ガイアナ渡航前ワクチン（予防接種）や注意すべき感染症

ガイアナ渡航前の推奨ワクチン

ガイアナは南米大陸の北部に位置する国です。短期滞在ではA型肝炎・風疹・麻疹・水痘・インフルエンザ・新型コロナワクチンの接種が推奨されています。1カ月以上の長期滞在では上記に加え、B型肝炎・破傷風ワクチンも接種するとよいでしょう。なお、黄熱感染リスクのある国や地域を経由して入国するときは、黄熱予防接種証明書（イエローカード）の提示が求められるため、事前の予防接種が必須です。

黄熱

感染経路	黄熱はウイルスを保有する蚊が媒介する病気です。
症状	発症すると初期にはインフルエンザに似た症状が現れ、数日続いた後軽減します。軽症であればそのまま回復しますが、重症であればその後中毒期に移行します。中毒期には典型的な3徴候（黄疸・出血・蛋白尿）が見られます。中毒期に入った場合、致死率は20～50％です。
ワクチンについて	入国時にイエローカードを求められる国に渡航する際は事前のワクチン接種が必要で、1回の接種で生涯有効な免疫が獲得できます。なお、イエローカードは接種後10日から有効なので注意しましょう。

麻疹

感染経路	麻疹（はしか）は非常に感染力の強いウイルスで、空気感染・飛沫感染・接触感染などさまざまな方法で伝播します。
症状	感染すると風邪様症状が数日続いた後、高熱が出て赤い発疹が体中にできる点が特徴で、稀に脳炎や肺炎に発展することもあります。
ワクチンについて	疾患歴・予防接種歴が不明な人は、計2回、4週間の間隔を空けてワクチンを接種しましょう。

風疹

感染経路	風疹（風しん）は非常に感染力が強く、飛沫感染と接触感染により伝播します。
症状	発症すると軽い発熱・淡い発疹・リンパ節腫脹が見られます。大人が罹ると風疹の症状自体が重症化しやすいため注意が必要です。
ワクチンについて	風疹にかかったことがない、または予防接種を受けたか不明な人はワクチン接種が望まれます。接種は2回実施し、1回目から4週間空け2回目を接種します。

水痘

感染経路	水痘とはいわゆる「みずぼうそう」のことで、小児によく見られるものの大人でも感染します。飛沫感染・空気感染・接触感染を主経路としています。
症状	発症すると38度前後の高熱と水疱が生じる点が特徴です。成人期に罹患すると髄膜炎や脳炎などの合併症が生じることが多く、ワクチンでの予防接種が推奨されます。
ワクチンについて	罹患歴・予防接種歴が不明な人は計2回、4週間の間隔を空けて接種します。

インフルエンザ

感染経路	インフルエンザは毎年世界各地で流行を見せ、南半球では7～8月頃に流行のピークを迎えます。
症状	飛沫感染と接触感染を主とし、感染すると発熱・咽頭痛・関節痛などの症状を示します。先進国でも肺炎により死亡した例があるため、重症化防止のため海外渡航者にはワクチン接種がおすすめです。
ワクチンについて	接種回数は、原則として13歳以上は1回、13歳未満は2回です。

新型コロナウイルス感染症

感染経路	新型コロナウイルスは2019年の発見より世界的大流行を見せました。エアロゾル感染・飛沫感染・接触感染の3つを主経路としています。
症状	感染すると発熱や上気道症状の他、味覚や嗅覚の障害、後遺症など多彩な症状が現れる点が特徴です。
ワクチンについて	健康な人でも重症化や死亡例があるため、海外渡航時はワクチン接種によるリスクの軽減が推奨されます。1回目の接種が完了している場合、3カ月以上空けると追加接種できます。

A型肝炎

感染経路	A型肝炎はウイルスによる急性肝炎で、上下水道の整備されていない地域でよく見られ、汚染された飲食物が原因の糞口感染により伝播します。
症状	発熱や全身倦怠感、肝機能低下による黄疸を主症状とし、年齢が上がるほど重症化しやすい傾向があります。
ワクチンについて	ワクチンでの予防接種が有効で、途上国に渡航する人や70歳以下で抗体保有率が低い人に推奨されます。2～4週間隔で2回接種し、6カ月以上滞在するのであれば6カ月目に3回目の接種が必要です。

B型肝炎

感染経路	B型肝炎はウイルスによる急性肝炎です。成人では血液を介して感染が広がるため、注射針の使いまわし（経皮的感染）や性交渉（経粘膜感染）が主な感染経路です。
症状	発症した場合、1～6カ月の潜伏期間の後、発熱や倦怠感、黄疸などが生じ、稀に致死率が約70%の劇症肝炎を発症することもあります。
ワクチンについて	ワクチンが予防に有効なので、渡航先に長期滞在をする人などは1回目の4週間後に2回目、5～6カ月後に3回目というスケジュールで接種をしましょう。

破傷風

感染経路	破傷風は、世界中の土壌に存在する破傷風菌が傷口から体内に入ることで感染する神経疾患です。
症状	口を開けにくいなどの初期症状の後、全身性の筋強直による窒息などで死亡する危険もある病気です。
ワクチンについて	発症時の致死率が30％と高いため、冒険旅行や長期滞在を予定している人にワクチン接種が推奨されます。なお、12歳で定期予防接種を受けていれば、20代前半位までは免疫があります。その後は1回の追加接種で約10年間有効な免疫がつくため、現在の状況を確認しましょう。

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