アイスランド渡航前の推奨ワクチン

北海道よりも少し大きな国土のアイスランドは、火山や氷河、フィヨルドが織りなす景観が特徴的な国です。アイスランド渡航前に接種が望ましいワクチンは、以下の5種類になります。

・狂犬病
・破傷風
・水痘
・A型肝炎
・B型肝炎

それぞれの感染経路や症状、ワクチン接種回数について解説します。

狂犬病
感染経路 日本で近年発生報告がない狂犬病ですが、世界各地では依然として発症報告が絶えない感染症です。感染は、狂犬病ウイルスに感染した野生動物(イヌやネコ、コウモリなど)に咬まれた際に唾液を介して感染します。
症状 1〜3カ月間の潜伏期間を経て発症し、発熱・食欲不振の症状が現れた後に、不安感や興奮、麻痺などの重篤な症状が発生し、昏睡状態に陥ります。また、感染した場合は、最終的に死に至る可能性の高い病です。
ワクチンについて 予防として有効なのは狂犬病のワクチンで、3回の接種が必要です。接種は、1回目の接種から1週間程度あけて2回目、3〜4週間程度あけて3回目の間隔で実施されます。
破傷風
感染経路 破傷風は、世界中のあらゆる土壌に分布する破傷風菌が体内に入り込んで感染する病です。感染経路は、傷口です。破傷風菌は、ヒトからヒトへの感染経路がない感染症です。例えば、家畜などの糞便などで汚染された土壌が傷口に触れると感染する可能性があります。また、破傷風の潜伏期間は、3日〜3週間ほどと個人差があります。
症状 症状は、筋の痙攣や硬直などで、全身性破傷風に進行した場合の致死率は10~20%です。
ワクチンについて ワクチン接種は、1回目接種から3~8週間後に2回目、2回目接種から1年以上あけて3回目の間隔で実施します。破傷風ワクチンを接種する場合は、早めの予定を立てて行動しましょう。
水痘
感染経路 水痘帯状疱疹ウイルスが引き起こす水痘は、一般に「みずぼうそう」と呼ばれ、9歳以下での発症が90%を占める感染症です。ただし、成人がかかった場合は、重症化することの多い危険な感染症なので注意しましょう。
感染経路としては、空気感染や飛沫感染、接触感染など、ヒトからヒトへ感染します。症状は、発熱や発疹、頭痛、食欲低下などです。
症状 熱が数日続いた後、徐々に回復へ向かう傾向ですが、合併症の危険性も孕んでいます。
ワクチンについて ワクチンは2回の接種が必要で、4週間程度の間隔をあけて2回目の接種となります。
A型肝炎
感染経路 A型肝炎ウイルスによる感染症であるA型肝炎は、発展途上国を中心に流行している一過性の病です。感染経路は、汚染された水や食べ物などを介して感染します。
症状 潜伏期間は平均4週間ほどで、発熱や倦怠感、食欲不振などの症状が現れます。
ワクチンについて A型肝炎を予防するワクチンは不活化ワクチンで、接種は計3回必要です。2回目接種は1回目から2~4週間、3回目のワクチン接種は1回目から6カ月以上あけての接種となります。
B型肝炎
感染経路 B型肝炎はB型肝炎ウイルスが引き起こす肝臓の感染症で、世界中で毎年78万人が死に至る恐ろしいウイルス性の病です。母子感染や性行為、汚染された注射針などが主な感染経路です。6歳未満で感染すると慢性化するリスクが高いとされています。
症状 B型肝炎ウイルスに感染すると、個人差はあるものの黄疸や褐色尿、倦怠感、嘔吐、腹痛などの症状が生じます。
ワクチンについて B型肝炎のワクチンは、抗体ができるまでに3回の接種が必要です。接種は、1回目から4週間程度あけて2回目、1回目から5〜6カ月以上あけて3回目が実施されます。

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各種ワクチン金額相場

アイスランドへ渡航する際、接種が推奨される各種ワクチンの金額相場は、このとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
狂犬病ワクチン 1万5,000~2万円/回
破傷風ワクチン 3,000~5,000円/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000円〜1万円/回
A型肝炎ワクチン 1万円前後/回
B型肝炎ワクチン 5,000〜8,000円/回

ワクチンは地域や医療機関によって価格差があるので、お住まい地域の医療機関にお問い合わせください。ワクチンによっては取扱いがない場合もあるので、事前に接種予定の医療機関に確認しておきましょう。

アイスランド渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
狂犬病 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
破傷風 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目(2回目終了後
1年~1年半)
水痘・ 帯状疱疹炎 生ワクチン 1回目 2回目
A型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 1回目 2回目 3回目
病名 ワクチンの種類
狂犬病 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間 2回目
2週間 3週間 3回目
4週間 3回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
破傷風 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間 2回目
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月 3回目(2回目終了後
1年~1年半
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
A型肝炎 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 不活化ワクチン
B型肝炎 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月 3回目
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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推奨ワクチンは2回目までは4週間ほどまでには接種可能ですが、3回目の接種までにはあきがあります。破傷風やA型肝炎、B型肝炎は、3回目の接種まで6カ月~1年ほど間隔をおく必要があるので注意しましょう。

 

