公開日:2024.02.29更新日:2024.02.29
海外で病気になったら?なる前に知っておく・準備しておくべきこと
「海外で病気になるかもしれない」という心配は、多くの旅行者に共通する不安です。特に言葉の壁がある環境で体調を崩すと、適切な医療サービスを受けることが難しくなる恐れがあります。
まず、海外旅行の前には、予防接種の受け方や現地での医療環境について調べ、必要な予防措置をとることが重要です。また、持病がある場合は、十分な量の薬を持参し、医師の処方箋や病歴の英文訳を携帯することもおすすめします。
本記事では、これらの対策に加えて、海外で病気になった際の具体的な対処方法や、健康を維持するためのさらなるヒントを提供します。適切な準備と知識を持つことで、海外旅行中の健康リスクを軽減し、安心して旅を楽しむことができます。
海外で病気になったら?なる前に知っておく・準備しておくべきこと
海外旅行先で病気になったらどうすれば良いのでしょうか。知っておくべきこと、準備しておくべきことについてご紹介します。
海外療養費制度
海外療養費制度は、国民健康保険や社会保険などの被保険者が海外で病気やけがにより治療を受けた際に、一部医療費の払い戻しを受けられる日本の制度です。この制度は、治療目的での渡航や日本国内で保険適用外の医療行為の費用はカバーしません。
申請の流れとしては、まず出発前に加入している健康保険組合に相談し、必要な申請書類を受け取ります。現地で治療を受けた際は、一旦治療費を自己負担し、その後、治療内容の証明書と医療費の証明書を医療機関に記載してもらい、これらを翻訳して申請書類に添付します。
支給金額は、日本国内で同じ傷病を治療した場合の治療費を基準に計算され、実際に海外で支払った額から自己負担相当額を差し引いた額が支給されます。ただし、国によって医療体制や治療方法が異なるため、実際の医療費と支給金額に大きな差が生じることもあります。外貨で支払った医療費の場合は、支給決定日の外国為替換算率で円に換算されます。
注意点としては、日本国内で保険適用とならない医療行為は給付の対象外であること、そして各健康保険組合によって定められた請求期限があることです。
海外旅行保険
海外旅行保険は、外国での旅行中に予期せぬ事故や病気などにより発生した経済的な損害をカバーするための保険です。これには傷害治療費用、傷害死亡・後遺障害、疾病治療費用などの補償が含まれます。また、航空機の遅延や携行品の損害などもカバーされることがあります。さらに、現地でのサポートサービスも提供されることがあり、これには病院の紹介や通訳サービス、救援者の交通費用などが含まれます。多くの人が、海外旅行に行く前に海外旅行保険に契約しています。
クレカ付帯の海外旅行保険
クレジットカードには、海外旅行保険が付帯されているものもあります。ただし、クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、個別に海外旅行保険に入る場合よりも補償額が少なめであることがほとんどです。海外旅行に持っていくクレジットカードは、なるべく海外旅行保険が付帯されたものを選びましょう。また、クレジットカードは現地で盗難される可能性もあるため、できれば2枚以上は海外旅行保険付帯のクレジットカードを携帯していきたいものです。
海外で病気になったらどうする?保険がない場合
保険海外旅行保険に入っていない場合、海外で病気になったらどうすれば良いのか、以下でご紹介します。
状況を記録
事故や病気の状況を詳細に記録しておきます。病院に行って事故や病気について説明する際に必要になります。医師に説明できるよう、記録が必要です。
病院を紹介してもらうか調べる
現地の病院を探すか、大使館や領事館に問い合わせて紹介してもらいます。語学の面で不安があれば、大使館や領事館に連絡したほうが無難でしょう。
パスポートなどの書類を準備
パスポートなどの必要書類を準備しておきます。
病院で診察を受ける
病院で診察を受け、必要な治療を行います。保険がないため、医療費は自己負担になります。アメリカなどですと、海外旅行保険に入っていない場合、自己負担額は莫大なものになる可能性もありますので要注意です。
日本に帰国後に、海外療養費制度の請求をする
日本に帰国後、国民健康保険などに加入している場合は、海外療養費制度を利用して医療費の一部を請求できます。
海外で病気になったらどうする?保険がある場合
海外で病気になったらどうすれば良いのでしょうか。海外旅行保険がある場合についてご紹介します。
状況を記録
海外旅行保険に入っている場合も同様、事故や病気に関する詳細を記録します。関連する書類などがあればそれも保存しておくと良いでしょう。
保険会社に連絡
可能な限り早急に保険会社に連絡し、次のステップについて相談します。あらかじめ現地でどの連絡先に連絡すれば良いかすぐわかるように、保険会社のサポートについての資料は常に携帯しておきましょう。
パスポートなどの書類を準備
パスポートなどの必要書類を準備しておきます。
病院で診察を受ける
大使館などで聞いた病院で診察を受けます。
保険金の請求をする
治療後、必要な書類を添えて保険金の請求を行います。保険金請求を行うためにどんな書類が必要なのか、事故や病気が起こった段階で調べておくと、請求もスムーズです。
海外で病気になったら大変!なる前に予防接種しましょう
そもそも、海外で病気になったら現地の病院で症状を説明しなければならないため、大変です。語学や文化、コミュニケーションの壁があり、正確に症状を伝えられない可能性が高いです。そうならないよう、あらかじめ病気になるリスクを下げておく必要があります。
そこで多くの方が受けているのが、予防接種です。海外旅行に行く前に、現地ではどのような病気が流行していて、どの予防接種が推奨されているのか調べ、受けておきましょう。
以下では、それぞれの地域ごとに予防接種が推奨されている病気や感染症などについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
北米
北米に行く際には、破傷風、狂犬病、B型肝炎、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
中南米
中南米に行く際には、黄熱病、狂犬病、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
ヨーロッパ
ヨーロッパに行く際には、狂犬病、破傷風、B型肝炎、媒介性脳炎、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
東アジア
東アジアに行く際には、日本脳炎、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
東南アジア
東南アジアに行く際には、破傷風、腸チフス、狂犬病、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、マラリア、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
南アジア
南アジアに行く際には、マラリア、腸チフス、ポリオ、狂犬病、日本脳炎、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
中東
中東に行く際には、髄膜炎菌、腸チフス、狂犬病、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
アフリカ
アフリカに行く際には、黄熱病、マラリア、腸チフス、髄膜炎菌、ポリオ、狂犬病、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそう、風しん、麻しんなどの予防接種を打っておくことが推奨されています。ただし、それぞれの渡航先の国や地域によっても何の予防接種を受けておくべきなのかということは異なるので、必ず渡航先の国や地域の大使館のホームページを調べてみてください。
海外で病気になったら?と心配するなら準備しましょう
海外で病気になったときの対応などについてご紹介しました。
海外で病気になったら、もちろん国内よりも大変です。そうならないよう、あらかじめ予防接種を受けておくことをおすすめします。