オーストリア渡航前の推奨ワクチン
ヨーロッパのほぼ中央に位置し、8つの国々に囲まれるオーストリアは国際連合の分類上、西ヨーロッパに分類されます。西ヨーロッパ諸国への渡航では、長期・短期問わず、麻疹・風疹・水痘・インフルエンザ・新型コロナ、計5つのワクチン接種が推奨されています。
- 麻疹
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感染経路 麻疹(はしか)とは麻しんウイルスが原因の感染力が非常に強い、急性全身感染症です。感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染と多く、ヒトからヒトに伝播する点が特徴です。 症状 高熱や鼻水など風邪に似た初期症状の後、39℃以上の高熱が出て全身に発疹が生じ、稀に脳炎や肺炎に発展し死亡することもあります。 ワクチンについて 予防法としてはワクチンが有効なため、麻疹にかかったか、予防接種を受けたか不明な人は1回目から4週間間隔を開け、計2回の接種が推奨されます。
- 風疹
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感染経路 風疹とは風疹ウイルスを原因とする感染力の強い急性の発疹性感染症です。飛沫により感染し、ヒトからヒトへと伝播します。 症状 発熱や発疹、リンパの腫れなどを初期症状とし、重症化すると高熱の持続や関節炎の他、急性脳炎に至ることもあります。 ワクチンについて 成人で感染すると小児よりも重症化しやすいため、患歴や予防接種歴が不明な人はワクチン接種が推奨されます。予防にはワクチン接種が有効です。1回目から4週間間隔を開け、計2回接種します。
- 水痘
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感染経路 水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスが原因の発疹性の病気で、空気感染・飛沫感染・接触感染により広がります。 症状 水疱が典型症状ではあるものの、初期は発熱のみ認められ、次第に紅斑の発疹が始まり、水疱と膿疱を経て痂皮化(かさぶた)し治癒するのが典型例です。 ワクチンについて 成人が疾患すると髄膜炎や脳炎など、重症化しやすいため、患歴や予防接種歴が不明な人は1回目から4週間間隔を開けた計2回のワクチン接種が推奨されます。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症で、主な感染経路は飛沫感染と接触感染の2つです。北半球に位置するオーストリアでは、例年1~2月頃、流行のピークを見せます。 症状 発症により38℃以上の高熱や頭痛、全身倦怠感が急速に表れ、重症化すると肺炎などで死亡するリスクもあります。 ワクチンについて ワクチン接種により重症化を防げるため、海外渡航時の接種が推奨されます。1回目の接種後、4週間後に2回目を接種します。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルスとは、SARS-CoV-2やその変異株が原因の感染症で、全世界に感染が拡大しました。ヒトからヒトへは飛沫感染・接触感染により伝播します。 症状 発熱、咳、倦怠感、結膜炎などの主症状があり、稀に健康な成人の重症化による死亡も報告されています。 ワクチンについて ワクチン接種により重症化リスクを防げるため、海外渡航時の接種が推奨されいます。ワクチンの初回接種以降は前回の接種完了から3カ月以上空けると、追加接種が可能です。
各種ワクチン金額相場
オーストリア渡航前に接種が推奨される各種ワクチンの金額相場は以下のとおりです。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000円〜1万円/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
当クリニックでは、上記ワクチンを取り扱っています。原則、完全予約制で接種を実施しているため、希望者は「ワクチン仮申込フォーム」より、事前にお申し込みください。
オーストリア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
水痘・ 帯状疱疹炎 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・ 帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
生ワクチンは基本的に接種後4週間経つまで他のワクチンを接種できません。水痘などのワクチン接種が必要な方は、渡航から逆算し余裕を持ったワクチン接種スケジュールを組むようにしましょう。
オーストリアの基本情報
オーストリアはほぼ南樺太と同じ経度に位置するものの、地中海の影響により一年を通して過ごしやすい気候です。言語はドイツ語ですが、非英語圏の中では比較的英語が通じやすい点も特徴です。
国名 | オーストリア共和国(Republic of Austria) | 言語 | ドイツ語(英語も比較的通じます) |
---|---|---|---|
宗教 | キリスト教カトリック約55%、キリスト教プロテスタント約4%、イスラム約8% | 気候 | ヨーロッパの中でも温和な気候で、平均気温は青森から北海道に似ており、盛夏は35℃に達することがあるものの湿度が低く朝晩は冷え込みます。冬の最低気温は-8℃程度、12月下旬から3月までは平地でも雪が積もります。 |
