アルゼンチン渡航前の推奨ワクチン

南米の中でも南側に位置し、南北に長い国がアルゼンチンです。渡航時に接種が推奨されているワクチンは以下のとおりです。

A型肝炎
感染経路 A型肝炎はA型肝炎ウイルス感染による急性肝炎です。糞便に汚染された飲料・食品の摂取が原因の糞口感染が多く、上下水道設備が不十分な地域で多く発生しています。
症状 発症すると全身に倦怠感が表れ、重症化すれば1か月以上の入院が必要になることもあり、70歳以下で抗体保有率が低いため接種が望まれます。
ワクチンについて ワクチンは2~4週間隔で2回接種し、6か月以上滞在するのであれば6か月目にもう1回接種しましょう。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎はB型肝炎ウイルスによる急性肝炎です。成人では不適切な観血的医療行為による経皮的感染と、性交渉による感染が主原因です。
症状 初期症状は倦怠感が1週間程度続き、その後、嘔気嘔吐や黄疸が出現します。健康な成人では一過性感染が多いものの、急性肝炎を発症したうちの約2%では、致死率の高い劇症肝炎を発症します。
ワクチンについて 血液や体液に触れる可能性のある人でワクチン接種が推奨されており、4週間間隔で2回接種し、さらに20~24週間後に3回目の接種が必要です。
破傷風
感染経路 破傷風の原因となる破傷風菌は、世界中の土壌に存在し、傷口から体内に入り感染します。
症状 感染から3週間程度の無症状期間を経た後、口の開けにくさや体の痛みなどが表れます。さらに症状が進むと体全体にしびれや痛みが広がり、呼吸困難が表れた後死亡する可能性もあります。
ワクチンについて 12歳のときに定期予防接種で破傷風・ジフテリアワクチンを受けていれば、20代前半位までは免疫があるため接種は不要です。その後は1回の追加接種で約10年間有効な免疫がつくため、現在の状況に応じて受けましょう。
麻疹
感染経路 麻疹は麻しんウイルスが原因の病気で、感染力が非常に強く、唾液からの感染が主です。
症状 初期症状は高熱、咳、鼻水などがあります。熱が下がった後再び上昇し、全身に赤い発疹が生じます。稀に脳炎や肺炎に発展し死亡する場合があるため注意が必要です。
ワクチンについて 麻疹にかかったか、予防接種を受けたか不明な人はワクチン接種が望まれます。接種回数は2回、ワクチンを接種する間隔は4週間です。
風疹
感染経路 風疹とは風疹ウイルスによる急性の発疹性感染症で、感染経路はヒトからヒトへの飛沫感染です。非常に強い感染力を有する点が特徴です。
症状 成人の主症状には長期の高熱や発疹、関節痛があり、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併する可能性もあります。
ワクチンについて 風疹にかかったことがない、予防接種を受けたか不明な人はワクチン接種が望まれます。接種は2回実施し、初回と2回目の間隔を4週間空けましょう。
水痘
感染経路 水痘とは、水痘帯状疱疹ウイルスが原因の発疹性の病気で、いわゆる「みずぼうそう」です。感染経路には、空気感染・飛沫感染・接触感染があります。
症状 発症すると発熱が認められ、次第に紅斑の発疹が始まり、水疱、膿疱を経てかさぶたになり治癒します。
ワクチンについて 成人では水痘そのものの重症化リスクが高いため、水痘にかかったことがなく、予防接種を受けたか不明な人は接種を検討しましょう。接種は2回実施し、初回後4週間空けて2回目を接種します。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染で、アルゼンチンでは毎年5月~8月の冬の時期に流行します。主な感染経路は飛沫感染と接触感染の2つです。
症状 発症により38℃以上の高熱や全身倦怠感が表れ、肺炎など重症化するリスクもあります。
ワクチンについて 海外渡航時のワクチン接種が推奨されており、13歳以上は原則1回、13歳未満は1回目の接種後4週間の間隔をあけて2回目を接種します。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルスはSARS-CoV-2やその変異株が原因の感染症です。
症状 エアロゾル感染・飛沫感染・接触感染が主な感染経路で、発熱、咳、頭痛、筋肉痛、悪心が主症状です。肺炎などの重症化により多臓器不全に至ることもあるため、接種が推奨されます。
ワクチンについて ワクチンの初回接種以降は前回の接種完了から3カ月以上空けると、追加接種できます。

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各種ワクチン金額相場

アルゼンチンへの渡航時に接種が推奨される各種ワクチンの金額相場は以下のとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 1万円前後/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000円〜1万円/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回

当クリニックでは、上記の感染症ワクチンの接種を行っています。なお、予約については事前にご確認ください。

アルゼンチン渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
破傷風 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目(2回終了後1年~1年半)
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・ 帯状疱疹炎 生ワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
B型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回終了後1年~1年半
18ヶ月 3回目(2回終了後1年~1年半 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他のワクチン接種ができないため、スケジュールに注意が必要です。

 

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アルゼンチンの基本情報

南米・アルゼンチンは南北に長く、地域により気候が大きく異なります。そのため、渡航時は現地の気温を事前に確認し、体温調節ができるよう、一通りの服装を揃えた方がよいでしょう。

