フランス渡航前の推奨ワクチン

フランスへ出発する前に、あらかじめ接種が推奨されるワクチンは、麻疹・風疹・水痘・新型コロナウイルス感染症・インフルエンザ・狂犬病・破傷風・腸チフス・髄膜炎・ポリオなどです。

麻疹
感染経路 麻疹は、空気感染・飛沫感染・接触感染で人から人へ感染する感染症の一つです。
症状 主な症状としては、咳や鼻水、発熱、発疹、結膜の充血が挙げられます。一部、肺炎や脳炎に進行するケースもあるため注意が必要です。
ワクチンについて り患歴や予防接種の経験がない方は、接種が望まれます。ワクチンを接種する場合の接種回数は2回、間隔は4週間空けて接種をします。
風疹
感染経路 風疹は、飛沫感染で伝播する感染症です。
症状 発熱や発疹、リンパ節の腫張が主な症状ですが、症状が発生しない方も一部います。
ワクチンについて 現在は定期予防接種で2回ワクチン接種が実施されていますが、接種歴に不安がある際は、ご相談の上接種を進めてください。ワクチンの接種回数は、麻疹と同様で2回です。初回接種後から2回目のワクチン接種までは、4週間間隔を空けます。
水痘
感染経路 水痘とは、空気・飛沫・接触感染で引き起こされる、感染症です。
症状 発熱が起きた後にあらわれる症状として、発疹や紅斑が挙げられます。
ワクチンについて 子供の病気として知られていますが、大人が感染し症状がでた場合は、重症化リスクもあるため、ワクチン接種が望まれます。水痘のワクチン接種は、実施する際は2回行い、間隔は4週間空けないといけません。
新型コロナウイルス感染症
感染経路 新型コロナウイルス感染症とは、咳・飛沫・接触を介して感染する感染症です。
症状 感染者により、症状の程度の差が異なり、無症状の人や肺炎を発症する人まで、ケースは複数あります。
ワクチンについて ワクチンの接種は推奨されており、3カ月おきに接種可能です。世界中で猛威をふるった感染症のため、海外渡航の際は、ワクチン接種経験の有無は重要です。
インフルエンザ
感染経路 インフルエンザは、飛沫・接触が原因でインフルエンザウイルスに感染する感染症の一つです。
症状 38度以上の発熱や頭痛、関節痛、倦怠感が主な症状ですが、子供と高齢者は脳炎や肺炎を併発する可能性がある危険な病気です。
ワクチンについて ワクチンを接種すると重症化の防止効果があるため、接種が推奨されます。インフルエンザワクチンを接種する際は、最初に接種した後、4週間を空けて2回目のワクチン接種を行います。
狂犬病
感染経路 狂犬病の菌を保有している犬や猫、コウモリなどの野生動物の唾液から感染します。そのため、咬まれたり引っ掻かれたりした小さな傷から感染することがあります。潜伏期間にも個人差があり、1カ月程度で発症する人もいれば数年かかる人もいます。フランスでは長らく人の狂犬病は発生していないものの、不法に持ち込まれた犬が感染している事例がたびたび起きています。
症状 頭痛や発熱、嘔吐、悪心、全身の倦怠感、創傷部位の痛みなどの症状が出ます。進行すると重篤な脳炎症状が起こり、ほぼ100%死亡します。
ワクチンについて 渡航前にワクチンを接種することで、免疫を獲得できます。なお、暴露前接種の有無に関わらず、咬まれたら暴露後接種が不可欠です。
破傷風
感染経路 破傷風菌によって引き起こされる感染症です。傷口から体内に侵入しますが、菌は土や動物の排泄物の中に広く存在しています。5類感染症の一つです。潜伏期間は3~21日ですが、傷口が中枢神経から近いほど潜伏期間が短くなり、症状が重くなるといわれています。
症状 毒素によりさまざまな神経に影響を及ぼし、不快感や激痛が続きます。初期症状として、顔の筋肉が動かしにくかったり引きつりを感じたりするほか、顎が疲れるなどがあります。
ワクチンについて ワクチンを接種していれば、ほぼ100%予防できるといわれています。乳幼児期に合計4回の定期接種が受けられます。大人でも、免疫効果維持のため10年ごとのブースター接種が推奨されます。
腸チフス
感染経路 サルモネラ属のチフス菌による感染症です。感染者の排泄物に汚染された水や食べ物を摂取することで感染します。潜伏期間は6~30日と幅広く、なかなか下がらない発熱がきっかけで腸チフスに気付くこともあります。菌を保有していると、無症状であっても感染を広げてしまうリスクがあります。
症状 39℃を超える熱が続きます。バラ疹や徐脈が見られる場合、腸チフスの可能性が高くなります。重症になると腸に穴が開いたり、腸から出血したりすることがあり、致死率も15%とリスクの高い感染症です。
ワクチンについて 輸入ワクチンを1回接種します。2週間程度で抗体ができます。
髄膜炎
感染経路 ウイルスや細菌がきっかけとなり髄膜に炎症が起こる感染症で、特に流行性の髄膜炎菌性髄膜炎は症状が重篤になりやすいです。炎症を起こす髄膜炎菌は、健康な人の鼻や喉の粘膜にも定着していることがありますが、咳やくしゃみなどで伝播していきます。主な流行地域はアフリカの髄膜炎ベルトですが、時折フランスのような先進国でも散発的な流行が見られます。
症状 激しい頭痛や発熱、嘔吐などの症状が見られます。光に過度に反応してしまう過敏症の症状が出る人もいます。
ワクチンについて 髄膜炎菌の感染を予防するワクチンです。ワクチン接種後、抗体ができるまでに4週間程度かかります。1回の接種で5年の効果が期待できます。
ポリオ
感染経路 口から侵入したポリオウイルスが、排泄物を介してほかの人に広まっていきます。無症状の方が9割以上ですが、発症すると有効な治療法がありません。日本国内ではポリオの発生は長らくないものの、ワクチン未接種の方が増えることで再流行するリスクがあります。フランスでのポリオリスクも低いですが、他国からの渡航者を通じて感染する可能性もゼロではないため、ワクチン接種が推奨されます。
症状 発症すると、発熱や頭痛、嘔吐、悪心、倦怠感などの不調が見られ、進行すると手足の麻痺が出ることもあります。
ワクチンについて 5種混合ワクチンの定期接種が実施されています。接種歴がない、または不明な大人は、ポリオワクチンを合計3回接種することで免疫を獲得できます。

