ナイジェリア渡航前の推奨ワクチン
ナイジェリアは西アフリカに位置し、人口数はアフリカ最大とも言われる国です。ナイジェリア渡航前に接種が望ましいワクチンは、黄熱、A型肝炎、髄膜炎、麻疹、風疹、水痘、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などが挙げられます。
- 黄熱
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感染経路 黄熱は蚊が媒介する感染症で、潜伏期間は3〜6日とされています。 症状 感染すると、発熱、寒気などが現れ、重症化した場合の致死率は20~50%です。 ワクチンについて ナイジェリアへの入国時にワクチン接種が必須で、イエローカード(黄熱予防接種証明書)の提示を求められる場合もあります。ワクチンは検疫所や指定医療機関で予約制となっており、1回の接種で生涯有効です。
- A型肝炎
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感染経路 A型肝炎は、十分に加熱処理されていない食べ物や飲み物から感染します。 症状 潜伏期間は2〜7週間とされている病気で、急な発熱、吐き気、倦怠感が現れ、数日後に皮膚が黄色くなる黄疸が現れます。 ワクチンについて 現地ではミネラルウォーターを買ったり、十分に加熱調理された食べ物を選んだりと注意が必要ですが、ワクチンの接種も効果的です。ワクチンの接種は、2回目の接種は1回目から2〜4週間あけ、3回目を打つ場合は1回目から6カ月後となります。
- 髄膜炎
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感染経路 髄膜炎は、飛沫、接触感染で広がり、体内に入り込んだ髄膜炎菌が血流に乗って髄膜まで届くと、髄膜炎を発症します。 症状 潜伏期間は2〜10日です。高熱、皮膚や粘膜の発疹、頭痛、吐き気などの症状が現れ、場合によっては難聴や神経障害などの後遺症が残ります。 ワクチンについて ワクチンは種類によって異なりますが、1回の接種で済むワクチンもあります。
- 麻疹
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感染経路 麻疹は、はしかとも呼ばれ、接触、空気、飛沫感染で広がります。 症状 10日程の潜伏期間を経て、発熱や咳などの風邪症状がみられ、次第に高熱と発疹が現れます。 ワクチンについて 先進国でも1,000人に1人が死亡すると言われており、罹患歴がない人は免疫がないためワクチン接種が望ましいでしょう。ワクチンは、麻疹と風疹のセットで受けられます。実施回数は2回で、接種間隔は4週間です。
- 風疹
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感染経路 風疹は、飛沫感染で広がる、強い感染力をもつ感染症です。中には、無症状の人もいます。 症状 潜伏期間は2〜3週間とされており、発熱やほっしん、リンパの腫れなどが現れます。 ワクチンについて 風疹のワクチン接種歴がない人や、罹患歴がない人は、ワクチン接種が望ましいです。ワクチンの実施回数は2回、接種間隔は4週間です。
- 水痘
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感染経路 水痘は、水ぼうそうとも呼ばれ、空気、飛沫、接触感染で感染します。 症状 潜伏期間は2週間程度で、皮膚の表面が赤くなり、次第に水疱や膿疱へ変化し、かさぶたへと回復していきます。 ワクチンについて 罹患歴がある人は免疫があるとされていますが、免疫がない人はワクチンの接種が望ましいでしょう。ワクチンは2回の接種が必要で、接種間隔は4週間です。
- 新型コロナウイルス感染症
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感染経路 新型コロナウイルス感染症は、飛沫や接触感染によって広がります。 症状 潜伏期間はオミクロン株の場合は2〜3日でしたが、人によって7日の場合もあり、無症状の人もいます。高熱や咳などが現れ、重症化因子がある人は重篤化リスクが高いため、ワクチンを接種するのが望ましいです。 ワクチンについて ワクチンは1回目接種後から3ヶ月あけると、2回目を接種できます。
- インフルエンザ
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感染経路 インフルエンザは、飛沫や接触で感染し、潜伏期間は1〜4日とされています。 症状 発症すると、高熱や倦怠感などの全身症状がみられ、肺炎などの重篤化するリスクもあります。 ワクチンについて 流行性があるため、重篤化を防ぐためにもワクチン接種が望ましいでしょう。ワクチンは、2回に分けて接種します。接種間隔は4週間です。13歳以上は原則1回、13歳未満は2回接種が基本です。
各種ワクチン金額相場
ナイジェリアへ渡航する際に接種が推奨される各種ワクチンの情報は、次のとおりです。
ワクチン名 | 相場価格/回 |
---|---|
黄熱ワクチン | 1万2,000円/回 |
A型肝炎ワクチン | 1万円前後/回 |
髄膜炎ワクチン | 2万5,000円前後/回 |
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン | 1万円前後/回 |
水痘・帯状疱疹ワクチン | 5,000〜1万円/回 |
新型コロナ(mRNA)ワクチン | 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回 |
