エストニア渡航前の推奨ワクチン

エストニアはバルト三国の中で北方に位置し、南はラトビア、東はロシアと国境を接し、バルト海に臨んでいます。ヨーロッパ北東部に位置するエストニア渡航の前に接種が望まれるワクチンは、麻疹・風疹・水痘・インフルエンザ・新型コロナウイルスの5種類です。

麻疹
感染経路 麻疹は非常に感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染を通じて広がる急性のウイルス性感染症です。
症状 感染後約10日で風邪のような症状(発熱、咳、鼻水)が現れ、2~3日の発熱の後には39℃以上の高熱と発疹が出てきます。肺炎や中耳炎を併発しやすく、患者1,000人に1人が脳炎を発症する可能性もあるため注意が必要です。また、先進国でも患者1,000人に1人が死亡すると報告されています。
ワクチンについて 麻疹に感染した経験がない人、ワクチンを受けていない人、ワクチン接種が1回しかない人、またはワクチン接種の状況が不明な人に対しては2回のワクチン接種が推奨されており、接種間隔は4週間です。
風疹
感染経路 風疹は「三日ばしか」とも呼ばれる感染力の強い急性のウイルス性発疹性感染症です。
症状 感染後約2~3週間で発熱、発疹、リンパ節の腫れといった症状が現れます。子どもの症状は比較的軽いものの、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を引き起こすことがあり、成人の場合には症状が長引き激しい関節痛を伴うことがあります。妊娠初期に感染すると、新生児が先天性風疹症候群(難聴、白内障、心臓疾患など)を持つリスクがあるため、注意が必要です。
ワクチンについて 風疹ウイルスに対する免疫は、ワクチン接種により95%以上の人が得られるとされ、1回の接種では免疫が得られなかった人でも、4週間の間隔で2回接種することにより多くの人が免疫を獲得できます。
水痘
感染経路 水痘(みずぼうそう)は、空気感染、飛沫感染、接触感染により伝播する発疹性のウイルス感染症です。
症状 感染後約2週間の潜伏期間を経て発熱が始まり、その後に発疹が現れ、続いて水疱が形成され、最終的にはかさぶたになり治癒するとされています。水痘は主に子どもに見られる病気ですが、成人が感染すると重篤化するリスクがあるため注意が必要です。
ワクチンについて 水痘の予防にはワクチンが効果的であり、1回の接種で重症化をほぼ100%防ぎ、4週間の間隔をあけて2回目の接種を行うことにより軽度の水痘を含む発症を防げます。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症は、感染者からの飛沫やエアロゾルの吸引、または接触により感染します。
症状 発熱、呼吸器系の症状、倦怠感、頭痛、消化器系の症状、鼻水、嗅覚や味覚の異常、関節痛、筋肉痛などが主な症状です。疾患のある人や重症化のリスクがある人に対しては、予防措置としてワクチン接種が推奨されています。
ワクチンについて 回のワクチン接種から3カ月後には、追加のワクチン接種が可能です。
インフルエンザ
感染経路・症状 インフルエンザは、風邪の症状(喉の痛み、鼻水、咳)に加え、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の疲労感などの症状が急に現れるのを特徴としています。免疫力の弱い人や高齢者は、肺炎を含む深刻な合併症を引き起こすおそれがあります。
ワクチンについて インフルエンザの予防策としてはワクチンが有効であり、接種間隔は4週間です。

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各種ワクチン金額相場

ワクチン名 相場価格/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 5,000〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 3,000〜5,000円/回

ワクチンの費用は医療機関によってそれぞれ異なるため、事前に確認しておきましょう。当クリニックでは、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン、水痘・帯状疱疹ワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)、インフルエンザワクチンを取り扱っております。

エストニア渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
麻疹・風疹 生ワクチン 初回 2回目
水痘・帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 初回 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘 生ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 初回 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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エストニアの基本情報

エストニアは、行政サービスのほとんどがオンライン化されており「デジタル国家」として世界的に有名です。首都タリンはバルト海に面した港町で、中世の城塞都市の面影を残す旧市街には、城壁や塔、教会などの歴史的遺産が数多く存在し、世界遺産にも登録されています。エストニアの文化や気候などの基本情報は、このとおりです。

国名 エストニア共和国(Republic of Estonia) 言語 エストニア語(フィン・ウゴル語派)
宗教 国勢調査(2011年)によれば国民の半数以上が無宗教。ロシア正教、プロテスタント(ルター派)など 気候・服装 ・6~7月の短い夏は、乾燥し比較的涼しく過ごしやすい季節のためTシャツで過ごせますが、夜間は冷え込むため羽織るものが必要です
・夏以外の季節は曇りや雨が多く、雨傘やコートは必需品です
・冬は厚手のコートや手袋、帽子、ブーツなどの冬対策が必要です
通貨 ユーロ チップの習慣 チップの習慣はありませんが、サービスが良ければチップを支払うとよいでしょう(料金の5~10%)
文化 人口の内訳は、エストニア人69%、ロシア人26%、その他5%であり、多数を占めるエストニア人は物静かな国民である一方、自国の歴史や独立に対し強い誇りを持っています 時差情報 ・-7時間
・サマータイム採用時(3月の最終日曜から10月の最終日曜まで)は-6時間
治安情報 エストニア 危険・スポット・広域情報

