するといわれています。
ワクチンについて	現在、小児期に2回の定期接種が行われており、これにより麻疹の感染拡大を抑える取り組みが進められています。ただし、麻疹にかかったことがない人や、麻疹の予防接種を受けたことがない人、1回しかワクチン接種していない人、予防接種の履歴が不明な人には、追加のワクチン接種が推奨されています。

風疹

感染経路	風疹は、強い感染力を持ち、人から人へ急速に広がるウイルス性感染症です。
症状	主な症状には発熱、発疹、リンパ節の腫れなどがありますが、15～30％程度の感染者は無症状です。通常、風疹は自然に治りますが、稀に脳炎などの合併症が生じ、入院が必要になる場合もあります。妊娠20週頃までに風疹ウイルスに感染すると、生まれてくる子どもが先天性風疹症候群になる可能性があります。先天性風疹症候群の胎児には、難聴、白内障、心臓疾患などの疾患が現れます。
ワクチンについて	現在、風疹の予防接種としては小児期に2回の定期接種が行われています。昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性については、2025年3月31日までに定期接種（1回）を受けることができます。

水痘

感染経路	水痘は、空気感染だけでなく接触や飛沫によっても広がる感染症です。
症状	通常、まず皮膚の赤みから始まり、水疱や膿疱が形成され、その後かさぶたができて症状が治まっていきます。
ワクチンについて	水痘の予防には、ワクチン接種が有効です。2014年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種として導入されました。水痘患者と接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種すれば80％から90％の確率で発病を阻止でき、家族内や施設内での感染拡大を防止するのに効果的です。

新型コロナウイルス感染症

感染経路	新型コロナウイルス感染症は、SARS-CoV-2というコロナウイルスの変異株による感染症であり、飛沫やエアロゾルを介して感染します。地域によるばらつきはありますが、全世界的に広く流行しています。
症状	感染しても、ほとんどの人は無症状か軽症のまま回復しますが、重症化するリスクも存在します（肺炎など）。
ワクチンについて	日本国内では、ワクチン接種が推奨されており、感染状況や変異株の出現に応じて追加の接種が必要とされています。海外への渡航時には、接種証明書の提示が求められる場合があります。

インフルエンザ

感染経路	インフルエンザは、飛沫や接触によって感染します。
症状	高熱や全身の倦怠感などの全身症状が特徴的です。一部の患者は肺炎などの重篤な合併症を起こすこともあり、軽視できない病気です。
ワクチンについて	重症化を避けるためには、ワクチン接種が効果的であり、特に渡航前の接種が重要です。ワクチン接種は原則として、13歳以上は1回、13歳未満は2回接種です。

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