アルバニア渡航前の推奨ワクチン
アルバニアは、1年を通して暖かく中央部に位置する首都ティラナは、北海道とほぼ同じ緯度にあります。ヨーロッパの南東部にあるアルバニア渡航前に、接種を推奨するワクチンは、A型肝炎・B型肝炎・ポリオ・麻疹・風疹・水痘(すいとう)・破傷風・インフルエンザ・新型コロナです。以下では、それぞれの症状や特徴を解説します。
- A型肝炎
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感染経路 A型肝炎とは、A型肝炎ウイルスによって引き起こされる急性肝炎のことです。 症状 主に、アルバニアのような上水道配管の保守が悪い地域で流行しています。糞便により汚染された食べ物や水を接種するなど、経口感染がほとんどです。潜伏期間は28日程度で、症状としては食欲の低下・全身の倦怠感・嘔吐・発熱・腹痛・下痢・黄疸などが挙げられます。 ワクチンについて A型肝炎の予防ワクチンは、約半年間の期間が必要になります。そのため、接種を検討する場合には、期間に余裕を持ってプランを立てましょう。また、アルバニア現地では、水道水や加熱されていない食べ物は避けることをおすすめします。
- B型肝炎
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感染経路 B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が肝臓に感染して発症する炎症(肝炎)のことです。B型肝炎への感染経路は血液感染で、輸血などから体内に侵入します。 症状 潜伏期間は平均90日程度で、初期の症状では疲労感・倦怠感・食欲の低下などが見られます。その後、嘔吐や腹痛などが現れ、関節痛や関節炎などの症状が出る場合もあります。 ワクチンについて B型肝炎の予防ワクチンは、4週間の間に2回と20〜24週あけて1回の3回接種です。B型肝炎は、性交渉でも感染する場合があるため、不特定の人との性交渉にも注意しましょう。
- ポリオ(急性灰白髄炎)
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感染経路 ポリオとは、ポリオウイルスに感染することで、急性の麻痺が起こる病気のことです。 症状 主に、経口感染で人の口から体内に入り、腸の中で増殖します。また、ポリオウイルスを保有する人が排泄した便から、さらに他の人に感染するのが特徴です。ポリオの症状には、頭痛・発熱・喉の痛み・吐き気・嘔吐などがあります。感染をした多くの人に症状が現れず、気付かない間に免疫ができますが、最悪の場合には後遺症が残ったり、呼吸困難で死亡することがあります。 ワクチンについて ワクチン未接種の方は、初回接種から3~8週間の間隔をあけて2回目、さらに3~8週間の間隔をあけて3回目を接種し、3回目から1年~1年半後に4回目を接種しましょう。ポリオのワクチンも、余裕を持った接種スケジュールを立てることが大切です。
- 麻疹・風疹
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感染経路 麻疹は「はしか」とも呼ばれる、麻疹ウイルスによって発症する感染症のことです。風疹は飛沫・接触感染が感染経路です。 症状 主に空気感染で、ワクチンを受けていない人への感染率が非常に高いのが特徴です。症状としては、高熱・倦怠感・咳・くしゃみなど、風邪のような症状が多く見られます。また、回復期には発疹の症状が現れるケースも少なくありません。 ワクチンについて 予防ワクチンの接種で95%の免疫効果が期待できるので、気になる方はワクチン接種を検討してみてください。また、日頃の手洗い・うがいなどの衛生管理も大切です。
- 水痘(水疱瘡)
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感染経路 水痘(すいとう)は、水痘・帯状疱疹ウイルスにより感染する病気です。 症状 感染すると、発熱・全身の発疹・肺炎・細菌感染の合併・脳炎など、さまざまな症状が現れます。最悪の場合には、死に至るケースもある恐ろしい病気です。 ワクチンについて そのため、渡航前にワクチン接種を済ませておくことが推奨されます。
- 破傷風
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感染経路 破傷風は、破傷風菌に感染すると発症する病気で、発症した場合には致死率が非常に高いのが特徴です。 症状 症状としては、口が開きにくくなる・体の痛み・首筋の張りなどが見られます。また、悪化すると歩行困難、排尿・排便障害も現れます。 ワクチンについて 傷口から破傷風菌が入り込み、あらゆる神経に作用し、ほとんどの場合が死に至ります。そのため、あらかじめ予防ワクチンの接種が推奨されます。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルス感染症は、飛沫や直接の接触を介して広がります。無症状の感染者も存在します。 症状 発熱や咳といった症状が見られ、既存の疾患を持つ場合は重症化する可能性があるため、ワクチン接種が推奨されます。 ワクチンについて ワクチン接種は2回行われ、初回接種後3カ月経過した後に2回目の接種が可能です。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、飛沫感染や直接の接触により広がります。 症状 全身に疲労感を伴う38度以上の高熱などの全身症状が特徴的です。肺炎などへの重篤化のリスクもあるため、軽視してはなりません。 ワクチンについて 重症化を防ぐためには、ワクチン接種が有効で、特に海外旅行前の接種が推奨されます。インフルエンザのワクチンは、13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。2回の接種が必要な場合は、初回接種後4週間をあけて2回目を受けます。
各種ワクチン金額相場
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
B型肝炎ワクチン | 5,000〜8,000円/回 |
ポリオワクチン | 7,000〜1万円/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000〜1万円/回 |
破傷風ワクチン | 3,000~5,000円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
当クリニックでは、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、ポリオワクチン、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、破傷風ワクチン、インフルエンザワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)を取り扱っております。
