公開日:2024.02.29更新日:2024.02.29
海外旅行で考えられる主な危険・リスクと、それへの対策リスト
海外旅行には新しい発見や楽しみが満載ですが、同時に予期せぬリスクや危険に遭遇する可能性も否定できません。旅行中のトラブルや危険は様々で、それには病気、怪我、犯罪、自然災害、政治的不安定さなどが含まれることがあります。そのため、事前の準備と計画が、安全で快適な旅行を確保する鍵となります。
本記事では、これらのリスクと対策に加えて、海外旅行を安全に楽しむためのさらなるヒントやアドバイスを提供します。事前の準備をしっかりと行い、安心して旅行を楽しむためのステップをご紹介します。
海外旅行で考えられる主な危険・リスクと、それへの対策リスト
以下では、海外旅行で考えられる主な危険・リスクと、それへの対策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
病気や感染症のリスク
まず最初に考えられるのは、病気や感染症のリスクです。異なる気候や環境、衛生状態により、風邪、食中毒、熱帯病などのリスクがあります。特にアフリカの発展途上国などでは、多様な感染症が流行しています。
こうした病気や感染症対策として、海外旅行前に必要な予防接種を受けましょう。衛生的な飲食を心がけ、手洗いを頻繁に行うのも有効です。旅行先の医療情報を把握し、必要な医薬品を携帯しましょう。
犯罪に巻き込まれるリスク
海外旅行でよくあるリスクとして、スリや強盗、詐欺などの犯罪に遭遇する可能性も否定できません。
こうしたリスクに対処するためには、貴重品は最小限にし、ホテルのセーフティボックスを利用するのが有効です。夜間の一人歩きを避け、人通りの少ない場所を通らないことも重要になります。旅行先の安全情報を事前に確認し、危険な場所には行かないようにしましょう。
交通事故のリスク
海外旅行先では、交通規則の違いや道路状況の悪さにより、交通事故に巻き込まれるリスクもあります。特に、交通量が多い発展途上国などでは注意が必要です。
対策としては、現地の交通ルールを事前にある程度頭に入れておきましょう。公共交通機関を利用する場合は、信頼できる情報を基に選択します。レンタカーを使用する場合は、保険に加入しておくことも重要です。
自然災害のリスク
海外旅行先でも、日本と同様、地震、台風、洪水など、旅行先によっては自然災害のリスクがあります。
自然災害は基本的に対策しようがないものの、あらかじめ旅行先の自然災害の履歴や季節を調べておき、適切な時期に旅行を計画すすればある程度まではリスクを防げるでしょう。現地の緊急連絡先や避難所の情報を把握しておき、緊急時用の非常持ち出し袋を準備しておくことも重要です。
言語や文化の違いによるリスク
海外旅行先では、言語の壁や文化的な誤解がコミュニケーション障害や誤解を招く可能性があります。
そうならないよう、基本的な現地の言語を学んだり、文化や慣習について事前に調べたり、翻訳アプリを利用したりする必要があるでしょう。
カードの紛失や盗難
海外旅行先では、クレジットカードの紛失や盗難にあう可能性もあります。もし万が一、クレジットカードを盗難されてしまったら、旅行中の金銭管理に大きな問題を引き起こします。
そうならないよう、クレジットカードは分散して保管し、常に監視しておきましょう。紛失や盗難に備えて、カード会社の緊急連絡先を控えておくことも重要です。
パスポートの紛失や盗難
パスポートの紛失や盗難は、帰国や法的な問題を引き起こす可能性があります。
そうならないよう、パスポートのコピーを複数作成し、安全な場所に保管しておきましょう。また、オリジナルのパスポートはホテルのセーフティボックスなどに保管しておくのもおすすめです。
食中毒
海外旅行先では、衛生状態が悪い食品や水から食中毒になるリスクがあります。
そうならないよう、衛生的な飲食店を選び、生水の摂取を避け、生ものは控えましょう。
テロや政治的不安
一部の国や地域では、テロや政治的不安が旅行者の安全に影響を与える可能性があります。
そうした危険な国や地域に渡航しないよう、あらかじめ渡航を予定している地域の最新の安全情報をチェックしておきましょう。危険な地域の訪問は避ける方が無難です。また、そもそも渡航できない地域もあるのでご注意ください。
動物による危険
海外旅行先では、野生動物や病気を媒介する動物によるリスクもあります。
あらかじめ野生動物に近づかないようにしたり、必要な予防接種を受けたりなどの対策が必要です。