エストニアの渡航情報

観光や友人訪問など、90日以内の短期滞在の場合、ビザは不要です。シェンゲン協定の加盟国(乗り換え地含む)からエストニアへの入国では、入国審査は不要です。ただし、シェンゲン協定加盟国以外から直接エストニアに入国する際には、別の入国ゲートを通り通常の入国審査が行われます。シェンゲン協定加盟国以外への出国の際の出国審査も同様です。
※シェンゲン協定とは、シェンゲン圏内での人々の自由な移動を可能にする協定です。そのためシェンゲン協定の加盟国間では、通常出入国管理は実施されません。非EU市民である外国人旅行者は、シェンゲン圏内の国に入国した日から180日間の期間内に最大90日間滞在することが認められています。
2024年1月現在のシェンゲン協定加盟国は、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、クロアチア、スイスです。

ビザ情報 シェンゲン協定領域内に180日間のうち90日以内の滞在はビザが不要
パスポートの必要有効残存期間 ・パスポートの残存期間:ビザ無し滞在の終了時から3カ月
・パスポートの未使用査証欄:連続2ページ以上
入国カードの記入について 不要

入国に必要な手続き

シェンゲン協定加盟国であるエストニアでは、加盟国以外からの旅行者が入国する際には審査が行われます。

必要なもの
エストニア入国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
エストニアと日本間の航空券の購入が必要です。航空券は、旅行会社や専門会社を介して手配します。


パスポート
パスポートの残存期間がビザ無し滞在の終了時から3カ月、パスポートの未使用査証欄が連続2ページ以上あることが必要です。


必要な手続き
エストニア入国に必要な手続きは以下のとおりです。

入国審査
シェンゲン協定を実施している国への入国審査は、最初に訪れた国で実施されます。入国審査の際にパスポートを担当者に提示しますが、ほとんど質問されることはありません。その後、搭乗前に預けた荷物を引き取ります。税関はスムーズに通過できますが、荷物検査を求められた場合には応じます。


外貨申告
1万ユーロ相当額以上の現金および有価証券のEU域内への持込みは申告する必要があります。


出国に必要な手続き

多くの場合、チェックインは出発時間の2時間前から開始されることが多いため、時間に余裕を持って空港に到着することをおすすめします。

必要なもの
エストニア出国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
帰路に利用する航空会社のカウンターで航空券とパスポートを渡し、搭乗券を受け取ります。


パスポート
航空会社のカウンターで、搭乗券を受け取る際にパスポートを提示します。


必要な手続き
エストニア出国に必要な手続きは以下のとおりです。

出国審査
チェックインカウンターで列に並び、航空券とパスポートを提出して荷物を預け、搭乗券を受け取ります。その後、搭乗券を係官に見せてセキュリティチェックを通ります。出国審査では、パスポートと搭乗券を係官に提示して審査を受けます。/p>


外貨申告
1万ユーロ相当額以上の現金および有価証券のEU域内からの持出しは申告する必要があります。


Visit Japan Webの準備
日本への入国時の税関申告、入国審査、および検疫をオンラインで手続きできるサービスです。これにより、帰国時の手続きがスムーズに行えます。事前にウェブサイトで税関申告の情報を入力し、日本に到着した後は、二次元コードを電子申告端末に提示するだけで申告が完了します。


Q&A

よくある質問

エストニアでの予防接種について、どこに掲載されていますか?
厚生労働省のホームページで推奨されているワクチンの種類が確認できます。また、外務省のホームページでは、現地でのワクチン接種に関する情報が掲載されています。
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/estonia.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/vaccine/pdfs/estonia.pdf
エストニアの医療事情は​​どうなっていますか?
エストニアでは、多くの医師が英語を話し、看護師や他の医療関係者にも英語を理解できるスタッフは多くいます。医療施設の衛生状態、医療水準、設備については、通常の診療における対応については可能であっても、最新の医療設備や検査機器対応については期待できません。外国移送も考慮に入れ、海外旅行傷害保険への加入をおすすめします。
エストニアでかかり易い病気は何ですか?
冬季にはインフルエンザを含む上気道感染症、4月から5月にかけては花粉症が一般的に見られます。さらに、年間を通じてサルモネラ、赤痢、またはウイルス性の下痢(感染性腸炎)が散見されます。これら以外にも、マダニが媒介するダニ脳炎やライム病、血液や体液により感染するB型肝炎にも注意が必要です。
健康上、心掛けることはありますか?
水道水は硬度が高く、河川や海洋の汚染、古い水道管からの錆などの問題があるため、飲用水としてはミネラルウォーターが推奨されます。また、日本に比べて空気が乾燥しているため、入浴後の保湿にはクリームやローションが有効です。
エストニアの治安は良いですか?
6~8月の観光シーズンは観光客で混雑し、観光客を対象とした犯罪が増加します。エストニアの治安は一般的に安定していますが、犯罪発生率は日本の約4倍で、特に殺人や強制性交などの重大犯罪の発生率は日本の10倍以上です。日本人の被害例としては窃盗が多く、宿泊施設、駐車場、レストラン、公共交通機関などでの盗難には注意が必要です。

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Information

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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