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各種ワクチン金額相場

フランス渡航前に接種が望まれる各種ワクチンの情報は、このとおりです。

ワクチン名 相場価格/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 1万円前後/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 約5,000円〜1万円/回
新型コロナ(mRNA)ワクチン 0円(令和6年4月以降は原則有料)/回
インフルエンザワクチン 約3,000〜5,000円/回
狂犬病ワクチン 1万5,000〜2万円/回
破傷風ワクチン 3,000〜5,000円/回
腸チフスワクチン 1万円前後/回
髄膜炎ワクチン 2万5,000円前後/回
ポリオワクチン 7,000〜1万円/回

当クリニックでは、MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン・水痘・帯状疱疹ワクチン・新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNAワクチン)に対応しています。インフルエンザワクチンについては、ご予約をお受けしていない時期もありますので、お問い合わせください。

フランス渡航前ワクチン(予防接種)を
接種する時期と必要回数

病名 ワクチンの種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 8週間 3ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月
麻疹・風疹 生ワクチン 1回目 2回目
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン 1回目 2回目
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン 1回目 2回目
インフルエンザ 不活化ワクチン 1回目 2回目
病名 ワクチンの種類
麻疹・風疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 2回目 3週間 2回目
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 3回目 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
新型コロナウイルス感染症 mRNAワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 8週間
3ヶ月 2回目 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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病名 ワクチンの種類
インフルエンザ 不活化ワクチン
期間
0日 1回目 1週間
2週間 3週間
4週間 2回目 8週間
3ヶ月 5ヶ月
6ヶ月 12ヶ月
18ヶ月 24ヶ月
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ワクチン接種の種類によって、複数回の接種が求められます。また、新型コロナウイルスのワクチンについては、ワクチンを接種する間隔が3カ月と長いため、渡航前に予防接種が完了できるよう早めにご相談ください。

