チリ渡航前の推奨ワクチン

チリは南アメリカに位置する南北に長細い国で、赤道付近や南極付近まで土地が広がっています。訪れる土地によって、自然環境が異なり、様々な体験ができるでしょう。医療体制は病院によってレベルが異なり、私立病院は高額なため、あらかじめワクチンを接種するのが望ましいです。厚生労働省も、A型肝炎、麻疹、風疹、水痘、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症のワクチンは、チリ渡航前の接種を推奨しています。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、排泄に含まれるウイルスが、野菜や魚介類などから口へ入り、感染する病気で、衛生状態が良くない地域で感染リスクが高まります。
症状 2〜7週間の潜伏期間を経て、急な発熱、吐き気、食欲不振、数日後には皮膚が黄色くなる黄疸が現れるでしょう。
ワクチンについて ワクチンは日本と海外で異なりますが、日本では2〜4週間の接種間隔をあけて、2回目を打ちます。3回目を打つ場合は、1回目から6カ月あける必要があります。ワクチン以外の対策として、ミネラルウォーターを飲んだり、十分に加熱処理された食べ物を選んだりと、注意が必要です。
麻疹
感染経路 麻疹(はしか)は、空気、飛沫、接触感染によって広がり、免疫がない人はほぼ100%感染するほどの強い感染力です。
症状 10日程度の潜伏期間を経て、発熱や咳などの風邪症状が現れ、2〜3日後には高熱と発疹が現れます。
ワクチンについて 先進国でも1,000人に1人は死亡するリスクがあるため、ワクチンでの予防が必要です。麻疹にかかった経験がある人はワクチンは不要ですが、風疹・麻疹は混合ワクチンを提供しているため、片方だけ罹患した人も接種しておくと良いでしょう。4週間の接種間隔をあけて、2回接種する必要があります。
風疹
感染経路 風疹は飛沫感染で、強い感染力を持っているため、風疹に罹患経験がない人は感染しやすいです。
症状 2〜3週間の潜伏期間を経て、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどが現れ、大人は強い関節痛も伴います。子どもは、2,000〜5,000人に1人程度の割合で脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症が発生する恐れもあるため、ワクチンでの予防が望ましいです。
ワクチンについて 風疹に罹患した人は免疫があるとされていますが、免疫が不明な人は、接種間隔を4週間あけて2回のワクチンを接種しましょう。
水痘
感染経路 水痘(水ぼうそう)は、空気、飛沫、接触感染によって広がる病気で、水痘の罹患経験がない人は感染しやすいです。
症状 潜伏期間は2週間とされており、発疹よりも先に発熱が見られます。発疹は次第に、粘度がある水疱へ変わり、かさぶたになって治癒しますが、小児の場合は重症化リスクも高いため、ワクチンの接種が望ましいでしょう。
ワクチンについて ワクチンは2回で、風疹・麻疹と同様に接種間隔は4週間あけます。罹患経験がある人はワクチンは不要です。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、飛沫、空気、接触感染で感染しますが、無症状の人もいます。
症状 主な症状は、発熱や咳、喉の痛みなどの強い風邪症状で、持病や肥満などの重症化因子がある人は、重症化するリスクがあるため、ワクチンの接種が望ましいでしょう。
ワクチンについて ワクチンは、1回目から3カ月あけると2回目以降も受けられます。流行状況に合わせてワクチンを接種すると良いでしょう。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、飛沫や接触によって感染し、流行すると一気に広がる、強い感染力を持つ病気です。
症状 急な発熱や喉の痛み、頭痛などの強い風邪症状が見られ、数日間で回復に向かいます。喘息の持病がある人や高齢者は、重症化するリスクもあるでしょう。
ワクチンについて 季節性や新型のインフルエンザがあり、新型への免疫は誰も持っていないため、ワクチンの接種が望ましいです。13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。

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各種ワクチン金額相場

チリへ渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、このとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回

当クリニックでは、渡航先に合わせたワクチンをご案内します。

チリ航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 3ヶ月 6ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目

病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 3カ月
6カ月 3回目
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 3カ月 2回目
6カ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 3カ月
6カ月
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A型肝炎は接種間隔が2〜4週間、新型コロナウイルス感染症は3カ月、黄熱や麻疹、風疹、水痘は4週間をあけて2回目を接種する必要があります。生ワクチンの場合は、他のワクチンを接種できるまでに4週間かかるため、渡航前のスケジュールに注意が必要です。早めに医師に相談して、接種スケジュールを立てるとよいでしょう。

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チリの基本情報

チリは南アメリカにある、南北に4,000kmを超える長細い国で、砂漠やアンデス山脈など特徴的な地形をしています。首都はサンティアゴで、国のほぼ中央に位置し、四季があって比較的過ごしやすいです。チリの基本情報は次のとおりです。

国名 チリ共和国(Republic of Chile) 言語 スペイン語
宗教 カトリック、福音派など 気候 12〜2月は夏で、最高気温が35℃近くにもなりますが、6〜8月の冬は最低気温が0℃を下回り、曇天が続きます
服装 ●年間を通して昼夜の気温差が大きいため、夏でも上着を用意しましょう
●山岳地方や砂漠では昼夜の気温差が20℃ほどになることもあり、サンティアゴ郊外では雪が降ったりするため、訪問地域に合わせた服装が必要です
通貨 ペソ
チップの習慣 レストランやホテル、タクシーなど、サービスを受けたらチップを渡します 文化 ●食べ物は素手で触ってはいけません
●手首から先はテーブルの上に出して、食事をとります
時差情報 チリは、-12時間(日本の方が12時間進んでいます) 治安情報 チリ 危険・スポット・広域情報