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アイスランドの基本情報

火山や氷河が織りなす景観が印象的なアイスランドは、北極圏に接した高緯度にある島国です。ここでは、アイスランドの文化や気候などの基本情報についてまとめました。

国名 アイスランド共和国 言語 アイスランド語
宗教 主に福音ルーテル派(国教で人口の8割) 気候 高緯度に位置する割には、暖流と地熱の影響で冬も比較的穏やかな寒さ
服装 ・夏場でも気温が高くないので、上着やセーターは必要です
・冬場の気温は比較的やわらかな寒さですが、天候が変わりやすいため防寒着は必需品となります
通貨 アイスランド・クローナ
チップの習慣 日本と同様に、チップを渡す習慣はありません 文化 公共の場やレストランなども基本的に全面禁煙なので、喫煙者は注意
時差情報 -9時間(日本の方が9時間進んでいます) 治安情報 アイスランド 危険・スポット・広域情報

アイスランドの渡航情報

アイスランドに渡航する際は、パスポートの所持と条件が揃えばビザの取得が不要です。

ビザ情報 観光や知人訪問の目的で、3カ月間以内の滞在、かつパスポートを所持していればビザの取得は不要
パスポートの必要有効残存期間 入国時の残存期間が3カ月以上あり、10年以内に発行されたパスポート所持が必要
入国カードの記入について 不要

入国に必要な手続き

アイスランド入国で必要な手続きは、基本的に入国審査と税関検査の2つです。ただし、シェンゲン協定加盟国であるアイスランドは、協定加盟国からの入国であれば入国審査がありません。シェンゲン協定未加盟国から入国の場合は、最初に入国するシェンゲン協定加盟国だけで入国審査があります。

必要なもの
アイスランド入国の際は、以下のものが必要です。

航空券
アイスランド入国では、日本からアイスランドまでの航空券が必要です。アイスランド渡航の際は、直行便がないために乗り継ぎ便の手配も必要です。航空券は、航空会社や旅行代理店で購入できます。


パスポート
アイスランド入国には、パスポートの発行が10年以内で、かつ残存期間が3カ月以上必要です。シェンゲン協定領域内移動時は、常にパスポート携帯が義務付けられています。


必要な手続き
アイスランド入国には、以下の手続きが必要です。

ビザ申請
アイスランドと日本の間は、ビザ免除取極が締結されています。ただし、観光や知人訪問などの短期滞在でビザが不要な条件は、原則として3カ月以内の滞在のみです。
アイスランドはシェンゲン協定加盟国であり、所持するパスポートにも以下の条件が必要になります。

・パスポートの発行が10年以内のものを所持
・残存有効期限3カ月以上

シェンゲン協定加盟国では、2025年から短期滞在であっても事前にETIAS(欧州渡航情報認証制度)での申請が必要となる予定です。アイスランドに渡航の際は、事前に確認しておきましょう。


入国審査
アイスランドは、シェンゲン協定加盟国内からの入国の場合は、入国審査が不要となります。シェンゲン協定加盟国への入国で入国審査が必要なのは、協定加盟国の最初の入国先での審査のみです。
入国審査手順は、パスポートを準備して入国審査カウンターに進み審査を受けます。


税関検査
アイスランドの税関検査では、職員に荷物の中身をチェックされる場合もあるため、中身を取り出しやすいよう整頓しておくのがおすすめです。また、1万ユーロを超える現金の持ち込みには、税関申告が必要です。高価な所持品を持ち込む場合は、税関職員に確認して申告が必要か確認しましょう。


出国に必要な手続き

アイスランドを出国して日本へ向かうときには、基本的に税関検査などはありません。その場合の出国審査は、シェンゲン協定加盟国内の経由地で行われます。ただし、シェンゲン協定加盟国以外への直行便の場合は、アイスランドでの出国審査が必要です。

必要なもの
アイスランド出国時に必要なものは、以下のとおりです。

航空券
出国の際は、チェックインカウンターで航空券とパスポートの提示が求められます。自動チェックイン機もあるので、利用するとスムーズに搭乗手続きが進められます。


パスポート
パスポートは、チェックインカウンターで搭乗手続き時に提示が求められます。
搭乗手続きを行う前には、すぐに提示できるように準備をしておきましょう。


必要な手続き
アイスランド出国に必要な手続きは、以下のとおりです。

セキュリティチェック
出国時は、係員に搭乗券を提示してセキュリティチェックを受けます。出国ピーク時には混雑が予想されるので、時間に余裕を持って、2時間前には空港に到着して手続きを行いましょう。


Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webとは、日本での入国審査や税関審査、検疫などの情報を事前にweb登録できるサービスです。事前登録することによって、2次元コードによるスムーズな手続きが可能になります。事前登録には、航空券やパスポート、メールアドレスが必要です。


Q&A

よくある質問

アイスランド入国時に義務化されているワクチン接種はありますか?
アイスランドでは、入国時の接種が義務化されているワクチンがありません。
アイスランドへの渡航前に新型コロナワクチン接種は必要ですか?
アイスランド渡航の際は、渡航前陰性証明書やワクチン接種証明書の提示が不要になりました。(2022年2月25をもって撤廃)
アイスランドの医療事情はどうですか?
アイスランドの医療機関は、医師レベルや治療設備など一定の医療水準以上の国営医療機関がほとんどです。ただし、アイスランドでは、病室不足や看護師不足が問題となっています。
アイスランドでの緊急時の医療サポートは問題ないですか?
緊急時には、電話番号112番で救急車を呼ぶことも可能です。ただし、専門的な手術などが必要な場合には、長時間待つ可能性もあります。また、医療費が高額なため、出発前に補償が手厚い海外旅行保険への加入がおすすめです。
アイスランドは、治安の良い国ですか?
アイスランドは、治安が良い国として一般的に知られています。ただし、置き引きやスリなどの被害が報告されているので、貴重品や手荷物には十分注意しましょう。

Popular place

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ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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