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フランスで気を付けたい病気

花粉症
フランスにも花粉症があり、主に2月から9月にかけて豊富な種類の植物の花粉が飛んでいます。主に、イネ科植物や白樺、ブタクサ、イトスギなどの花粉があり、その年の気候によっても変わってきます。花粉が飛ぶ時期は薬を服用したり、多く飛散している時間帯の外出を避けたりしつつ、手洗いうがいをしっかりと行うようにしましょう。
インフルエンザ
フランスでも、季節の変わり目や冬に風邪やインフルエンザの流行が見られます。高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が起こります。フランスでは、インフルエンザワクチンこそあるものの、医療機関での積極的な検査やタミフルの処方は行っていないことがほとんどです。また、フランスでインフルエンザワクチンを打つときは、薬局で自分で購入し、看護師に接種してもらう流れになり、日本とは大きく異なるため注意が必要です。
交通事故
フランスは日本と比較して交通事故が多いです。フランスでは物損のみ交通事故の場合、警察に届け出る必要がありません。そのため、当事者同士で話し合い、保険会社に書類を提出する流れとなります。また、フランスは右側通行かつ右側優先のルールがあります。ただし、ルール無視で突っ込んでくることもあるため、フランスで運転する際は十分に注意するようにしてください。
食中毒
衛生状態が良好なフランスですが、2023年には食中毒の一つであるボツリヌス症の集団発生が起こりました。ほかにも、たびたび飲食店で食中毒が見られたり、先のパリオリンピックでは各競技施設で食中毒が発生していたことが判明したりと、飲食店選びでは十分注意する必要があります。
破傷風
破傷風菌による感染症で、口や手足のしびれが起こります。ケガをしたときに傷口から菌が入ることが感染経路で、菌は世界中の土壌に存在しています。3~21日の潜伏期間を経て、口を開けにくい、体が痛いなどの症状が現れ、全身に広がっていきます。定期接種を行っていても、最終接種から10年おきにブースター接種を行うことで、免疫が持続します。

フランスの基本情報

フランスは、西ヨーロッパに位置しており、北に英国があり、ドイツやスイス、スペインなどと隣接している国です。フランスの言語や文化などの基本情報は、このとおりです。

国名 フランス共和国(French Republic) 言語 フランス語
宗教 カトリック、イスラム教、プロテスタント、ユダヤ教など 気候 四季があり、地方により気候が変動します。北部は涼しく、地中海沿岸などの南部は温暖です。
服装 地方により変わりますが、年間を通してパリは東京よりも気温が5度ほど低いため、渡航時期によっては防寒対策が必要です。 通貨 ユーロ
チップの習慣 サービス料が含まれているため、基本的にチップの習慣はありませんが、サービスに満足したときは渡しても問題ありません。 文化 エスカレーターでは、右側に立ち、左側を空けます。喫煙は、公共の場所では全面的に禁止されており、違反すると罰金が課せられるので注意しましょう。
時差情報 -8時間(日本が午後8時のとき、フランスは正午)
※サマータイムを除く
治安情報 フランス 危険・スポット・広域情報

フランスの渡航情報

フランスに渡航する際、日本のパスポート保持者は、条件によりビザ(査証)の取得が免除されます。ただし、パスポートの残存期間などに注意しましょう。

ビザ情報 日本のパスポートを所有し、短期滞在(90日以下の滞在)で入国する場合はビザの取得は不要
パスポートの必要有効残存期間 短期滞在の場合、出国予定日から3カ月以上の残存期間が必要
入国カードの記入について 不要

入国に必要な手続き

フランスに入国するためには、航空券やパスポートなどの事前準備が必要です。パスポートには残存期間や余白などの条件がありますので、注意して確認しましょう。

必要なもの
フランス入国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
フランスへ入国するには、日本とフランス間の空港までの往復航空券の取得が必須です。航空券の手配は、各旅行会社や専門会社を通じて行います。フランスへの直行便は、シャルル・ド・ゴール国際空港とつながっています。


パスポート
有効期限が出国予定日よりも、3カ月以上期間が残っているパスポートの提出が求められます。3カ月未満の場合は、パスポートの更新が必要なため、余裕をもって更新手続きを行いましょう。また、パスポートの余白ページ数にも注意が必要です。フランスへ入国する際、見開き2ページ以上の余白ページが求められます。