服装 | 夏でも朝晩は冷え込むため羽織れる上着が必須です。雪が積もる冬場は厚手のコートと滑り止めのついた靴を用意しましょう。劇場で音楽鑑賞をするときはフォーマルウェアが必要です。 | 通貨 | ユーロ |
チップの習慣 | チップの習慣があります。一般的にはホテルであれば、1ユーロ程度、レストランやカフェ、タクシーはでは料金の10%程度が相場です。 | 文化 | 文化遺産や自然遺産が数多くある国です。首都ウィーンは音楽の都として知られており、毎年多くの観光客が訪れます。 |
時差情報 | 日本との時差は-8時間です。3月下旬から10月下旬までのサマータイム時は-7時間です。 | 治安情報 | オーストリア 危険・スポット・広域情報 |
オーストリアの渡航情報
オーストリアと日本は査証免除協定を締結しているため、通常の観光であればビザは不要です。ただし、2025年より導入予定のETIAS(エティアス、事前渡航認証制度)施行後は、事前に渡航認証の取得が必要になります。
ビザ情報 | 日本のパスポートがあれば、6カ月以内の就労を伴わない観光・商用・留学はビザが免除されます。 |
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パスポートの必要有効残存期間 | 必要有効残存期間はオーストリア(シェンゲン加盟国)出国時に3カ月以上あることが必要です。また、パスポートは過去10年以内に発行されたものでなくてはいけません。 |
入国カードの記入について | 入国カードは必要ありません。 |
入国に必要な手続き
オーストリアに入国する前にパスポートや航空券を準備しましょう。一般的な観光であれば、それほど手続きに手間はかかりません。
必要なもの
オーストリア入国時は、パスポートや航空券、クレジット、現金を最低限揃えましょう。
航空券
日本・オーストリア間の航空券を事前に手配します。なお、日本では東京/成田とウィーン間の直行便が運行しています。
パスポート
パスポートは所定の必要有効残存期間を満たし、過去10年以内に発行されたものが必要です。
クレジットカード
ホテルやレストランではクレジットカードを利用できます。VISAやMastercardなどが一般的です。
日本円またはユーロ
オーストリアでは銀行、郵便局、空港、主要駅、ホテル、街中の両替所などで日本円からユーロに両替できます。ただし、ユーロを直接持参した方が手間なくスムーズです。
必要な手続き
通常必要な手続きは入国審査のみです。必要に応じビザ申請や関税審査を受けましょう。
ビザ申請
6カ月以内の観光などであればビザの申請は不要です。6カ月以内の就労では短期滞在ビザ、ワーキングホリデーはワーキングホリデービザを渡航前に申請します。6カ月以上の長期滞在時は入国後に在留許可の申請が必要です。
入国審査
入国審査では英語、またはドイツ語で渡航の目的や滞在期間などを聞かれることがあります。とはいえ、質問されないこともあり、そこまで難しいことを聞かれることはありません。
税関検査
税関審査では、10,000ユーロ相当額の通貨(現金・有価証券)、所定数や量以上のタバコ、所定度数・量以上のアルコール、所定量以上の香水を持ち込む場合に申請が必要です。なお、無許可の肉類や乳製品は持ち込めません。
出国に必要な手続き
出国時も、入国時と同様にパスポートや航空券を事前に準備します。なお、日本への入国はVisit Japan Webを利用するとスムーズです。
必要なもの
出国日は事前に航空券の搭乗口や搭乗時刻を確認しておきましょう。
航空券
帰りの航空券を用意します。なお、国際便は搭乗手続きに2~3時間程度かかることもあるため、余裕を持って行動しましょう。
パスポート
出国時も入国時と同様にパスポートの提示が必要です。
必要な手続き
オーストリア出国時は出国審査やセキュリティ・チェックの他に、10,000ユーロ相当額以上の外貨やトラベラーズチェックを持ち出すときは税関審査が必要です。日本への入国手続きはVisit Japan Webを利用するとスムーズです。
Visit Japan Webへの登録
Visit Japan Web(入国手続オンラインサービス)とは、日本入国時の検疫・入国審査・税関申告で使用するサービスです。必要な情報をあらかじめ登録後、発行された二次元コードを提示すれば必要な審査を進められます。
Q&A
よくある質問
- オーストリア入国時にコロナワクチン接種証明書は必要ですか?
- オーストリア政府は2022年5月16日以降、新型コロナウイルスに関する入国制限を撤廃したため、接種証明書などの提示および渡航事前登録は全て不要になりました。
- オーストリア国内でワクチン接種を受けることは可能ですか?
- いくつかの医療機関でワクチンを摂取できます。詳しくは外務省の以下の資料を確認してください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/vaccine/pdfs/austria.pdf
- オーストリア国内で医療を受けるにはどうすればよいですか?
- 一般医や公立病院、私立病院を受診します。私立病院は原則予約制の他、医療費が高額なため海外旅行傷害保険などに加入しておくことをおすすめします。
- オーストリアの衛生面は良好ですか?
- 衛生状態は良好で水道水はそのまま飲用できます。
- オーストリア観光で気を付けることはありますか?
- 買い物のとき、商品を勝手に取り出すことはマナー違反のため、店員を呼んで取り出しましょう。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。