ベナン渡航前ワクチン（予防接種）や注意すべき感染症

ベナン渡航前の推奨ワクチン

ベナンへの渡航前に接種が推奨されているワクチンは、黄熱、A型肝炎、B型肝炎、ポリオ、髄膜炎、破傷風、麻疹、風疹、水痘、新型コロナウイルス、インフルエンザなどです。

黄熱

感染経路	黄熱は、蚊によって伝播する感染症であり、一度感染すると死亡率が高いものの、回復した場合は生涯にわたって免疫を獲得できます。
症状	この病気の潜伏期間は3～6日で、急な発熱や頭痛を引き起こします。
ワクチンについて	黄熱に対する予防接種は、世界的に副作用が非常に少なく安全であると認識されています。しかし、妊娠中の女性や卵・ラテックスに対するアレルギーがある人は、このワクチンを受けられません。

A型肝炎

感染経路	A型肝炎は、A型肝炎ウイルスによる一過性の急性肝炎が主症状である感染症です。A型肝炎ウイルスの感染経路は、経口感染と糞口感染であるため上下水道の衛生状態が悪い地域での感染リスクが高くなります。
症状	潜伏期間は2〜7週間ほどで、その後、発熱や倦怠感、黄疸が現れます。多くの場合、数週間程度の入院で後遺症もなく治りますが、稀に劇症肝炎となって命に関わる場合もあります。
ワクチンについて	A型肝炎ワクチンは不活化ワクチンで、2013年から1歳以上であれば接種が可能となりました。接種回数は3回で、1回目の2～4週間後に2回目を、6カ月後に3回目を接種します。

B型肝炎

感染経路	B型肝炎は、未消毒の医療器具使用、血液や体液の接触、性交渉などを通じて感染する病気で、主に発展途上国のアジア、アフリカ、南米で広く見られます。
症状	感染後の潜伏期間を経て、疲労感、食欲不振、嘔吐、腹部の痛み、黄疸などの症状が現れ、時には皮膚に発疹や関節痛が生じることもあります。
ワクチンについて	予防には、計3回接種するB型肝炎ワクチンが推奨されます。スケジュールは、1回目の4週間後に2回目、5～6カ月後に3回目です。

ポリオ

感染経路	ポリオは、口から体内に入り腸内で増殖するポリオウイルスによって引き起こされる、急性麻痺を伴う疾患です。腸内で増殖したウイルスは便を通じて他人に伝播するため、感染拡大のリスクがあります。
症状	この病気は成人も感染する可能性がありますが、特に乳幼児に多く見られます。感染後3〜35日で発症し、熱や頭痛、喉の痛みなどの症状が現れることがあります。
ワクチンについて	日本では、2012年9月から不活化ポリオワクチンの注射による定期接種が行われています。

髄膜炎

感染経路	髄膜炎は、患者のくしゃみによって空気中に散布された飛沫が別の人の呼吸器系を経由して体に入り、血液を通して脳の髄膜に到達し炎症を起こす感染症です。
症状	この病気は、発症前に1日から2週間の潜伏期間があり、その後、頭痛、高熱、首を動かしにくいなどの兆候が現れます。特に、首のこわばりは髄膜炎を示唆する重要な徴候です。
ワクチンについて	日本では、平成27年以降ワクチンが使用できるようになりました。ワクチンは1回の接種で約5年間の免疫が得られるとされています。

破傷風

感染経路	破傷風は、神経系を攻撃する破傷風菌の毒素によって引き起こされる疾患で、感染は主に傷から菌が侵入することにより起こります。
症状	潜伏期間は平均して10日間で、初期症状には筋肉の痙攣や硬直があります。進行すると重症状態になり、全身の筋肉が硬直し、体が曲がったり呼吸困難を引き起こしたりします。しかし、厚生労働省によれば、破傷風ワクチンを接種することでほぼ全員が充分な抗体を得られることが報告されています。
ワクチンについて	破傷風ワクチンは定期接種の中に含まれていますが、接種歴がない方は1回目の3～8週間後に2回目、2回目の1年～1年半後に3回目というスケジュールでワクチン接種を行います。

麻疹

感染経路	麻疹は空気感染することもある非常に伝染性の高い疾患です。飛沫感染や直接接触によっても広がるため、予防には十分な注意が必要です。
症状	この病気の典型的な症状には、皮膚の発疹や目の赤み、発熱、咳があります。また、肺炎や脳炎といった深刻な合併症を引き起こすリスクがあり、侮れない疾患です。
ワクチンについて	予防のためにはワクチンが推奨されます。通常2回接種が必要で、接種間隔は最低4週間とされています。

風疹

感染経路	風疹は、空気中の飛沫により伝播し、高い伝染性を持つ疾患です。
症状	この病気の典型的な症状には、リンパ節の腫れ、高熱、そして皮膚に出る発疹がありますが、感染者の中には症状が現れない人もいます。
ワクチンについて	風疹への予防策として、過去のワクチン接種状況を確認し、必要に応じてワクチンを受けることが推奨されます。ワクチン接種は2回行う必要があり、1回目の接種後、最低4週間の間隔を空けて2回目を接種します。

水痘

感染経路	水痘は、空気を介しても伝染する可能性がある感染性の疾患であり、空気中の微粒子や直接接触、飛沫感染によって広がります。
症状	この病気の典型的な症状として、皮膚に赤い斑点が現れることから始まり、次に水泡や膿疱が形成され、最終的にはかさぶたになって治癒に向かいます。
ワクチンについて	ワクチンによる予防が推奨され、2回の接種が必要です。水痘ワクチンは麻疹や風疹のワクチンと同様に、4週間の間隔を空けます。

新型コロナウイルス感染症

感染経路	新型コロナウイルス感染症は、飛沫・接触感染により感染しますが、無症状の方も存在します。
症状	発熱や咳などが症状として挙げられます。持病をはじめ重症化因子を持っている人は、重篤化するリスクがあるため、あらかじめワクチン接種をしておきましょう。
ワクチンについて	追加の接種は、前回のワクチン接種から3カ月を空けると受けられます。

インフルエンザ

感染経路	インフルエンザは、飛沫や接触で感染します。
症状	38度を超える高熱や全身の倦怠感をはじめ、全身症状が特徴として挙げられます。肺炎など重篤化する場合もあるため、安易に考えられない病気です。
ワクチンについて	重篤化を回避するには、ワクチン接種が効果的のため、渡航前の接種が重要です。インフルエンザワクチンの接種回数は、原則として13歳以上は1回、13歳未満は2回です。

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