必要な手続き
フランス入国に必要な手続きは以下のとおりです。

ビザ申請
旅行者をはじめ、3カ月以下の滞在を予定しており、日本のパスポートを所持している人は、ビザ(査証)の取得は不要です。90日を超える滞在の場合は、該当するビザを確認のうえ、必要な手続きを行いましょう。


入境審査
旅行者や出張者など、短期滞在を予定している人が入国審査で提出する書類は、パスポートと帰りの航空券(もしくは電子航空券の控え)です。シャルル・ド・ゴール国際空港では、EU諸国内パスポート所持者とEU諸国外パスポート所持者で進む窓口が異なります。EU諸国外旅行者用カウンターに並び、審査官へパスポートと手渡し、審査を進めてもらいます。


税関検査
現金は1万ユーロまで、外貨の場合は1万ユーロに該当する分まで持ち込み可能です。上限を超えた金額は税関申告が必要です。また、お酒やタバコについては17歳以上に適用され、持ち込める量に制限があります。たとえば、紙巻きタバコなら200本、ワインなら4Lまでです。申告が不要な免税範囲内の人は、緑のランプが点灯しているゲートへ進み、申告が必要な人は、赤のランプのゲートへ入り審査を行います。


出国に必要な手続き

フランス出国時に必要な手続きは、搭乗・税関・出国手続きです。航空券やパスポートなどの必要提出物をあらかじめ準備して手続きに進みましょう。

必要なもの
フランス出国に必要なものは以下のとおりです。

航空券
日本へ帰国するための航空券は、搭乗手続きと出国審査を行う際に、提示が求められます。


パスポート
パスポートは、搭乗手続きと出国審査のときに提出が必要です。


必要な手続き
フランス出国に必要な手続きは以下のとおりです。

搭乗手続き
フランスで買い物をした際、付加価値税(TVA)が課されますが、手数料を引いた金額の払い戻しがあります。品物の提示が必要なケースもあるため、スムーズに審査ができるよう、あらかじめ時間を確保したり、物品を出しやすい位置に収納したりすることが大切です。


税関審査
フランスで買い物をした際、付加価値税(TVA)が課されますが、手数料を引いた金額の払い戻しがあります。品物の提示が必要なケースもあるため、スムーズに審査ができるよう、あらかじめ時間を確保したり、物品を出しやすい位置に収納したりすることが大切です。


出国審査
出国審査官へパスポートと搭乗券を提出し、審査を受けます。審査終了後は、保安検査とボディチェックなどを受けて、飛行機に乗り込みます。


Q&A

よくある質問

フランスにワクチン未接種で入国できますか?
ワクチン接種経験の有無にかかわらず、入国可能です。2022年8月1日以降、フランス政府は渡航者に対して適用していた水際措置を終了しました。
フランスに入国するにはワクチンは必要ですか?
フランス政府が発効していた水際対策撤廃に伴い、不要になりました。パンデミック以前の入国条件に戻っています。
ワクチンパスポートはいつ廃止になりますか?
ワクチンパスポートは、廃止されていません。市町村の窓口への申請、もしくはスマートフォンアプリを通じて、手に入れられます。
パリに入国するにはどのような書類が必要ですか?
パリに入国するには、ビザ(査証)と有効なパスポートが必要です。しかし、日本のパスポートを持っている人で、短期滞在(3カ月以内)の場合はビザの取得は免除されます。
コロナワクチン未接種で入国するにはどうしたらいいですか?
2022年8月1日以降、フランスの水際対策終了に際し、ワクチン接種証明書や陰性証明書をはじめ、新型コロナウイルスに関する各種書類の提出が不要になりました。

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ミクロネシア

マーシャル

ボスニア・ヘルツェゴビナ

Information

各国で流行している感染症

渡航先の近くで流行している、または、今後国内で発生するリスクのある感染症を予習しておきましょう。

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Reservation

海外渡航前には
ゆとりをもってワクチン接種を。

渡航先や目的によって予防接種の種類はさまざま。
複数回摂取が必要なワクチンも。
以下よりワクチンのご予約が可能です。

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