海外旅行時の危険に備えるためのワクチン接種
海外旅行時のリスクには備えが必要です。その中でも、病気や感染症のリスクは、予防接種によってある程度まで緩和することができます。以下では、海外旅行前に予防接種しておくべき感染症についてご紹介します。
A型肝炎
A型肝炎に感染すると、顕著な倦怠感を感じることがあり、症状が重篤化すると1ヶ月以上の長期入院が必要になることがあります。この病気は、十分に加熱されていない食品や汚染された飲料水を介して感染する可能性があります。予防のためには、ワクチンを最初の接種から2~4週間後に2回目を接種し、6ヶ月以上の長期滞在を予定している場合は、6ヶ月後にさらに1回接種することが推奨されています。
B型肝炎
B型肝炎は、一般的に健康な成人が感染した場合、多くは一過性の感染であり、急性肝炎を経験するか、あるいは症状が現れない不顕性感染のいずれかになることが多いです。この病気の予防には、ワクチンが有効で、最初の接種から4週間後に2回目を接種し、その後20~24週間後に3回目の接種を行います。
風しん
風しんも人から人に感染する病気です。子供の頃に2回予防接種することになっていますが、受けたことがない方は予防接種することをおすすめします。
麻しん
麻しんも人から人に感染する病気で、咳や発熱などの症状が出ますが、まれに死亡者が出ることもあります。子供の頃に予防接種を受ける方が多いですが、受けていない方は予防接種を受けてから海外に行かれることをおすすめします。
破傷風
破傷風は、傷口を通じて感染する病気であり、日本国内でも年間を通して症例が報告されています。12歳の時に定期的に行われる破傷風・ジフテリアの予防接種を受けると、おおむね20代前半まで免疫が持続するため、その期間中は再接種の必要はありません。しかし、このワクチンを受けていない場合は、予防接種を検討することが推奨されます。さらに、その後は約10年ごとに1回の追加接種が必要になり、これによって継続的な免疫を維持できます。
狂犬病
狂犬病は、犬や狐、アライグマなど、狂犬病にかかっている動物に噛まれることで発症する病気で、発病した場合にはほぼ確実に死に至ります。そのため、流行している地域に行く際には必ず予防接種を受けておきましょう。基本的に3回の摂取が必要になるので、計画的に予防接種しなければなりません。
ポリオ
ポリオは、アフリカや中東など幅広い地域において流行している病気で、感染すると急性の麻痺を引き起こすことがあります。このような地域への渡航を計画している場合、過去にポリオの予防接種を受けていたとしても、出発前に追加のワクチン接種を行うことが推奨されます。
黄熱
黄熱は、主に南米やアフリカで発生する病気で、蚊によって伝播されるウイルス性の感染症です。一般的に致死率は5~10%程度ですが、流行時や免疫がない旅行者の場合、致死率が60%を超えることも報告されています。このような地域へ旅行する際には、黄熱に対する予防接種を事前に受けることが非常に重要です。
日本脳炎
日本脳炎は、蚊の媒介によって感染し、高い死亡率を有する疾患です。特にアジア地域では流行しています。この病気の予防には、ワクチンが効果的で、初回接種後1~4週間の間隔をあけて2回目を接種し、その後約1年後に追加接種を行います。基礎免疫が完了すると、その後は1回の接種で約4~5年間の免疫が維持されます。
髄膜炎菌感染症
髄膜炎は、脳を取り囲む髄膜の炎症を引き起こす病気で、その原因となるのは多様な細菌やウイルスです。特に、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は髄膜炎の広範な流行の原因となることがあります。この菌は、感染者が発する飛沫や喉の分泌物を介して人から人へと伝播します。アジアやアフリカなどの一部地域で流行しています。
ジフテリア
ジフテリアは人の咳によってうつる感染症です。定期の予防接種を12歳時に受けていれば、20代前半くらいまでは免疫があります。その後は、10年間ごとに1回の追加接種を受けるのが推奨されています。
新型コロナウイルス
新型コロナウイルスについては、いまだに一部の国や地域でワクチン摂取証明書が入国の際に必要な場合があります。
海外旅行時の危険に備えましょう
以上、海外旅行で考えられるリスクと、それへの対策についてご紹介しました。
海外旅行前には必ず渡航先の国・地域で流行している感染症について調べ、予防接種を受けてから出発しましょう。