サウジアラビア渡航前ワクチン（予防接種）や注意すべき感染症

サウジアラビア渡航前の推奨ワクチン

サウジアラビアは、日本の国土の約6倍、アラビア半島の約80％を占める広大な国です。そのサウジアラビアへの渡航前には、A型肝炎、麻疹、風疹、水痘、新型コロナウイルス、インフルエンザなどのワクチン接種が推奨されています。

A型肝炎

感染経路	A型肝炎は、感染した人の排泄物に存在するウイルスが食べ物に移り、その食べ物を経口摂取することによって人から人へと伝播する疾患です。
症状	発症すると、高熱、倦怠感、食欲減退、悪心や嘔吐、黄疸などの典型的な症状が現れます。感染後に症状が出るまでの潜伏期間は約2～7週間と長く、海外旅行から帰ってきた後に感染していても、直ちには自覚できないことがあります。
ワクチンについて	予防策としては、3回のワクチン接種が推奨されており、全ての接種を終えると約5年間の免疫が得られるとされています。

麻疹

感染経路	麻疹（はしか）は、麻疹ウイルスが原因で引き起こされる急性の感染症であり、極めて高い感染性を持ち、空気中の微粒子や直接的な接触を通じて人から人へと伝播します。
症状	典型的な症状には、高熱、咳、鼻みず、目の充血、そして皮膚に現れる発疹が含まれます。この病気は稀に、肺炎や脳炎などの深刻な合併症をもたらすことがあり、1,000人に1人の割合で死亡するといわれています。免疫を持っていない人がこのウイルスに感染した場合、発症する可能性が非常に高く、一度感染して回復すると、その後は生涯にわたり免疫が続くとされています。
ワクチンについて	麻疹にかかったことがない、予防接種を受けていない、または予防接種の記録が不確かな人には、2回の予防接種が推奨されており、その間隔は4週間とされています。

風疹

感染経路	風疹は、感染力の強い急性のウイルス性疾患で、主な症状は発熱、発疹、リンパ節の腫れなどです。
症状	感染した場合は2～3週間後に症状が現れます。子供は比較的軽症ですが大人は症状が長引き、関節痛が激しくなることもあり、稀に脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を引き起こします。特に妊娠初期の感染は、新生児に先天性風しん症候群（難聴・白内障・心臓の病気などを持って生まれてくる）を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。
ワクチンについて	ワクチン接種は、95％以上の人が風疹ウイルスに対する免疫を獲得できるとされ、2回の接種（接種間隔4週間）で免疫が強化されます。

水痘

感染経路	「みずぼうそう」とも称される水痘は、ウイルスによる発疹が特徴的な感染症です。この病気は、空気や飛沫、直接の接触によって伝播し、約2週間の潜伏期を経た後に症状が出始めます。
症状	通常、発熱の後に発疹が現れ、それが水ぶくれとなり最終的にはかさぶたに変わって治ります。小児に多い疾患ではありますが、成人においてはより重い症状になることがあります。
ワクチンについて	予防策として、水痘ワクチンが推奨されており、1回の接種で重症化を大幅に防げ、2回接種することで軽症も含めた発症リスクを減少させることが可能とされています。

新型コロナウイルス感染症

感染経路	新型コロナウイルス感染症には、感染者の咳やくしゃみ、口や鼻からの飛沫やエアロゾルの吸引、または接触によって感染します。
ワクチンについて	疾患のある人や重篤化リスクのある人は、予防のためのワクチン接種が望まれます。前回の接種から3カ月後には、追加のワクチン接種が可能です。

インフルエンザ

症状	インフルエンザは、風邪の典型的な症状に加えて急激に38度以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の疲労感などが現れるのが特徴です。免疫力が低下している人や高齢者は、肺炎などの二次感染を引き起こし重篤化するリスクがあります。
ワクチンについて	インフルエンザを予防するには、ワクチン接種が有効で、接種の間隔は4週間空けることが推奨されています。

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