アルバニア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
ポリオ | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目(1回目終了後3~8週間) 3回目(2回目終了後3~8週間) |
4回目 | ||||||||
麻疹・風疹 | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
破傷風 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
B型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | 3回目 | |
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
ポリオ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | ||
3~8週間 | 2回目(1回目終了後3~8週間) 3回目(2回目終了後3~8週間) |
||
12~18ヶ月 | 4回目(3回目終了後1年) |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | s | |
6ヶ月 | s | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
破傷風 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | 2回目 | |
4週間 | 2回目 | 8週間 | 2回目 |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
感染症予防ワクチンは、1回で接種が完了するもの、接種間隔に短期間・長期間かかるものなどさまざまです。また、中には強い副作用が出る場合もあります。そのため、渡航前のワクチンを検討する方は、余裕を持ってワクチンの接種計画を立てなければなりません。また、持病などをお持ちの方は、特にご自分の体調や体質も考慮した上で、ワクチン接種を受けてください。
アルバニアの基本情報
ヨーロッパ南東にあるバルカン半島の南西部に位置するアルバニアは、コラビ山をはじめとする山岳地帯です。1年を通して温かい地中海性気候で、食品衛生管理には特に気をつけなければなりません。ここからは、アルバニアの基本情報をまとめます。
国名 | アルバニア共和国 | 言語 | アルバニア語 |
---|---|---|---|
宗教 | イスラム教、ローマカトリック、正教 | 気候 | 内陸部大陸性気候で、夏は暑くて乾燥しています。一方、冬は寒冷で湿度が高く、雪も降ります。ただし、海岸部は地中海性気候なのが特徴です。夏は暑いため、熱中症にはくれぐれも注意しましょう。 |
服装 | 足場が悪いところがあるため、歩きやすい服装・靴を準備するのがおすすめです。 | 通貨 | レク |
チップの習慣 | 基本的にチップを渡す必要はありません。 | 文化 | 治安の良くない地域が多いため、観光客を狙った犯罪も多発しています。アルバニアに行く際には、防犯対策もしっかりしておきましょう。 |
時差情報 | 日本との時差は-8時間で、日本の方が早く進んでいます。 | 治安情報 | アルバニア 危険・スポット・広域情報 |
アルバニアの渡航情報
アルバニアは、日本のパスポート保有者に対し、ビザ免除措置をとっています。そのため、90日以内の短期滞在であればビザの取得は不要です。ここからは、アルバニアの渡航情報を表にまとめます。
ビザ情報 | 180日間のうち、入国日を含め90日以内の滞在の場合、入国ビザの取得は不要です。 |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | 入国時から6カ月以上の有効残存期間が必要です。 |
入国カードの記入について | 出入国カードの記入は不要です。 |
入国に必要な手続き
アルバニアに入国するまでに必要なものや手続きについては以下のとおりです。
必要なもの
アルバニア入国時には、航空券とパスポートが必要となります。
パスポート
パスポートの有効残存期間が6カ月以上残っていることを事前に確認しておき、必要なら更新手続きを早めに済ませておきましょう。なお、180日間のうち、90日以内の滞在であれば、ビザの申請は不要です。
航空券
入国時には、航空券の提示が必要です。2024年2月現在、日本とアルバニアを結ぶ直行便は就航していないため、他国の空港を経由しての渡航となります。
必要な手続き
アルバニア入国時に行われる手続きは、入国審査と税関検査の2つです。
入国審査
審査カウンターへ並び、係員にパスポートを提示します。審査を通過したら、荷物を受け取りに向かいましょう。
税関検査
アルバニアでは、現地通貨で100万レク相当以上の外貨を持ち込む際に事前の申告が必要とされています。また、タバコ類やアルコール類にも免税範囲が定められているため、持ち込みを検討している場合は事前に確認しておくとよいでしょう。
出国に必要な手続き
アルバニアから出国する際には以下の持ち物と手続きが必要です。
必要なもの
出国する際は、航空券とパスポートが必要です。
パスポート
航空券とともに出国審査で提出します。
航空券
出国審査の際、パスポートとともに提示するため、すぐに取り出せる場所に保管しておくのがおすすめです。
必要な手続き
アルバニアから出国するためには以下の手続きが必要です。
出国審査
チェックインを済ませた後、出国審査カウンターに並び、帰りの航空券とパスポートを係員に提示しましょう。
Q&A
よくある質問
- アルバニアで注意することはありますか?
- アルバニアは運転マナーの悪いドライバーが多いため、歩行中にはできるだけ交通事故に遭わないよう注意を払いましょう。
- アルバニアの水道水は飲めますか?
- 上水道配管の保守が悪いため、水道水は飲まないようにしましょう。
- アルバニアは医療がどの程度発達していますか?
- 設備面では先進国とほぼ同等の医療施設もありますが、専門的な治療に関しては不十分な点も多いとされています。
- アルバニアへ入国する際にワクチン証明は必要ですか?
- 2022年5月1日以降、ワクチン接種証明書や陰性証明書の提示は不要となりました。
- アルバニアでパスポートを紛失したらどうすればよいですか?
- パスポートを紛失した際は、最寄りの警察署で紛失証明書を発行してもらう必要があります。その後、日本大使館に行き、再発給の手続きを行いましょう。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。