国名 アルゼンチン共和国(Argentine Republic) 言語 スペイン語
宗教 主にキリスト教(カトリックなど) 気候 日本と四季が逆転しているものの、概して穏やかです。南北に長いため北部・中部・南部・西部により気候が異なります。首都ブエノスアイレスでは1月(夏期)の平均気温が25℃前後、7月(冬期)の平均気温は11℃前後です。
服装 夏でも日没後に肌寒くなることがあるため、長袖や羽織れるものがあるとよいでしょう。冬の積雪はあまりないものの、風が強く冷え込むため、防寒対策が必要です。 通貨 ペソ
チップの習慣 サービスを受けたらチップを支払う習慣があるものの、タクシーには特に必要ありません。 文化 南米諸国の中で、最もヨーロッパ的文化を有する国です。芸術やサッカーなどのスポーツが盛んです。
時差情報 一年を通じて日本より12時間遅れています。サマータイムはありません。 治安情報 アルゼンチン 危険・スポット・広域情報

アルゼンチンの渡航情報

ビザ情報 日本のパスポートがあれば、90日以内の観光はビザが免除されます。
パスポートの必要有効残存期間 帰国日まで有効であれば問題ありません。
入国カードの記入について 空路で入国する場合、入国カードは必要ありません。

入国に必要な手続き

アルゼンチンへの入国時に必要な手続きは状況により異なることがあるため、事前に確認しましょう。

必要なもの
アルゼンチン入国時に必要なものは以下のとおりです。

航空券
空路の場合、日本・アルゼンチン間の航空券が必要です。事前に旅行会社などで手配しましょう。


パスポート
パスポートがなければ入国できません。有効期限は帰国日まで有効であればよいものの、6カ月以上あることが推奨されます。


クレジットカード
クレジットカードは、Visa、American Express、Mastercard、 Dinersが一般的です。ホテルや大きなレストランなどで利用できます。


日本円・米ドル
出国後に利用する日本円を持参しましょう。また、アルゼンチンでは円の両替を受け付けているところが少ないため、米ドルを持参した方が便利です。


必要な手続き
入国時は出入国審査を行い、状況によってはビザ申請や通関なども必要となります。

入国審査
入国時は有効なパスポートの提示と、指紋採取と顔写真の撮影が行われます。

ビザ申請
アルゼンチンに90日を超えて滞在する場合、以下、いずれかに申請し、事前に一時滞在査証、または永住査証を取得する必要があります。

・日本国内のアルゼンチン大使館か領事館
・第三国にアルゼンチン大使館か領事館

ワーキングホリデー制度を利用する場合は、駐日アルゼンチン共和国大使館ホームページのワーキングホリデー・ビザのページより詳細を確認してください。

外貨申告
一人あたり米貨1万ドル相当額(貴金属、有価証券等を含む)以上を持ち込むときは、所定の申請書により外貨申告が必要です。


税関検査
税関検査が必要なものがあるときは、職員に申告し、所定の手続きを行います。ない場合は、手続きは不要です。


出国に必要な手続き

日本への入国時は、Visit Japan Webに登録するとスムーズです。

必要なもの
出国にはパスポートと航空券が必要です。

航空券
帰りの航空券を準備します。搭乗口や搭乗時間を間違えないように注意しましょう。


パスポート
有効期限内のパスポートが必要です。


必要な手続き
アルゼンチン出国時は出国審査やセキュリティチェック、税関審査など必要に応じて手続きを行います。また、Visit Japan Webに事前登録すれば、日本入国時の手続きを簡略化できます。

Visit Japan Webへの登録
Visit Japan Webとは、日本入国時の検疫・入国審査・税関申告をオンラインでできるサービスです。事前登録すれば、登録完了時に発行される二次元コードを提示するだけで必要に審査を進められます。


Q&A

よくある質問

アルゼンチンへの渡航前に新型コロナワクチンの接種は必要ですか?
2022年8月26日以降、新型コロナウイルス関連の入国規制は解除されたため、ワクチンの接種、および証明書の提示は不要です。
アルゼンチン国内でワクチン接種を受けることは可能ですか?
いくつかの医療機関でワクチンを摂取できます。詳しくは外務省の以下の資料を確認してください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/vaccine/pdfs/argentin.pdf
食品や飲料水の衛生管理は良好ですか?
首都内の飲料水は飲用できるものの、微細な砂などが混入することがあるため、市販のミネラルウォーターをおすすめします。レストランは問題なく食事ができるものの、路上や屋台で売っている食品は避ける方が無難です。
アルゼンチン国内で医療を受けるにはどうすればよいですか?
病院の受診は事前予約が必要です。急病で予約をしていない場合は、日中でも救急外来を受診する必要があります。
感染症の他にアルゼンチン国内で注意することはありますか?
国内では毎年サソリ被害の報告があります。南部パタゴニアなど自然が豊かな地域ではムカデや蛇などの被害にも注意が必要です。

Popular place

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渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。

ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

マラリア

腸チフス

ヒトパピローマウイルス

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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