パナマ渡航前の推奨ワクチン
パナマは熱帯気候で、熱帯特有の病気へ対策が必要です。接種が望ましいワクチンは、黄熱、A型肝炎、麻疹・風疹・水痘・新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの7種類です。
- 黄熱
-
感染経路 黄熱は、蚊によって媒介される感染症で、発症すると発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れます。 症状 これらの症状は、3〜6日の潜伏期間を経て出現します。黄熱は高熱を引き起こし、黄疸や出血傾向が見られるようになります。この病気は重症化すると、20〜50%の致死率があり、非常に危険です。 ワクチンについて WHOは、パナマを黄熱の危険国と指定しています。特にパナマ運河よりも東側の大陸では、黄熱ワクチンの接種が強く推奨されています。ワクチンは接種後10日で効果を発揮します。したがって、出発日の10日前にはワクチンを接種し、イエローカード(接種証明書)を取得することが重要です。イエローカードは生涯有効であるため、大切に保管してください。
- A型肝炎
-
感染経路 A型肝炎は、衛生環境が不十分な場所や、加熱処理が不適切な飲食物から感染する可能性があります。 症状 感染すると、2〜6週間の潜伏期間を経て、発熱、倦怠感、嘔吐、黄疸などの症状が現れます。病状が重症化すると、1カ月以上の入院治療が必要となることもあります。 ワクチンについて 予防策としては、ワクチン接種が有効です。ワクチンは、2〜4週間の間隔をあけて2回接種し、その後、初回接種から6カ月後に3回目の接種を行うことで、A型肝炎から身を守れます。
- 麻疹
-
感染経路 麻疹、またははしかとも呼ばれるこの病気は、空気感染、飛沫感染、接触感染により広がります。人から人へと感染し、免疫がない場合、ほぼ100%の確率で感染します。 症状 感染後、約10日間の潜伏期間を経て、発熱、鼻水、咳などの症状が現れ、その後、高熱や発疹が出現します。 ワクチンについて 一般的には風疹と麻疹の混合ワクチンが使用され、接種は4週間の間隔をあけて2回行われます。
- 風疹
-
感染経路 風疹は、感染者がいる集団では5〜7人に感染する可能性があるという強い感染力を持つ病気です。この病気は飛沫感染により広がります。 症状 感染後の潜伏期間は2〜3週間で、その間に発熱、リンパの腫れ、発疹などの症状が現れることもありますが、無症状の場合もあります ワクチンについて 風疹のワクチン接種には、基本的に風疹と麻疹の混合ワクチンが使用され、接種は4週間の間隔をあけて2回行われます。
- 水痘
-
感染経路 水痘は、空気感染、飛沫感染、接触感染により広がる病気です。 症状 感染後約2週間の潜伏期間を経て発熱します。その後、発疹が出現し、これが次第に水疱や膿疱に変わり、最終的にはかさぶたとなって治癒します。 ワクチンについて 水痘の予防にはワクチン接種が有効で、一般的には4週間の間隔をあけて2回接種します。ただし、水痘の既往歴がある人にはワクチン接種は不要とされています。
- 新型コロナウイルス感染症
-
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、空気感染、飛沫感染、接触感染により広がる病気で、特にオミクロン株の場合、感染から2〜3日程度の潜伏期間を経て症状が現れます。 症状 症状としては、発熱や咳、喉の痛み、味覚障害などが見られますが、無症状の人もいます。 ワクチンについて この病気は重症化するリスクがあり、また後遺症を残す可能性もあるため、ワクチンによる予防が推奨されています。ワクチン接種は、初回接種から3カ月以上の間隔をあけて行えます。
- インフルエンザ
-
感染経路 インフルエンザは、飛沫感染や接触感染により広がる病気です。 症状 感染後数日の潜伏期間を経て全身の倦怠感、発熱、喉の痛みなどの症状が現れます。特に、基礎疾患を持つ人は肺炎などの重症化リスクがあるため、ワクチンによる予防が推奨されています。 ワクチンについて ワクチン接種は、13歳以上の場合は原則として1回ですが、2回接種する場合は、接種間隔を4週間あけることが必要です。
各種ワクチン金額相場
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
黄熱 | 1万2,000円/回 |
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
