カメルーン渡航前の推奨ワクチン

カメルーンはアフリカ大陸中部に位置する国です。短期滞在では麻疹・風疹・A型肝炎・水痘・インフルエンザ・新型コロナウイルスワクチンの接種が推奨されます。1カ月以上の長期では、上記に加えB型肝炎・破傷風・ポリオ・髄膜炎菌感染症のワクチン接種が推奨されます。なお、入国時は黄熱病予防接種証明書(イエローカード)が求められるため、黄熱の予防接種は必須です。

黄熱
感染経路 黄熱はウイルスを保有する蚊に刺されることで感染が広がる急性ウイルス性出血熱です。
症状 3~6日の潜伏期間の後インフルエンザのような症状が現れ、軽症の場合そのまま回復します。重症化すると黄疸・出血傾向・蛋白尿などの多臓器不全に発展し、20~50%が死亡します。
ワクチンについて 入国時にイエローカードが求められる国では事前接種が必要で、1回の接種で生涯有効な免疫が獲得可能です。なお、効果は接種の10日後から有効です。
麻疹
感染経路 麻疹は感染力が非常に強く、飛沫や接触で感染するだけではなく、空気中でも感染します。免疫がないとほぼ100%発症するものの、発症後は生涯免疫が持続するとされています。
症状 風邪のような症状の後、39℃以上の高熱と発疹が現れ、脳炎などを発症すると先進国でも1/1,000人の割合で死亡するため大変危険です。
ワクチンについて ワクチンが有効なため過去の患歴・ワクチン接種歴が不明な人は、1回目と4週間後の計2回の接種が推奨されます。
風疹
感染経路 風疹は感染力が強く飛沫により伝播するウイルス性感染症です。
症状 主な症状は発熱や発疹、リンパ節の腫脹で、成人が感染すると子どもより重症化しやすいとされています。
ワクチンについて 予防方法としてはワクチン接種が有効なため、患歴・予防接種歴が不明な人は、1回目と4週間後の計2回の接種が望まれます。
破傷風
感染経路 土壌に存在する破傷風菌が傷口から感染し、破傷風に疾患します。
症状 口や手足などのしびれが主な症状として挙げられ、最終的には全身の筋肉が硬くなり死亡することがあるため、注意が必要です。
ワクチンについて 正しくワクチンを接種すると10年間有効な免疫がつくため、以前の接種から10年を過ぎた方は追加接種を検討してください。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎は、主に汚染された食物や水の摂取によって感染する、ウイルス性の肝疾患です。
症状 発症後は全身倦怠感や黄疸などの症状が見られ、重症化すれば長期の入院治療が必要です。
ワクチンについて 海外に1カ月以上滞在する人や70歳以下の抗体保有率の低い人に接種が推奨されます。ワクチンは2~4週間隔で2回接種し、6か月後に3回目を接種します。
B型肝炎
感染経路 成人のB型肝炎では、使いまわした注射針経由の経皮的感染、性交渉時の経粘膜感染が主です。
症状 発症すると1週間程度の食欲不振や倦怠感の後、嘔吐・腹痛・黄疸などが現れます。重症化すると死亡リスクのある病気に発展する危険性があるため、ワクチンでの予防が推奨されます。
ワクチンについて B型肝炎のワクチンは、4週間間隔で2回接種し、さらに20~24週間後に3回目の接種が必要です。
髄膜炎菌感染症
感染経路 髄膜炎の中でも髄膜炎菌が原因の感染症です。飛沫や接触が感染経路となります。
症状 発症すると発熱や硬直(首を動かしにくくなる)が生じ、急激に症状が悪化します。治療しなければ例外なく死亡するため、予防に有効なワクチン接種が推奨されています。
ワクチンについて 2~55歳は1回接種を基本とするものの、5年経過で効果が失われるため渡航前に1回の追加接種が必要です。
水痘
感染経路 水痘は、空気・飛沫・接触により伝播する発疹性の病気です。
症状 発症すると発熱の後、紅斑の発疹が短時間で水疱や膿疱となり、最後に痂皮化(かさぶたのこと)になり治癒します。
ワクチンについて 成人は重症化しやすいため、患歴・予防接種歴が不明な人はワクチンを接種しましょう。ワクチンは、1回目とその4週間後の計2回の接種が必要です。
ポリオ
感染経路 ポリオ(急性灰白髄炎)はウイルスが口の中に入り、腸中で増え感染する病気です。
症状 疾患すると38℃以上の高熱や頭痛、全身症状が表れ、肺炎や気管支炎に重症化する恐れのある病気です。
ワクチンについて 患歴に関わらず海外渡航時のワクチン接種が推奨されており、13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。2回受ける場合は、1回目から間隔を4週間空けます。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは飛沫・接触感染を主とする気道感染症で、北半球で1~2月頃、南半球で7~8月に流行します。
症状 疾患すると38℃以上の高熱や頭痛、全身症状が表れ、肺炎や気管支炎に重症化する恐れのある病気です。
ワクチンについて 患歴に関わらず海外渡航時のワクチン接種が推奨されており、13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。2回受ける場合は、1回目から間隔を4週間空けます。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルスは飛沫や接触を感染経路とします。
症状 感染すると風邪のような症状の他、味覚や嗅覚障害などが現れることがあります。軽症で済むことが多いものの、重症化して肺炎などを起こすこともあるため、高齢者や基礎疾患がある方は特に注意が必要です。
ワクチンについて 海外渡航時にはワクチン接種が推奨されており、1回目接種以降は前回の接種完了から3カ月以上空けると追加接種が可能です。