インフルエンザワクチン | 3,000〜5,000円/回 |
当クリニックでは、ナイジェリアへの渡航に推奨するワクチンをご提案しております。
ナイジェリア航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数
病名 | ワクチンの種類 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | 1回目 | ||||||
A型肝炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||
髄膜炎 | 不活化ワクチン | 1回目 | ||||||
麻疹・風疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | 1回目 | 2回目 | |||||
インフルエンザ | 不活化ワクチン | 1回目 | 2回目 |
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
黄熱 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 3カ月 | ||
6カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
A型肝炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 2回目 | 3週間 | 2回目 |
4週間 | 2回目 | 3カ月 | |
6カ月 | 3回目 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
髄膜炎 | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 3カ月 | ||
6カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
麻疹・風疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 3カ月 | |
6カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
水痘・帯状疱疹 | 生ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 3カ月 | |
6カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
新型コロナウイルス感染症 | mRNAワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 3カ月 | 2回目 | |
6カ月 |
閉じる
病名 | ワクチンの種類 | ||
---|---|---|---|
インフルエンザ | 不活化ワクチン | ||
期間 | |||
0日 | 1回目 | 1週間 | |
2週間 | 3週間 | ||
4週間 | 2回目 | 3カ月 | |
6カ月 |
閉じる
各種ワクチンによって、接種回数や接種間隔は異なります。生ワクチンのように、他のワクチンとの接種間隔が4週間必要な場合もあるため、接種のタイミングに注意が必要です。ナイジェリア渡航前に、余裕を持ってワクチン接種の計画を立てましょう。
ナイジェリアの基本情報
ナイジェリアはアフリカ大陸の西岸部に位置し、原油や天然ガスが豊富な国です。2022年時点の人口は2億1,854万人で、アフリカ最大の人口数を誇る国でもあります。ナイジェリアの基本情報は次のとおりです。
国名 | ナイジェリア連邦共和国(Federal Republic of Nigeria) | 言語 | 公用語は英語、各民族語(ヨルバ語、ハウサ語、イボ語等) |
---|---|---|---|
宗教 | イスラム教(北部中心)、キリスト教(南部中心)伝統宗教 (全域) | 気候 | 南部は熱帯モンスーン気候で、年間を通して高温多湿ですが、中央から北部はサバナ気候で、乾季と雨季があります |
服装 | イスラム教徒が多いため、肌の露出は控えるのが無難です 女性は大きめのスカーフで髪を覆います |
通貨 | ナイラ(NGN) |
チップの習慣 | 基本的には不要ですが、良いサービスを受けたら支払う人もいます | 文化 | 多民族であるため、民族によって伝統文化が異なります アートや音楽が特徴的で楽しめるでしょう |
時差情報 | ナイジェリアは、-8時間(日本の方が8時間進んでいます) | 治安情報 | ナイジェリア 危険・スポット・広域情報 |
ナイジェリアの渡航情報
ナイジェリアに渡航するには、ビザの取得が必要です。あらかじめ渡航準備をして入国しましょう。ナイジェリアの渡航情報は次のとおりです。
ビザ情報 | ビザ取得が必要です(観光、商用、駐在などの種類があり、ナイジェリア大使館での取得が求められます) |
---|---|
パスポートの必要有効残存期間 | 6ヶ月以上の有効残存期間と、未使用査証欄が見開き2ページ以上必要です |
入国カードの記入について | 記入が必要です |
入国に必要な手続き
ナイジェリア入国に必要な手続きは、主にビザ取得、イエローカード取得、健康申告、入国審査、外貨申告、税関検査があります。必要なものと手続きについては、次のとおりです。
必要なもの
ビザ
ナイジェリア入国にはビザが必要です。ナイジェリア大使館に、必要書類を提出して取得しましょう。取得概要は、下記の必要な手続きで紹介します。
イエローカード