チリの渡航情報

チリに渡航する際、日本のパスポートを持っており、下記の条件に該当したら、ビザの取得は不要です。

ビザ情報 日本のパスポートを持っており、観光や通過等の入国目的で90日以内の滞在であれば、ビザ不要です
パスポートの必要有効残存期間 帰国時まで有効で、未使用な査証欄が1ページ以上必要です(トラブルがあっても問題ないように、残存期間は余裕を持って準備しましょう)
入国カードの記入について 記入が必要です(入国審査後に渡される入国カードは、出国時にも必要なため、無くさないように保管しましょう)

入国に必要な手続き

チリへの入国に必要な手続きは、基本的に入国審査、外貨申告、通関・検疫があります。手続きに必要なものは下記のとおりです。

必要なもの

パスポート
パスポートは、入国審査官へ提示します。残存期間は滞在する日までで問題ないですが、万が一のために90日程度は期間が残っている状態が望ましいでしょう。


航空券
チリを出国する際の航空券を用意しておきましょう。航空券は、航空会社や旅行会社で手配を済ませておきます。


必要な手続き

入国審査
入国審査では、パスポートや入国カード、必要に応じて航空券を提示します。すぐに取り出せるように準備しておきましょう。入国カードを審査後に渡されたら、出国時まで大切に保管します。万が一、入国カードを紛失したら、空港や国際警察局で再発行するか、オンラインでの再取得をしましょう。


外貨申告
入国時に、総額1万米ドル相当を超える外貨や現地通貨を持っている場合、持ち込み申請が必要です。


通関・検疫
通関は申告ありか、なしでの手続きですが、申告の有無に関わらず携行荷物はX線で検査されます。動植物や動植物由来の製品など、持ち込みが規制されているものは、申告用紙やオンラインで適切に申告しましょう。また、携帯電話やカメラの持ち込み個数にも免税制限があります。免税範囲内は、携帯電話2台まで、ノートパソコンおよびタブレットは1台まで、カメラ1台まで、300米ドルまでの贈り物などです。細かな規制があるため、あらかじめ調べて持ち込みましょう。申告せずに持ち込んだ場合は、罰金や没収を受ける恐れがあるため、正しく申告する必要があります。


出国に必要な手続き

チリ出国に必要な手続きは、出国手続き、セキュリティ・チェック、Visit Japan Webがあります。出国時に必要なものや手続きを解説します。

必要なもの

航空券
予約した航空会社のカウンターで、航空券を提示します。搭乗券を発行してもらいましょう。


パスポート
航空券と同じように、予約した航空会社のカウンターでパスポートも提示します。チェックインは出発時刻の3時間前から可能です。


入国カード
チリへ入国した際に取得した入国カードを、出国時にも提示します。紛失した場合は、国際警察局や空港、オンラインで再取得をしておきましょう。


必要な手続き

出国手続き
チリ出国の手続きでは、パスポート、航空券、入国カードを提示します。チリ在住の日本国籍者で18歳未満の場合は、在チリ日本国大使館が発行してチリ外務省が認証した、出生証明書が必要です。片親や両親を伴わない場合は、未成年者旅行許可証が必要となるため準備しておきましょう。また、出国時に総額1万米ドル相当額を超える外貨や現地通貨を持っている場合は、申告する必要があります。


セキュリティ・チェック
手荷物検査や身につけるものなどは、X線と金属探知機で検査します。液体バッテリーや刃物、一部ライターなど、機内持ち込み禁止のものは没収されるため注意しましょう。モバイルバッテリーやパソコン、タブレットも制限があるため、カバンから専用ケースに出して検査します。化粧品や歯磨き粉などの液体も持ち込めるのは100ml以下までと規定があるため、あらかじめ確認しておきましょう。


Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webは、日本への入国手続きが迅速に進むようにと導入されたシステムです。事前にVisit Japan Webで、入国審査、税関申告、免税購入に関わる情報を登録しておくと、QRコードが発行されます。日本へ入国後、QRコードを入国審査官へ提示すると、通常の手続きよりもスムーズに進められるでしょう。


Q&A

よくある質問

チリで黄熱病の予防接種は必要ですか?
黄熱の予防接種証明書の提示は求められていません。周辺の国では黄熱の予防接種が推奨されていますが、チリでは不要とされています。
チリの医療レベルはどれくらいですか?
チリは欧米先進国と近いレベルの医療を受けられますが、私立病院で医療費が高額になる傾向があります。公立病院との医療レベルの差も大きいため、海外旅行傷害保険への加入や、ワクチン接種での予防がおすすめです。
チリの滞在で、健康に気をつけるためにできることはありますか?
チリで健康維持するために、水はミネラルウォーターを飲み、肉や魚は信用できる大型スーパーで買いましょう。生魚を食べる際には、衛生環境が良いレストランがおすすめです。
チリの病院でワクチンを接種できますか?
チリでもワクチン接種は可能です。Clinica Alemanaと、Clinica Las Condesでは、国際患者に英語で対応しています。
チリに赴任します。長期滞在者に推奨するワクチンはありますか?
長期滞在の場合は、黄熱・B型肝炎・狂犬病・破傷風・腸チフスなどのワクチン接種を推奨しています。いずれも、ワクチンの接種間隔や時期など、医師と相談して計画するとよいでしょう。

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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