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各種ワクチン金額相場

感染症を予防するための各種ワクチンの接種料金の相場は以下のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
黄熱ワクチン 1万2,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000~8,000円/回
髄膜炎ワクチン 2万5,000円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
ポリオワクチン 7,000〜1万円/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回

当クリニックでは、原則完全予約制で海外渡航時に必要なワクチン接種を実施しています。

カメルーン渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

カメルーン渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの情報は、以下のとおりです。

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
黄熱 生ワクチン 1回目
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
髄膜炎 不活化ワクチン 1回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
ポリオ 不活化ワクチン 1回目 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4回目(3回目終了後1年)
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルスワクチン mRNAワクチン 1回目 2回目

病名 ワクチンの種類
黄熱 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回目終了後1年~1年半)
18ヶ月 3回目(2回目終了後1年~1年半) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
ポリオ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
4週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
8週間 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
3ヶ月 2回目(1回目終了後3~8週間)
3回目(2回目終了後3~8週間)
5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 4回目(3回目終了後1年)
18ヶ月 4回目(3回目終了後1年) 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルスワクチン mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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なお、生ワクチンは一般的に接種後4週間経つまでは他のワクチンを接種できません。複数のワクチンを接種する場合は計画的に進めましょう。

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カメルーンの基本情報

カメルーンの文化や気候などの基本情報は以下のとおりです。

国名 カメルーン共和国 通貨 CFA(シェイファー)フラン
言語 公用語はフランス語と英語です。その他、各部族語があります。 チップの習慣 チップの習慣があります。高級レストランなら料金の10%程度、タクシーならお釣りの小銭が相場です。
宗教 キリスト教のカトリック、プロテスタント、その他のキリスト教、イスラム教などです。 文化 国を挙げたスポーツ政策を行っており、各種スポーツが盛んです。
気候 熱帯性気候で1年を通し最高気温は30度前後、最低気温は20度前後です。乾季と雨季があり、北部・南部・中部でそれぞれ異なります。 時差情報 日本との時差は-8時間です。
服装 1年を通して半袖で過ごせるものの寒暖差があるため上着も必要です。紫外線対策のサングラス・帽子・日焼け止めは必携です。雨季は傘よりもレインコートが適しています。 治安情報 カメルーン 危険・スポット・広域情報