イエローカードは、黄熱の予防接種証明書のことで、入国時に提出を求められる場合があります。日本からの入国でも、イエローカードの携帯は義務付けられているため、あらかじめ用意しておきましょう。
パスポート
パスポートは、ビザ取得時や入国審査時に提出します。有効残存期間が6ヶ月以上で、未使用査証欄が見開き2ページ以上必要であるため、あらかじめ確認しておきましょう。
航空券
往復航空券はビザ取得時や入国審査時に必要です。航空会社や旅行会社から取得し、データや印刷で提示できるように管理しておきましょう。
入国カード
入国審査の際、ビザ・パスポートとともに提示する必要があります。
必要な手続き
ビザ取得
ビザは、観光、商用、駐在などの滞在目的に合わせて取得します。ビザ取得には、パスポートの有効残存期間が6ヶ月以上、未使用査証欄が見開き2ページ以上、往復航空券、ナイジェリア滞在先の住所や予約の証拠などが必要です。オンラインで申請できますが、不備があれば予想外に時間がかかる可能性もあるため、早めに申請しましょう。
イエローカード取得
イエローカードは黄熱予防接種証明書のことで、入国10日以上前に予防接種を受けて証明書を取得する必要があります。非黄熱病感染国である日本からの入国であっても、提示が求められることがあるため、携行しましょう。
健康申告
ナイジェリア入国前に、健康申告書の提出が求められます。到着日やパスポート番号、搭乗便、目的地、健康状態の申告など、聞かれた内容に答えます。オンラインで提出可能です。
入国審査
入国審査では、パスポート、ビザ、入国カードを提出します。パスポートは6ヶ月以上の有効残存期間が必要です。滞在目的や滞在日数、滞在先などの質問に答えられるように準備しておくと安心です。また、イエローカードの提示を求められる可能性もあるため、提示しやすい場所に保管しましょう。
税関検査
外貨や高額な貴重品などの総額が、1万米ドル相当以上であれば、申告が必要です。
税関検査
ナイジェリアの税関では、食肉やミネラルウォーター、ビールなどの持ち込み禁止物や、大量のタバコなどの免税範囲などに注意が必要です。検査では、不当な金銭の要求を受けたというケースも報告されています。適切な持ち込みの申告は必要ですが、不当に金品を要求されるようであれば、毅然とした態度で対応しましょう。
出国に必要な手続き
ナイジェリア出国に必要な手続きは、出国手続きやセキュリティ・チェック、Visit Japan Webです。以下に、必要なものや手続きを紹介します。
必要なもの
航空券
ナイジェリア出国に利用する航空会社のカウンターで、航空券を提示します。パスポートも同様に提示し、チェックインが済んだら、搭乗券が発行されます。
パスポート
ナイジェリア出国に利用する航空会社のカウンターで、航空券と同様にパスポートも提示します。搭乗券を発行してもらいましょう。
必要な手続き
出国手続き
ナイジェリア出国に利用する航空会社で、チェックインをします。パスポートや航空券を提示して、搭乗券を発行してもらいましょう。チェックインは2〜3時間前から可能です。時間に余裕を持って行動しましょう。
セキュリティ・チェック
セキュリティ・チェックでは、X線や金属探知機で危険物や持ち込み禁止物がないか検査します。
Visit Japan Webの準備
Visit Japan Webは、日本への入国審査や税関、免税購入などの手続きをオンラインで進められるシステムです。あらかじめ必要な情報を申告すると、二次元コードが発行されます。日本へ到着後は、入国審査時に二次元コードを提示するだけで、スムーズに手続きを終えられるでしょう。
Q&A
よくある質問
- ナイジェリアで黄熱病のワクチンは有効ですか?
- ナイジェリアへ入国する人は、短期滞在であっても黄熱病のワクチン接種を推奨しています。入国条件に、イエローカード(接種証明書)の提出を求められるため、未接種の人は接種しておきましょう。
- ナイジェリアへの入国に、予防接種は必須ですか?
- 日本からの入国で必須の予防接種は、黄熱ワクチンです。他のワクチンは感染や重症化予防のため、接種を推奨しています。
- ナイジェリアに長期滞在する場合、受けておくべきワクチンはありますか?
- 1ヶ月以上の長期滞在をする場合は、黄熱・A型肝炎・B型肝炎・ポリオ・狂犬病・髄膜炎・麻疹・風疹・水痘・破傷風・インフルエンザウイルス・新型コロナウイルス感染症などのワクチンを推奨しています。
- ナイジェリアでよく聞く、ハマターンとは何ですか?
- ハマターンは、サハラ砂漠の砂ぼこりです。ハマターンの影響で生じる、鼻咽頭炎によって、鼻水やくしゃみ、喉の痛み、咳、痰などの症状が現れます。
- ナイジェリアで健康に心がけるための行動はありますか?
- 健康維持のために注意すべき行動は、生水や生物は避ける・洗濯物は室内で干す・地面に触れた部分は洗う・DEET(ディート)が20~50%含有の虫除けスプレーを使用する・網戸や蚊帳の中で眠る・海外旅行傷害保険へ加入する(緊急医療搬送に対策もしておくと安心)などが挙げられます。
Popular place
人気の渡航先
今後行く可能性が高い、
渡航先のワクチン情報をチェックしましょう。
Information
各国で流行している感染症
渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。
Colum
お役立ちコラム
Reservation
海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。
渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。