当院ではパナマへ渡航する際に推奨されるワクチンをご用意しています。ただし、黄熱のワクチン接種は、検疫や対応機関などが限られており、当院ではご対応しておりません。
パナマ渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 8週間 | 3ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | 初回 | ||||||||||
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 | 3回目 | ||||||||
麻疹・風疹(MR) | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 初回 | 2回目 | |||||||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 初回 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 3回目 | 12ヶ月 | |
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹(MR) | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 8週間 | ||
3ヶ月 | 2回目 | 5ヶ月 | |
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 初回 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 8週間 | |
3ヶ月 | 5ヶ月 | ||
6ヶ月 | 12ヶ月 | ||
18ヶ月 | 24ヶ月 |
閉じる
風疹・麻疹、水痘、インフルエンザのワクチンは4週間の接種間隔が必要です。A型肝炎は3回接種で接種間隔はそれぞれ異なり、新型コロナウイルス感染症は3カ月以上あけて2回目を接種する必要があるため、計画的に接種しましょう。
パナマの基本情報
パナマは北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を繋ぐ位置にあります。全長80kmほどのパナマ運河では、年間1万4,500隻のコンテナ船などが行き来し、中南米の物流や経済のハブとして今も強化されています。パナマの基本情報は次の通りです。
国名 | パナマ共和国(Republic of Panama) | 言語 | スペイン語 |
---|---|---|---|
宗教 | カトリック教 | 気候 | 熱帯気候で、年間を通して高い気温や湿度ですが、5〜10月は雨季のため自然災害のリスクもあります |
服装 | 年中夏服で過ごせますが、高原の夜や冷房が効いた場所は肌寒いため、羽織があるとよいでしょう | 通貨 | バルボア(硬貨のみ)、米ドル |
チップの習慣 | 習慣はなかったが、観光客が多いため、サービスを受けたらチップを渡す習慣が根付いています | 文化 | 政府官僚の私邸などでカメラを向けると、誘拐関与を疑われるため注意しましょう |
時差情報 | パナマは、-14時間(日本の方が14時間進んでいます) | 治安情報 | パナマ 危険・スポット・広域情報 |
パナマの渡航情報
パナマに渡航する際、日本のパスポートを持っており、下記の条件に該当したら、ビザの取得は不要です。
ビザ情報 | 日本のパスポートを持っている場合、入国税を支払うと、ビザ取得は免除されて最大90日間の滞在可能です(入国税は航空料に含まれています) |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | 入国日から6カ月以上あることが条件です。 |
入国カードの記入について | 不要 |
入国に必要な手続き
パナマに入国する際に必要な手続きは、ビザ申請に代わる入国税の支払いや、入国審査、税関検査があります。
必要なもの
パナマ入国に必要なものは以下の通りです。
航空券
パナマに入国する際に、出国の航空券やバスチケットを用意する必要があります。あらかじめ取得して、提示できるように準備しておきましょう。
パスポート
パスポートは、入国時に有効残存期間が3カ月以上残っている必要があります。航空会社のチェックインや入国審査、滞在中の身分証明証としても必要です。
現金500米ドル相当
滞在に困らないお金を持っているかを、入国審査で証明する必要があります。あらかじめ両替をして、現金500米ドル相当を持っておきましょう。