カメルーンの渡航情報

カメルーンの渡航情報は以下のとおりです。

ビザ情報 入国時にはビザが必要です。
パスポートの必要有効残存期間 入国時6カ月以上、未使用査証欄が見開き2ページ以上必要です。
入国カードの記入について 入国カードの記入は不要です。

入国に必要な手続き

カメルーンでは、ビザとイエローカードの取得手続きが必要です。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

パスポートや航空券、ユーロを準備しましょう。

航空券
旅行会社などでカメルーン行きの航空券を手配しましょう。


パスポート
パスポートは有効残存期間が入国時に6カ月以上あるか確認します。


ユーロ
現地ではアメリカドルよりユーロの方が両替しやすく、便利です。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

カメルーンへ入国するためには、ビザとイエローカードの双方が必要なため事前に準備しましょう。

入国審査
パスポート・ビザ・イエローカードを入国審査官に提示します。入国目的や期間などを質問されることもあります。


ビザ申請
入国時は目的・滞在期間を問わずビザの取得が必要です。観光・商用・公用など6種類の中から適したものを申請します。申請は、駐日カメルーン大使館のホームページを確認の上、オンラインで申請します。


イエローカードの取得
ビザ申請時に黄熱予防接種証明書が必要です。なお、イエローカードの有効期限は2016年7月11日以降、接種10日後から生涯有効になったため過去のものも利用できます。接種を行っていないときは、入国10日以上前にクリニックなどで接種する必要があります。


税関検査
税関検査が必要なときは、税関職員に申告し所定の手続きを行います。


出国に必要な手続き

カメルーン出国時の手続きを解説します。

必要なもの(航空券、パスポートなど)

出国時もイエローカードの提出が必要なため、パスポートと携帯しましょう。

航空券
帰りの航空券を用意しましょう。


パスポート
出国時もパスポートが必要なため、有効期限が過ぎていないか念のため確認しましょう。


イエローカード
イエローカードは出国時にも確認されます。パスポートと携帯するようにしましょう。


必要な手続き(ビザ申請、入国審査、税関検査など)

出国時も入国時と同様にセキュリティチェックやパスポート、イエローカードの確認を行います。なお、日本帰国時はVisit Japan Webに登録しておくとスムーズです。

税関検査
カメルーンでは、出国時に税関検査を厳しく行います。大量の電化製品やバックを所持していると検査を受けなければいけないため注意してください。


Visit Japan Webの登録
日本入国時は、検疫・入国審査・税関申告を簡略化できるVisit Japan Web(入国手続オンラインサービス)の利用がおすすめです。上記に事前登録すれば、二次元コードを提出するだけで各審査を進められます。


Q&A

よくある質問

蚊が媒介する感染症はどうすれば防げますか?
ワクチンや予防内服を活用し、蚊が活動する日没から夜明けまでは長袖の服を着る、昆虫忌避剤使用する、就寝時は蚊帳や蚊取り線香を使用するなどが有効です。
カメルーン国内でワクチンの接種はできますか?
現地の所定の医療機関で接種が可能です。詳しくは外務省の以下の資料をご覧ください。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/vaccine/pdfs/cameroon.pdf
ワクチン接種が推奨されている病気以外に気を付ける疾患はありますか?
首都を含む全土で悪性の熱帯熱マラリアが蔓延しています。他に、腸チフス・アメーバ赤痢・コレラ・髄膜炎菌性髄膜炎・狂犬病・住血吸虫症などにも注意が必要です。
カメルーンの衛生状態は良好ですか?
感染症などを防止するためにも、生水・生ものの摂取は避けましょう。また、都市部は大気汚染が悪化傾向にあり、12月~3月は砂塵で大気の状態が悪化します。
新型コロナウイルスに係る日本からの入国制限は実施していますか?
2023年12月現在、入国制限は実施していません。ただし、状況は随時変わるため、外務省海外安全ホームページなどから渡航前に最新の情報を確認してください。 https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html

Popular place

人気の渡航先

今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

Colum

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海外出張の際に必要な持ち物リスト。持って行った方が良いものは?

Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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