必要な手続き
パナマ入国に必要な手続きは以下の通りです。
ビザ申請に代わる入国税の支払い
観光目的でパナマに入国する際は、ビザの申請は不要です。本来は、パナマと日本はビザ免除の国ではないため必要ですが、パナマ政府の措置で免除されています。ビザ取得の代わりに入国税を支払うと、最大90日間の滞在が可能です。入国税は航空料金に含まれているため、特別な支払いは特にありません。
入国審査
入国審査では、入国要件である次の3つの提示を求められます。
- 有効残存期間が3カ月以上のパスポート
- パナマ出国の航空券など
- 滞在中の資金証明(500米ドル相当以上の現金)
滞在日数や滞在目的など、聞かれた質問に答えられるように準備しておきましょう。陸路や海路の入国は別の手続きが必要です。特に、コロンビアからの陸路での入国は、密輸を疑われる可能性や、武装グループによる殺害や誘拐などがあり、危険なので控えましょう。
税関検査
機内で配布された、税関申告書を記入して提出し、X線検査を受けます。家族で総額1万米ドル相当を超える外貨を持ち込む場合や、果物や生物、生きた動物は持ち込み禁止や制限があるため、適切に申告しましょう。
出国に必要な手続き
チェックインは出国の2時間前から、航空会社のカウンターで受け付けられます。出国時は、セキュリティ・チェックに予想外の時間がかかる可能性もあるため、搭乗時間に間に合うように余裕を持って行動しましょう。
必要なもの
パナマ出国に必要なものは以下の通りです。
航空券
出国で利用する航空会社のカウンターに、航空券とパスポートを渡します。飛行機の搭乗券を受け取り、チェックインを済ませます。
パスポート
航空会社のカウンターでチェックインする際に、パスポートを提示します。搭乗券を発行してもらいましょう。
必要な手続き
パナマ出国に必要な手続きは以下の通りです。
チェックイン
予約した航空会社のカウンターでチェックインをします。パスポートや航空券を提示して、搭乗券を受け取りましょう。出発の2〜3時間前にはチェックインを済ませると、時間に余裕を持って手続きを進められます。航空会社によってはWEBチェックインにも対応しているので、調べてみましょう。
セキュリティ・チェック
セキュリティ・チェックでは、凶器になり得るもの、発火の恐れがあるもの、危険物などの、航空法で禁止されているものが持ち込みされていないか検査します。ハサミやモバイルバッテリーなども該当するため注意しましょう。検査方法は、X線と金属探知機です。検査に時間がかかる場合もあるため、早めに行動しましょう。
Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webは、日本への入国手続きをスムーズに進めるためのオンラインサービスです。このサービスを利用すると、入国審査、検疫、税関申告などを事前にオンラインで申告することができます。国籍に関係なく、日本入国時にこのサービスを利用することができます。事前に必要な情報を申告すると、二次元コードが発行されます。このコードを入国審査時に提示するだけです。
Q&A
よくある質問
- パナマへ長期滞在する場合は、他のワクチンを打つべきですか?
- 1カ月以上の長期滞在の場合は、次のワクチンの接種が推奨されています。
・B型肝炎
・狂犬病
・破傷風
滞在期間やリスクを踏まえて、ワクチン接種を検討しましょう。
- パナマの医療事情は?
- パナマ市とそれ以外の地域で医療格差が見られますが、パナマ市の医療水準は高いです。人口1万人あたりの医師は16名、看護師は32名、歯科医は3名で医療従事者も少ないと分かります。
- パナマでは蚊に注意する必要がありますか?
- 蚊を媒介としてデング熱やジカに感染するリスクがあります。虫除けスプレーや蚊帳、長袖を着るなどの対策をしましょう。
- パナマで過ごすのに気をつけることはありますか?
- 食中毒予防のために、加熱処理された食べ物や、衛生状態の良いレストランを利用しましょう。また、生水は避け、ミネラルウォーターを飲みましょう。
- パナマで必須のワクチンはありますか?
- 予防接種証明書が必須のワクチンはないですが、本記事で紹介したワクチンは、厚生労働省やWHOから推奨されています。また、黄熱に感染する危険のある国から渡航する場合は、イエローカード(黄熱の予防接種証明書)を求められる可能性があります。あらかじめ調べておきましょう。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。